未明

雨乃よるる

夜汽車

鉄条網を握って掌を穿つ

自殺ごっこをしてそのまま死んでしまえ

身体が火照るたぶん諦め切れていない


いい親だけど神聖視するのはやめよ

昔テストの点数が高かったことなんて忘れよ

夜汽車に揺られて寝過ごす想像だけしよ


いつまでたったらなれるかな

いつまでたってもなれないよ



＊＊＊


男の子だから部屋にベルトがあって

首吊って死ねるらしい

あっそう


健忘が終わった頃に

お墓の中で

「なんだったっけ？」と言いたい笑いたい


締め切り迫ってるんだよこちとら

怒んないで

私の締め切りはもう過ぎたからね


＊＊＊


だれよりも他人に心開く

海の片隅に嘔吐

波に揺られて浄化


今日は過食症

カロリーメイトばっかり

家族がいるんだごめんね親のせいにして


照明落とした私の夜汽車

大小の霊が会話する

未だ明は消えることを知らず

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう！

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録（無料）

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る