第12話 異世界を知ろう/狩猟

 ある程度の【地】属性魔法の手ほどきをうけたあと、物理攻撃用にこの世界の短剣と多少の装飾が施された長銃が手渡された。やっぱり撃って終了ではなく、その後の始末もあるということで短剣は必須アイテムとなる。


 さて、お待ちかね。狩猟免許持ち、チーズ様の登場です。

 弾丸とともに手渡されたそれは、強度はどのぐらいなのかはわからないけど、とても装飾はあれど、銃身はとても簡素だった。


 先ほどの【地】属性魔法の練習場から2キロ先、王国から大体5キロ程度。

 弱い魔物が出る狩場にやってきた。

 この世界の国の中で、一番弱い魔物が出る国がこのナット王国近隣だということで、【はじまりの街】とも呼ばれ、初心者の狩場として重用されていたらしいが、今となっては国外の人たちにとっては認知外。立ち入ることのできない国になってしまったので、今は私のプライベート狩場ということになる。

 

 当面ウサギっぽいモンスターと鳥っぽいモンスターが主な狩りの対象だ。


 自分が使い慣れた銃と比べるとかなり軽く、まあまあ手になじむものの威力はどの程度となるか、扱ってみないとわからない。この世界の銃の扱い方のレクチャーを受けた結果、大きな差はないように思えた。

 銃に玉を込める。ロックを外し、空飛ぶ鳥モンスターに照準をあわせる。

 今気づいたのだけれど、見ようと思ったらスコープいらずなぐらいで視力が強化されていて、簡単に照準があう。

 引き金をひく。


 そこそこ大きな発砲音とともに鳥モンスターに命中、声をあげることもなく鳥モンスターは地上へ落下した。


 この程度のモンスター相手であれば難なく殲滅が可能であろう。銃が単発なので弾を込める、撃つ。目につく範囲の鳥を撃ち落としたところでひと段落。


 その様子を後方で見ていた魔女さんが振り返りざま拍手してきた。

「あざやか!なかなかの腕前じゃのう。」

「ありがとうございます、このぐらいのモンスターであれば難なくいけますね。ただ、強いモンスターを相手にした場合この弾丸の威力では歯が立たないかもしれないですね」

 本当に視力の補助が思いのほか便利、照準があわせやすい。


 チーズ

 LV.5

 HP:75

 MP:35

 スキルポイント:30

 スキル:合成 レベル1

     時間干渉 レベル1

     解析 レベル1

     ????

     ????

     ????


 汎用スキル:鑑定レベル1、ステータス確認レベル1

 パッシブスキル:視力強化レベル1、魔石収納

 

 魔法属性:雷、地、召喚、????、????、????、????

 

 ステータスを確認。新たにスキルポイントというものがあらわれ、パッシブスキルも見れるようになった。そしてスキルにレベルというものが存在していることもわかった。

 あれだけ撃ちおとしたのにさすが初期の狩場、敵が弱すぎてレベルが思いのほか上がらない。

「倒したモンスターってどうするんです?」

 狩猟後の獲物は血抜きして食肉とするのか、どうなのか。

「弱いモンスターだとそのまま消えるのが8割、魔石が2割、魔石とともに肉としてのこるのはレアであるけれど、高ランクのモンスターになるとそのまま消えることはなく、素材部分も肉も魔石ももれなく残るぞ」

 倒したモンスターや狩りの対象とした動物を、全部食肉加工を準拠した始末をしたうえで、保管しなくてはならないかとおもっていた矢先、これは朗報といえる。


 倒した後の魔石はパッシブスキルによって自動的に無限フリースペース内に分類されて収納されるとのこと。

 ただ、弱いモンスターだといくら疑似的に私の世界で食べれたジビエでも、肉として残らなければ食べることはできないということだ。


 ちなみに、魔石は日常生活の補助のほか、私のスキルにある「合成」に使用できるようだけれど、あとで教えてくれると魔女が言っているのでひとまず保留としよう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る