16話 入れ替わり戦
やばい緊張してきた。
今俺は闘技場の控え室にいる。
外からは観客の声が聞こえてくる。
まさに祭りだ。
「ノアくん出番だよ」
先輩がにこやかに微笑みながら言ってきた。
後輩がこんなに緊張してるのを笑ってみてるとは鬼か!
「ちなみに、相手の名前はドアンだよ」
「分かりました」
正直に言って1ミリも興味無い。
「それでは両者入場してください」
掛け声とともに足を踏み入れる。
とうとう始まるるのか、入れ替わり戦が。
俺の目の前に立った男は俺より頭2つ分背が高かった。
「このチビが俺の相手か?」
「チビで悪かったな。まだ成長期じゃないんだよ」
背が伸びたら絶対見下ろしてやる。
「両者準備はいいですね?」
俺もドアンも頷く。
「それでは始め!」
開始の合図と共にドアンが棍棒を振り下ろしてきた。
余裕で受け止められると思ったが腕にとんでもない衝撃がはしる。
「痛ってぇ!」
想像の何倍も強い攻撃だ。
すかさず治癒魔法で傷を治す。
毎日の修練である程度の怪我なら治せるようになっている。
それにしても内側までダメージが通っている。
内部破壊ができるスキルってことか。
「俺は四天王の一角だぞ!お前みたいなやつが勝てる相手じゃないんだよ!」
たしかに一方的に攻撃されている。
だがここで俺もスキルを発動する。
超スピードで一気に回りこみ拳を叩き込みドアンを吹き飛ばした。
エリーとの修行によってある程度まではスキルを扱えるようになった。
「誰が勝てないって?」
ドアンは俺の攻撃に驚いた顔をしたがすぐに起き上がった。
「もう手加減しないぞ....」
明らかにドアンの纏う空気が変わった。
その瞬間俺は距離を詰めようとしたが、目に見えない衝撃波にぶつかった。
続けて衝撃波がさらにとんでくる。
ライジングによる防御力によりなんとか耐え、距離を詰める。
「光の剣!」
父さんが使っていた魔法を俺も使えるようになっている。
ドアンが振り下ろしてきた棍棒を光の剣で切り飛ばす。
やっぱりとんでもない威力だ。
さらに拳を叩き込むが、叩き込んだ拳から衝撃波が流れてくる。
その攻撃を治癒魔法をかけ続けながら強引に突破する。
武器も壊し何度も攻撃を叩き込んだ。
もう勝負はついている。
だがドアンは倒れない。
四天王の意地がかろうじてドアンの意識を保っている。
「大震波!」
地面に亀裂が入り地面が吹き飛び、周りに衝撃波が撒き散らされた。
地面と一緒に俺の体も空中にとばされる。
とんでもない威力だ。体にヒビが入った。
これが四天王の全力か。
ドアンが撒き散らした衝撃波を束ね始めている。
それに対して俺も超光を放つ準備をする。
そして同時にお互いが放てる最強の技を放つ。
「超震波!」
「光の矢!」
お互いの最強技がぶつかり、とんでもない爆発に俺もドアンも巻き込まれる。
煙が晴れた後にたっていたのは、俺だ。
ドアンは爆発で意識を失っている。
「勝者、ノア!」
技の威力に関してはドアンの方が高かった。
俺が勝てたのはライジングによる耐久力のおかげだ。
とにかくこれで俺は四天王になれた。
「おめでとう、ノアくん。
早速だけど君の気になってる四天王の権限について教えよう」
そういやまだ何も聞いていなかったな。
「まず、学費無料、学食無料、LVELE3図書へのアクセスができる。
まぁだいたいのものが無料になると思ってもらったらいい。」
「だいたい無料?」
メリットが大きすぎないか?そりゃみんな四天王になりたがるわけだ。
「あと明日四天王会議が朝から晩まであるからよろしく頼むよ。」
それを先に言ってくれ。なんでそんなに長いんだよ。
だがそれも四天王としてあれだけの権限を貰っているのなら当然なのかもしれない。
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