第18話やっちゃえリファルっ!
そんな感じで勢いのままにガンガン進んでいき、ついに市街地が見えてきた。
ここまで来るまでにロードキルした生徒:5名…正直まともに戦わなくて申し訳ないとは思うが、前世でやってたバトロワゲーでふざけてしてたロードキル戦法を思い出してほんの少しだけ心が躍った。
市街地がみえてきたところでレリアは俺から降り、俺の横を歩いている。あとレリアが乗らなくてよくなったので目立ってしまう身体の大きい俺は召喚術で小さめにされてる。今の俺は狼とか、それくらいの大きさだ。
「んー、あの塔の上なら良いかも?恋人の待ち合わせスポットで有名な塔の上で狙撃…ん〜良いかもっ!」
そんな物騒な事を言いながら銃型の魔道具を確認するレリア。ちなみにレリアが持ってる銃型の魔道具は前世で言う単発ライフル。中・遠距離狙撃用の魔道具である。だからこそ塔…高所から撃ちまくろうと思ってるのだろう。
時々襲ってくる生徒を蹴散らしながら例の塔へと近付き、到着した所で見上げる。
ちなみに塔の内部には入れない…何処かに鍵があるっぽい。
「よしっ、順調に作戦通り…それじゃあリファル、一旦解散だよ…ふぅ。リファル…もし私が危なくなったら助けにきてね?」
「…命令だよっ!やっちゃえリファル!この塔に近づく生徒全員蹴散らしちゃえっ!」
そう言ったレリアは獣化して竜の翼を生やし、塔の最上階へと飛んでいく。それを見届けた俺は再度属性身体強化をして、塔の周りを飛び回る。
…見つけた。
即座に見つけた生徒に突っ込んで行き、そのまま召喚獣を先に戦闘不能にさせる。そしてすぐ横に居た生徒に向かって雷ブレスを吐き、黒焦げにする。これで一名脱落。
そして再度飛び立とうとしてから、振り向いて飛び掛かってきてた大型猫みたいな召喚獣を撃墜し、襲ってきた生徒を見据える。
その生徒は俺の近くに召喚者らしき存在が居なくて不思議に思ったらしく、動きが止まった。
そう、止まってしまった。
目の前で生徒の脳天が撃ち抜かれる。ヘルメットは大事だぜ?坊ちゃんよぉ。
レリアの正確な狙撃は相変わらずヤバい。氷をガラスのように、それもレンズみたいにしてスコープの様にしながら撃ってるのだ。自分の魔法でスコープを作ってる為、倍率は自由自在。それに雷属性を付与して貫通力と速度も上げている。
…正直敵じゃなくて良かったと思ってる。俺の戦える距離というのは中・近距離が多い。だからこそ超遠距離に徹してるレリアが敵だと動きづらいことこの上なかった。
さて、この作戦の利点を上げようと思う。
まず一つ目、レリアの危険が非常に少ない。
この作戦で孤立するレリアなのだが、そのレリア自体が塔の上に居るため、バレづらい。しかも塔の上に登るための鍵を見つけない限り上に登れるのは飛行型の召喚獣か、壁を登れるほど発達した鉤爪を持つ召喚獣くらいだ。
それに、召喚獣と召喚者相手ならレリア1人でもなんとかなってしまう。雷と氷と水…それをフルに使って良いなら複数体相手でも戦える天才っ子なのだ。
次、俺が自由に動ける。
これがこの作戦を取った大きな意味である。まず、竜と言うのは個体差が激しいが一律して一定以上の強さは必ず持ってる。
そして、竜の上振れ達は今まで何度か話に出てきたフェニックスやフェンリルに並ぶ…もしくは超えるほどだと言われてるのだ。そして三つの属性にSユニークは一つ(二つ)持っており、常々感じてた異常に良い身体のスペック…そう、俺はその上振れに入るのだ。
だからこそ、俺を自由にして他生徒を蹴散らすのだ。生徒と召喚獣が一緒に襲ってこようとも蹴散らせる能力を持ってるのだから。
そして次、隠れる場所が多く、また移動する必要が無い。
空間が狭まっていくのは当然の事なのだが狭まり方は決まっており、毎回市街地エリアの中央に向かって狭まるようになっている。そしてその中央が………あの塔なのだ。
つまるところ、今回の作戦は移動の手間を省いてできた時間で出来るだけ生徒を削ると言う事だ。
とは言え、この作戦にも不安要素がある…それがレーナ皇女や神凪と言ったレリアと拮抗しうる実力を持ってそうな人達だ。
もしそんな人達にレリアが狙われた場合、かなり危ない。俺が辿り着くまで耐えれれば良いのだが、耐えれない可能性もある。
まぁでもユニーク属性である稲妻属性を使えれば相当な時間は耐えれると思うが。だがそれを使うには時間制限がある獣化が必要…と言った具合である。
ちなみに塔を崩されると危ないと言った心配は無い。即座に獣化して翼を生やし、滑空して俺の所に来るだけである。
そんな感じでメリットの多い作戦のため、俺もレリアから離れて行動をしてる訳だ。にしても普段から離れる事が無かったからちょっと寂しさを感じる…早々に次の作戦の移りたいものだ…
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レリア・プリモディアside
タァン…と言う魔道具の攻撃音が辺りに響く。
遠距離用魔道具から放たれた攻撃は私が1番信頼し、愛するリファルの側に居た生徒を撃ち抜く。
「…リファルに近づくなんて許せない」
私のリファルになに襲いかかってるんだって感情を込めて放った攻撃だからか殺傷能力が高かったらしい、一発で仕留めれた。
「この作戦を提案したのは良いけど…うぅ、リファルとくっついてたいよぉ…」
そんな愚痴を漏らしながら再度魔法によって生み出したスコープを覗きながら見つけた生徒を撃ち抜いていく。淡々とした作業…正直暇でリファルと触れ合っていたいけどそのリファルはこの場に居ない。
「うぅ…でもこれも練習練習っ!今後絶対にリファルと離れて行動する時あるんだからちょっとは慣れなきゃ!」
実はこの作戦を選んだ理由はリファルから離れる事に慣れるためと言うのが大きい。自分でもリファルに依存してる節があるのは理解している…だから少しでも離れる事に慣れないといざという時に発狂してしまうかもしれない。
「…むぅ、これが終わったら気が済むまで抱きついてやるんだから」
リファルとじゃれついてる召喚獣をみながら、その召喚獣の召喚主である生徒を撃ち抜く。リファルとじゃれついて良いのは私だけなの…
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