2話 ブロンズスキル

スキルの動力源は魔力だ。

早速ライジングに魔力を通してみる。

すると身体が軽くなった感じがした。

10歳にしては結構強くなったのではなかろうか。

その日の夕飯の時に、父さんに、


「俺も王都の学校に行きたい」


と言った。

父さんは、


「ブロンズスキルじゃ無理だ。」


と否定してくる。

母さんは


「そんなこと言わなくていいじゃない。」


と反論している。

その日は不安な気持ちで寝付いた。

次の日朝早く起きたのにもう父さんは起きている。


「本当に王都に行きたいのか?」


と聞いてきた。


「絶対に行きたい!」


「本当なんだな?」


「うん。」


「なら鍛えてやる。」


「うん?」


父さんが俺を鍛える?

俺よりは上のシルバースキルだが一般人全員が持っているようなスキルだ。

父さんに教えてもらって果たして強くなれるのか?

俺の疑問の表情を見て笑っていた。


「そりゃそうだよな。シルバースキルに教えられるとか不安しかないだろう。」


「うん。」


「父さんも一応冒険者ギルド所属だからな。」


「お前のスキルは身体強化系だろ?」

なんでわかったんだ?



「父さんも身体強化系の能力だ。」


「でもブロンズスキルじゃ限界がある。だから単純に魔力のみで身体を強化する。そのまま魔力強化って読んでいる。今からそれを教えてやる。」


父さんによると魔力を身体に纏う感じらしいができるようになるためにまず身体作りが重要らしく、一日中筋トレさせられた。

そんな生活が3ヶ月程続いたある日、父さんが


「身体作りはとりあえず十分だ。魔力強化の方法を教えてやる。」


「魔力強化は針に糸を通すくらい難しい。でも身体強化系のスキルを持っているなら話は別だ。針に糸を通す時に糸通しを使えば楽になるようにな。」


「それなら筋トレの必要はなかったんじゃないか?」


スキルがあるなら最初からできたんじゃないか?


「お前の魔力は結構多い、いきなり魔力強化をしたら身体が耐えきれないからな。」


そういう理由だったのか。


「とりあえず魔力を身体から出してみろそして体に纏わせる。これは感覚としか言えないがノア、お前はできるはずだ。」


「多分」


多分なのかよ。

とにかく父さんが言った通りにやってみる。

魔力を身体に纏わせて、


「うわっ」


いきなり身体がとんでもなく軽くなった。

転けそうになっている俺を見て父さんは笑っている。


「スキルも一緒に使ってみろ。」


言われた通りにスキルも使ってみる。

身体が軽すぎて上手く立てない。


「うーんまだ100パーセントの力は出せていないな。」


息子が苦戦しているのを見てぶつぶつ言ってやがる。


「ひとまず魔力強化を身体に馴染ませるため常時その状態でいろ。」


「えっ」


その日から寝ているあいだに魔力強化が解けそうになると父さんに起こされるという生活が続いた。

そしてあることに気づいた。

父さんはたまに魔物を持って帰っくることがあった。

かなりでかい魔物に一撃でやられたようなあとが残っている。

誰かが倒した魔物をもらって帰ったものだと思っていたんだが、修行中見た父の身体能力なら出来ると思う。

ちなみに魔物の肉は美味しい。

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