第2話

「連絡先もわからず、街中で探しても見つからないようです。もし、学校に通っていなくても、知り合いはいるのではないかと思いまして」


「…ええと、それは、その女の子をまたモデルにしたいと?」


「そうです。藤原さんが売れると確信してる方だそうで」


そこまでこだわる女の子。なぜ手放したんだか。


「…わかりました。写真送って下さい。あと、漢字も教えて下さい」


「ありがとうございます」


「情報あったら…しばらくモデルの仕事はないので、零の携帯から連絡します」


「はい。よろしくお願いします」


はー、社長から頼まれごとされるとは。そりゃそうか、零の離婚を手伝ってくれたし。

でもなー、零の嫁はまだモデルやってて、超気まずい。私が悪者のように思われているから。仲良くはするつもりないけど、めんどくさい。何で私がこんな目に。


「…足助先生は、どうかされたんですか?」


零は心配そうに見ていた。ので、スマホを返す。


「なんか、前モデルやってた子を探してるらしい。うちの高校にいないか調べてほしいってさ」


「え?さっちゃん、そんな暇がありますか?」


「大丈夫でしょー?私にはファンがたくさんいますから。学校で聞いてみれば、すぐだよ」


たぶん…?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る