11話 魔王
地面が吹き飛び足場を形成する。
吹き飛んだ地面が落ちるまでの数秒の間にカーターは勝負を決めに行った。
超スピードで連続で攻撃を続ける。
悪魔は全くカーターの動きについていけない。
一方的にボコボコにして地面が落ちた。
悪魔は体制を立て直そうとするが、それよりも圧倒的に速くカーターの光の剣が悪魔を貫いた。
「な....、」
驚いた瞬間首を吹き飛ばされ、悪魔は倒れた。 魔力が放出され悪魔の体は崩れた。
「ふぅ....」
カーターが一息ついたのもつかの間、時が止まった。
そして空間に穴が空き、1人の男が出てきた。
一見人間の男にしか見えないが、カーターはその男を見た瞬間寒気がはしった。
「動けるんだろう? ずっと戦いを見ていたからな」
そう言いながら近くの瓦礫に座る。
「なぜ時を止められる?」
カーターは素直に疑問を口にする。
「時止めはもともと俺の力だ。俺がだいぶん前に死んだ時に持っていたスキルや魔法は魔族に分配された。お前がこの悪魔を殺したおかげで俺に力が戻ってきたってわけだ。」
転がっている石ころをいじりかながら言った。
「まさか....お前は、」
「そうだ、魔王だ。」
カーターは間髪入れず斬りかかった。
「おっと、あぶねぇ」
素早い身のこなしで攻撃をかわす。
「どうやら俺の方がまだ弱いな。お前にはまだまだ余力がある。力が戻るのを待つか」
そう言うと再度空間に穴を空け、消えていった。
◇◇◇
すげぇ、かっけぇ。
父さんの戦いは凄かった。
1部の隙もない攻防。超出力の魔法。完璧に制御されたスキル。
途中から父さんも瞬間移動していたけどどうやっていたんだろう?
また今度聞いてみよう。
でもどうするんだろ、この瓦礫の山....。
それからは街の人達みんなで瓦礫を片付けた。
ほとんどの家が消し飛んでしまったが、元通りに直せる魔法はある。
使用者が少ないのがネックだがそのうち元通りになるだろう。
あら方作業が終わった時に父さんが話しかけてきた。
父さんが話した内容は悪魔が時を止めたこと、その力が全て魔王のものだったことなどだ。
「ノア、お前が倒した魔族の力も多分魔王の元に戻っている。 まぁ魔族を俺たちが倒しても倒さなくても、そのうち魔王が全員倒して力を取り戻すことになるから気にする事はない」
魔王?そいつは勇者に倒されたはずだ。
あまりの情報の多さに頭がパンクした。
まとめると、勇者によって魔王は倒されて生き残った魔族に力は振り分けられた。
時が経ち、魔王が復活し、かつての力を取り戻すために魔族から力を回収したと言ったところだろう。
とにかく大変な世の中になりそうだ。
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