第17話 大学に通うエルフは女子高生コスプレをしたがる

 どんなに清純ぶっても、10代後半の2人は性欲を持てあましている。


 悲しみや苦しみなんて心の奥底に仕舞い込んで、お互いを絶頂に追いやることに全力を尽くしていた。


 頬を伝う汗。


 イクのを我慢してる顔。


 相手を気持ちよくしてる満足感。


 全てが感度を上げる要素になっていた。


「あぁぁイキそう! 新でいっちゃう!」


 ビチッ! 


 お尻に腰を押し付けると、背中が上下に躍動している。


 背中の滴る大粒の汗がライトの光を反射していた。


「僕も我慢できない!」


 彼女が絶頂の時は、僕を包む柔らかいヒダがうねり、きつく締め付ける。気持ちよすぎて我慢なんて出来ないよ。


 睾丸から流れ出る液体が、海綿体の躍動で亀頭の先から放出される。ゴム越しに放出すると、力尽きて彼女の背中に倒れ込む。


「はぁ、あぁ……出てる……新が……嬉しい」


 肩に浮かんだ汗を舐めて、彼女が満足してくれたことに嬉しさを感じている。


 お互いの性欲をぶつけ合い、数回の絶頂を迎えた後は抱きしめたまま脱力していた。


 数回の軽いキスで行為の終わりを告げる。


 鼻先が触れたままお互いを見つめ、相手の満足そうな顔に優越感を覚えていた。


「はぁはぁ、はぁはぁ……翠の体、気持ちよかった」


「気持ちよかった……ねぇ」


 秋の寒さとは裏腹に、冷房を付けてセックスしていた。それでも2人の体温は上がり汗が絡まり合っている。


「はぁはぁ……」


「…………」


 ◇


 シャワーを浴び、この後のデートプランを考える。付き合って7か月も経つと週末のデートプランも立てにくなっていた。


「ちょっとパソコンで調べるね」とPCの前に座り電源を入れる。スマホで調べられるのにわざわざPCを使うんだ。


 もちろんデート先を調べるためではあるけど、僕のDLサイトの購入履歴を見るのにハマっている。


 緑に囲まれるのは今だけだから、と言って都内の公園を調べていた。


「じゃぁ、明治神宮辺りを散歩しよ?」


「うん、じゃあ僕はランチ調べるね」とスマホで近くのお店を調べる。


 彼女はやはり、DLサイトを開いて同人誌を見ていた。


「ねぇ翠? 正直言うと、購入履歴見られるの恥ずかしいんだけど」


「ん〜、ちょっと迷っていることがあってね」と履歴から1冊ずつ同人誌を開いていく。


 全く僕の話を聞いていない……


 買っているのはもちろんエロ同人誌。彼女が初めて見た時は恥ずかしそうに見ていたけど、今は真剣な顔つきで見ている。


 そのまま30分が経過している。僕はソファで珈琲を飲みながら、彼女はずっと同人誌をみていた。


 最近彼女について気づいたことがある。僕に比べて、高まった性欲が落ちるスピードが極端に遅い。セックスが終わった後もエロいことのリミッターが外れたままだ。


 セックスが終わってしばらくしてから、もう一回したいと言ってきたことがあった。終わった後の30分間もずっと性欲が高い状態だったらしく我慢できないって言っていた。他の女の子と比較したことないからわからないけど、女性はみんなそうなのだろうか。


「ねぇ聞いていい? 新は同人誌と同じことしたいの?」


 あまりに唐突な言葉に珈琲を吹き出した。いったい何を考えてるんだ? 同じことなんてできる訳がない。だって寝取られて複数の男達に回されるなんて……それは妄想だけでいいとも思うけど。


「ものによるし……し、したくない……って言えば嘘になる……かな……」


「じゃあしてみる?」


 いったい何を言ってるんだい? 同人誌と一緒って……しかも、見ていたのは僕の購入履歴だ。内容を見た上で言った言葉とは思えない。


「いや……それは……」


 もちろんしてみたいけど内容による。僕は彼女を信じると決めたけど、本当に寝取られプレイを実行したら平常心を保てる自信はない。


「でも私がしたくない事はしないよ。だから選ばせて」


 彼女が選ぶなら寝取られ物はないだろうけど、相当エロい物しか買ってないんだけど。


「いいけど……でも何で?」


「先週見た時より購入履歴の5冊も増えてるから。興味あるんでしょ?」


 あぁ……何でそんな事まで覚えてるんだよ……


「し、処理……だから」


 言い訳は後の祭りだ。最近買った5冊も、寝取られと露出とサキュバズものだ。


 彼女はやらない事の条件を言ってきた。


「他人とするのは嫌」


 やはりこれが一番初めに言ってきた。それは擬似プレイで僕が泣いたからかな。


「すわっぴんぐ? も絶対に嫌」


 僕は彼女にしか興味ないから、他の女性がいても邪魔だと思う。


「外でするのもイヤ」


 学校で目立つのもイヤだったのに、公開露出衆人観衆セックスなんてするわけない。でも本当は注目されたいはず。


「痛いのもイヤ」


 それは僕も嫌だ。翠に傷をつけるのは絶対に無理。


「お尻もイヤ」


 未開の地アナル。でも、オナニーの時に触れていたでしょ? って言えない。淫らなオナニーで指入れてたから絶対に気持ちいいはずなのに。


「これにする!」


 そして選んだ1冊の同人誌。


 ”笹森トモエ”


 ”先輩が僕にしてるコト”


 これは性欲が溜まりすぎた女子高生が、後輩を襲うサキュバズ系の本……


「……いいの?」


「いいけど今日は無理。時間ちょうだい。それと私もこの本読むから」と言いながら、DLサイトに登録して、笹森トモエの本を全て購入していた。


「あ! 1つ条件!」と流し目で僕を見る。何を企んでいるんだ……


「な、なにか……な?」


「来週までオナニー禁止! 絶対私でしてね♡私も我慢するから」


 あぁぁ……それは厳しい! 毎日しているオナニーを5日間も止めるなんて出来ないよぉぉぉ。


「絶対? 絶対に絶対?」と焦りながら問いかける。


「絶対に絶対! 私以外の体をオカズにしたバツ!」と両手でバツを作っている。笑顔でそんな事言わないでよ。


 本当にサキュバスみたいだ……


 そして禁欲週間が始まる。おまけに彼女は、僕を挑発する写真を送ってくるのであった。


 ◇


 火曜日の夜。


 ”私こんなに胸大きくなけど……”とLINE後に写真が送られてきた。


「!!!!!! これは! 高校の時の制服じゃないか!!」


 ”私、露里柚乃(つゆりゆの)ちゃんに似てないね”と、直後に写真が送られてきた。


 高校の時の制服だけじゃない。黒縁のメガネに黒タイツ。キャラに寄せてるし! 


 確かに胸の大きさも髪の色も違うけど、めちゃくちゃエロい。


 ”でも、高校の時より1カップ増えたんだよ♡だから胸がきついw”


 ”増えたんだ。で、何カップ? ”


 ”ふふw教えない。週末楽しみね♡”


 と言うと数分後に、また写真が送られてきた。


 次の写真は、制服のボタンを外し、ブラのホックを取っておっぱいを露出している。舌をペロッと少し出して前屈みになっていた。


 げ! 原作の表紙をを真似しているだと! エロい! エロ過ぎるっ! 


 僕は主人公の巽みたいに10回の射精は出来ないけど、同じようなプレイができるって事か? 精子飲みまくりで中出ししまくりなんだけど……


 駄目だ我慢できない……内緒でオナニーしちゃおうかな……


 ”今オナニーしたいって思ってるでしょwだめよwたくさん溜め込んで、巽君みたいにいっぱい出してね♡”


 悪魔の忠告。なんでバレるんだよ。これはエルフの能力なのか? 


 ”我慢する……”


 我慢する自信ないよぉぉぉぉ! 


 ”言い子ねwナデナデ”


 早く週末になってチンポをナデナデしてくれっ! 


 そして残り3日間の禁欲を強いられる。

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