第25話ルクリア・プリモディアの実力
1人vs大勢。明らかに大勢の方が有利に見えるだろうが、ルクリア
分かるぞ生徒諸君…ルクリア姉はレリアと姉妹という事もあってレリアに良く似ている。そんな美しく綺麗な美少女が一切表情を微笑みから変えずに佇んでいる時に放たれる圧は相当なものだろう…俺だって人間ならば気圧されて動けない自信がある。
そんな怯んでる生徒達を一切気にせずにルクリア姉は集団戦特化な大規模な魔法を召喚獣のフユと協力して発動させる。
まずフユが空中で円を描く様に回転していく…するとその円の中心で旋風が発生していき、時間が過ぎていくごとにどんどんその旋風が巨大化していっている。
流石に生徒達もヤバいと思ったのか距離を詰めようとするがルクリア姉による妨害によってうまいこと距離を詰められていない。ルクリア姉は風・氷の属性を使う…まず氷の壁で生徒達の進行を防いでおり、そこに下方に風が吹く様に操作し、よじ登る事すら困難になっている。そして追い討ちをかける用に壁に張り付いたり近づいてる生徒に向かって氷の刃や礫、槍などを投擲している。
その光景はさながら実際に砦を使った時の防衛戦の様…そして突破に時間が掛かってしまったからか、フユの生み出した旋風はもはや竜巻と言っても良いレベルの大きくなっている。
そんな旋風を生み出したフユはいつの間にかルクリア姉の横に来ており、ルクリア姉を乗せて上空へ………そこからはただの蹂躙だった。
巨大な旋風は生徒達だけでなく周辺の物すら巻き上げていく。巻き上げられたものが旋風内で当たりでもしたら致命傷を負うだろうが、そこに追い討ちをかける様にルクリア姉が氷の刃や棘などを旋風内に放り込んでいる。
おそらくあの旋風の中は阿鼻叫喚になってるだろう…風によって巻き上げられたに飽き足らず、いつ巻き上げられた物や氷属性で生み出された物にぶつかるかわからないのだから。
もしレリアが巻き上げられたら…あのガラスの様な膜を貼る魔法で生き残れるだろうか?そう思ったがおそらくユニーク属性であるあの魔法を使わなければ対抗出来ないと言う点が滅茶苦茶ヤバい。何せあの旋風、風属性魔法で作られてるのだから…ほんと、フユってとんでもない生物だと思う。
ちなみにだがもしレリアとルクリア姉と俺とフユ…この4者が協力した場合、この旋風に氷の結晶が無数に飛び交うだけに飽き足らず、雷も迸るし時々稲妻も飛び交う様に出来ると思う…まさに地獄絵図。
「えげつないわね、王国の第一王女は…」
「私もお姉様の実力がここまでとは…普段は優しいお姉様なのですが」
「これを見て優しいって思うのは難しいわよ…もはやちょっとした災害じゃない、あれ」
ちょっとした災害…うん、本当にそう思う。前世のテレビで見た迫る来る竜巻とほぼほぼ同じに見えるんだもの。
まぁ災害だとか言ったが、実を言うと国同士の戦いだとかになるとこのレベルの技がぽんぽん飛び交うようになる…何せ大規模な殲滅目的の魔法を放つ為の人間の後方部隊と言うのがあり、大勢が一斉に魔法を撃つ事で竜巻とかは結構出来たりするらしい。
…なお戦場での魔法は【大勢で一斉に魔法を放った】結果であって、たったの1人と1匹だけでそれ相応を技を放ってるルクリア姉は充分おかしいが。
そしてある程度時間が経ち、旋風が止んだ頃にはルクリア姉を狙っていた生徒の数が激減しており、運良く残っている生徒も三半規管がやられてまともに動けてなかったり、身体を動かせないほどにボロボロになってて退場一歩手前と言った感じで明らかに満身創痍って感じの生徒しかいない。
…これがこの学園の現生徒会長であり、学園ランキング全生徒中一位であるルクリア姉の実力。しかも先ほどの出来事はあくまで大規模な風属性魔法と氷属性魔法のみの使用であり、一切ユニーク属性を使った様な感じはしていない。
遠い…ひたすらに遠い背中だ。いつかあの実力に追いつけるのだろうか?レリアを守りたいとは思ってるが、そこまで強さに貪欲と言うわけでも無いから絶対にたどり着きたいとは思っていないのだが…
そしてこの4、5年生によるバトルロワイヤルはユニーク属性を持ってる生徒が大暴れをし、その大暴れした生徒達がルクリア姉とフユの手によって駆逐されていって終わった。途中でルクリア姉や、ユニーク持ち生徒ばかりと分かった生徒の数人が自主的に戦闘空間の範囲から出て行ったのは印象的だった…おそらく絶対に叶わないと思って諦めたのだろう。
終始、ルクリア姉はユニーク属性らしき物を使わずに生徒達を倒していた事が強く印象に残るイベントだった…
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