第24話 ネルドへようこそ/城下町とギルド(3)
申込書の記載をし、受付に提出すると女性の職員から名前を確認される。
「お名前は」
「チーズです」
「チーズさんですね。お隣の方の登録はお済みですかか?」
隣に立つアオくんにも声がかかる。この世界では見た目年齢と実年齢が結構違うことがあるので聞かれたんだと思う、とあとからアオくんが教えてくれた。そして魔女さんの風貌を思い出し、納得した。
「ぼくはまだ未成年なので、成年になったら登録します」
「わかりました。では、受付番号3番のカードをお渡ししますので、奥の医療ギルド出張所ブース前の待合所でお待ちください」
受付の奥の廊下の先に、確かに「医療ギルド出張所」と書いてある扉があり、その前応接テーブルが置いてある。
そこで暫く待つと3番さん、どうぞ。と声がかかる。
「失礼しま~す」
中にはまた軍服っぽい女性が二人。髪の毛はまとめてあり、こんどは戴帽している。エポレットは水色だ。
「これから生体認証と、血液登録を行います。まずこちらに両手をあててください」
丁度右手と左手がそれぞれおける大きさの魔石の埋め込まれた石板に手をつける。そうすると鈍い光を魔石が発し、2秒くらいで光が消える。
「生体認証はこれで終了です。次は血液登録になります。ちょっとちくっとしますよ~利き腕はどちらですか。」
右手、というと左手の中指に献血でやるような指先穿刺をされた。
穿刺したところから血を採取し、小さいプレートのようなものに吸い込ませる。
「これで登録完了です。ギルドの説明は、受付職員から行いますので、受付に戻って登録が終わったと伝えてください。お疲れさまでした」
結構あっけない。
言われるがままに受付に戻り終わった旨伝えると、今度は男性の職員から5センチほどはあるマニュアルと、赤色の魔石が手渡された。
「この赤い魔石を使うとギルドのマニュアルをすべて頭にいれることができます。また、マニュアル確認のスキルも併せて使えるようになり、ステータスボードに反映されますので、あとでご確認ください。スキルで確認できるマニュアルと同内容の紙のマニュアルも念のためお渡しします。使ってみて不明点があれば、気軽にまた地区は問いませんのでギルド登録所を訪ねてきてください。世界ギルドへようこそ。発展貢献そしてご武運を。」
そういうと、明らかに火打石をと思しき意思を打ち付け火花を散らす。
なんか突然昔の日本ぽいことをされると正直ビビる。
ギルド加入特典は要するに、紙のマニュアルと電子書籍マニュアル同時配布、魔石はインストールに使用するさしづめUSBみたいなもの、という理解で良さそうだ。
「登録完了しましたね。では次は冒険者ギルドへ行ってミッションを探しにいきましょう」
私より楽しそうなアオくんに手を引かれ、ギルド登録所の横に立ち並ぶ各種ギルドの中で、ひときわ大きい冒険者ギルドに早速行ってみることにした。
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