CASE:6 それもある意味、運命のヒト?
「なるほど……。効率を追求するための努力は惜しまないタイプか~! そっか~!!」
モブ男くん、なかなか話せますね。
そうなんです。メンドゥーサは極端にエンジンがかかりにくいだけなんです。
「……けどさ、そんなのおまえの能力使えば一発じゃねえの? なんでしないんだよ。さっき、俺のこと無理矢理止めたのと同じようにすりゃいいだけだ。『女性相手には使えない』って感じのキャラでもなさそうじゃん」
なかなか痛いところを突いてくるではありませんか。モブ男くん。レギュラー入りします?
「また俺なんか気付いちゃった? ていうか、軽くねえかな? いろいろと」
「サーセンっした! あと、そのスピード感なんなんだよ!? まあ、いまはそれより……」
「…………。まだなんか訊きたいの? 走るのに集中できない?」
おや。メンドゥーサが珍しく苛立っているようですね。美形のキレ顔万歳ッ!!
時間が空いてしまった関係で忘れてしまっている方もいらっしゃるかもしれませんし、前回のあらすじを一行でおさらいしておきましょうか。
――――私たちは、ぺるるんと追いかけっこの真っ最中です。
「……気になってたんだけどさ。なんで俺の車の周り、延々とぐるぐるしてんの……? あの爆速ロリータから逃げるんじゃなかった?」
モブ男くんは片方の靴紐が解けてしまっていますが、なんとかメンドゥーサのスピードについてきています。なかなか骨のある方ですね。
「へ~。キミ、『永遠と』って言わないんだ。意外」
一方のメンドゥーサは涼しい顔ですが、明らかに飽きてきていますね。この調子では、そう遠くないうちに勝負を投げ出すでしょう。
「喧嘩売ってんのか? お? てか、不吉な予言やめて!?」
~モブ男くん終了のお知らせ~
「
ええ、もちろんですとも! 永遠の70(ナレー)歳ですので。
「やかましいわ!」
「売ってないよ~。エネルギーの無駄だし。キミの車を離れないのは、こんなの置いたままどこか行ったら、いくら交通量の少ない道でも邪魔だし、戻ってくるのも面倒だからってだけ……」
とても“らしい”理由ですが、メンドゥーサはまだなにか言いたげにしていますね。
「オレはどうでもいいけど、キミにとっては大事な車でしょ。離れていいなら、そうするけど?」
「メンドゥーサ……! おまえ、意外といい奴だな」
モブ男さんが感涙に咽びかけたそのときです。ふたりに忍び寄る特徴的な影がひとつ。
「そういうの「わかってるじゃない♡♡ モブ男
メンドゥーサの美声に被せるようにして、割り込んでくるとは……。御見それしましたよ、ぺるるん。
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