第16話 ライアー君はライザーでライターでラット

 あの後、特に動くことなくまったりしてると狭まってく空間から出ることになり、模擬戦闘空間から追い出された。

 感覚的にはバトロワゲーでよくある安置移動だった。ただ違うのはダメージを負うのではなく、一定時間過ぎると追い出されるといった感じだったが。


 どうやら他生徒達はレリアが最後まで残ると思っていたらしく、大層驚いて居た…ただ、レリアにとっては体験してみただけであり、わざわざここで実力を出し切って一位を取ろうと思ってたわけではないのだ。


「よし…全員帰って来たな?これが模擬戦闘空間だ。しばらくは傷とかを負うのに抵抗があるかもしれないが、この学園で過ごしてくうちに嫌でも傷を負うのには慣れる物だ。さて、今回の授業はここまでだ。今後の授業もここを使う事は多いから覚えておくように…それじゃあ解散」


 そうして授業が終わる。所々でレリアに話を持ちかけてくる子息女達と軽く話してから教室へと戻る。

 ちなみに今回のバトロワで最後に戻ってきた…所謂一位の生徒は以前パーティで貴女を諦めない的な宣言をしていたライアー君だった。


 自分は凄いんだぞアピールをしてたが、レリアからは「そうなんですね」の一言で終わらされていた。

 そりゃ…男性不審なレリアにゃ実力があっても興味惹かれんでしょうよ…


 と言うかむしろ実力があると抵抗出来ないと言う考えがある以上、むしろ警戒してしまうだろう。


「ラ…ライ…なんて名前でしたっけ?ライザップさん?には辟易としますね…いっその事氷漬けにしてさしあげたいくらい…でも侯爵家の長男ですからね…めんどくさい立場ですね、ほんと」


 これが移動中のレリアの言葉…ライザー君、まさかの前世のトレーニングジムと名前被りをした模様。語呂が良いもんね、ライザップ。

 同情はない…普通にレリアと同じく嫌なやつと認識しているのだ。…あれ、ライアーだっけ?


 なお嫌っている理由の大部分はレリアと繋がってるが故に好き嫌いがレリアに影響されやすいと言うのなのだが。あとなーんか胡散臭い…表面上はキザでカッコいい王子様なのだが、前世視点で見ると明らかに何か裏の顔を持ってるタイプ。


 言わば付き合うと豹変する系の男に見える。普通にレリアに近付けたくない。

 そんな感じで俺とレリアからのライザー君の評価は滅茶苦茶低い。


 まぁだが、レリアがランキング最上位をキープして出来るだけライター君に限らず関わらないようにしていればおそらく自然に孤高の存在としての立場を確立出来るだろう。


 と言うよりもそうなる可能性が高い。何せレリアは人付き合いをそこまで好まないにも関わらず、非常に魅力に溢れた才色兼備の天才っ子なのだ。

 …ベタ褒めとか言わないで欲しい、ただの歴然たる事実だ。


 そんなレリアだからこそ、孤高の存在になるのは早いだろう…ただ、やっぱり友人と言うのは作って欲しい。幾らいつでも俺が側にいるとはいえ、しっかりと言葉で意思疎通できる親しい間柄である存在は大事だと思う。


 こればっかりは今後に任せるしかない…召喚獣で言葉を話せない自分はやっぱりどうしようも出来ないのだ。


 --------------------

 そんな事がありながらも特に事件が起きる事もなく着々と日々が過ぎていく。


 授業では過去に存在していたユニーク属性や、Sユニーク属性。また、ユニーク属性は気づいていない…または覚醒していないだけで誰でも一つは必ず持っていると言う話だったり。


 召喚獣に騎乗する授業だったり、空を飛べる召喚獣を持つ生徒は召喚獣に乗って空を飛んでみたり(安全性を考えて獣化使用中にのみ騎乗可)。


 他にも、もし遊撃戦をする場合の動き方や考え方の基本だったりの授業もあった。もうすぐ開催されるバトルロワイヤルの戦い方はまさに個人でやる遊撃戦、故にそう言う授業もあるのだろう。


 授業をして、屋敷に帰った後は特訓…たまに学園都市内をふらりと観光したり。

 そんな生活をしているうちにあっという間に約一ヶ月が経ち、入学して初めての学園イベントの前日となった。



 今日はイベントに向けて休養と言う事で1日休み…さて、そんな休みの日にレリアは何をしてるかと言うと…



「リファル…部屋まで連れてってぇ」


 現在昼時、俺の背中に乗ってグデっとしている。

 獣化と稲妻属性の身体強化の練習をしてたのだ。その反動でしっかりとダウンしてしまった。


 イベントに備えての休養だと言うのに特訓するのはどうなのだろうか…いや、偉いとは思う。思うけどしっかり休んで欲しいのは事実なのだ。


 レリアの指示通りに部屋まで運び、レリアが着替えた所で俺と共にベッドにダイブする。

 …しっかり休んでくれるらしい。


「リファル、明日は出来るところまで生き残ろうね…流石にランキング上位じゃないと示しがつかないし」


 レリアは入学試験を3位で突破した身なのだ、少なくとも上位に入らなければ不正とか権力行使が疑われるかもしれない。


 それに…


「そこら辺の男子達が私よりランキングが上だからって近寄ってくるのは嫌だし…特にあのら、ラー………ラット?って奴とか」


 その通りで、自分の優秀さを盾にしてレリアに近づいて来る以上、出来るだけランキング上位である方がいい。あとラットじゃなくてライター君ね?

 それに、レリアはどうやら雷属性を今回のイベントで使うつもりらしい…おそらく、稲妻属性の隠れ蓑として。


 ならば俺も、レリアの期待に応えるために頑張らなくてな。


 そう意気込むのであった。


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ライアー君の名前は【ライアー・スファレライト】

 が正解です。


 ちなみにこの話を書いてる時の作者はマジのガチで「ライザー君」と書いてました。…設定を書いてあるメモ帳見るまで気付けなかった。

 ライターとかラットとかライザップとかはおふざけです、はい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る