魔力ほぼゼロ王子が追放された結果、追放先で鉄砲を作り反乱軍も組織しました

英 慈尊

火薬

 草木が繁茂し、豊かな植生を形成しているのは、故郷の森と同じことであるが……。

 木々の間を抜けてくる風に、腐った卵のような臭いが染みついているのは、ここドルトムント山脈が火山地帯であるからだろう。


「はあ……」


 あらためて、故郷との違いにげんなりとしながら……。

 イエラは、新たな生計の場である森を歩いていた。


 イエラの姿を一目見れば、猟師……それも、かなり卓越した技能を持つ人物であることが分かるだろう。

 胴部を覆っているのは、固くなめした革鎧であり……。

 下半身は、膝上まで届く革靴によって固められている。

 背には矢筒を背負っており、肩には、長年愛用してきた弓をかけていた。

 いずれもが、使い込まれた物品特有の風格を備えており……。

 これらを肉体の一部同然に装備しているのが、イエラの技量を現しているのだ。


 その立ち振る舞いに――隙はない。

 人が踏み入らぬドルトムントの森は、そこら中が木の根などによって隆起しているが、平地のごとく平然と歩んでいる。

 また、その目は、常に油断なく様々な方角に向けられており……。

 肌の触覚まで含めたあらゆる感覚で周囲の様子をうかがう様は、まさしく達人のそれだ。


 栗色の髪を頭頂部で馬の尾がごとく結わえた華奢な……それでいて、かわいらしい十五歳の娘が、森ではこのような格好に身を包み、熟練の狩人もかくやという動きを見せる。

 なるほど、故郷の領主であるグスデン男爵が彼女に興味を覚え、邸宅に招いたのは、当然であるかもしれない。


「はあ……」


 そのことを思い出すと、またも溜め息が漏れた。

 使い慣れたはずの弓が重たく感じるのは、それだけ気が滅入っているからであろう。


 ここ、ドルトムントは流刑地だ。

 では何故、イエラがこのような場所に流刑されたのかといえば、理由は簡単であった。

 グスデン男爵へ……あの豚のように醜悪な貴族へ、拳を見舞ったからである。


 あの豚男は、領主様の招きならばと参じたイエラに対し、無理矢理に夜伽を命じたのだ。

 先制の拳がめり込んだまでは良かったが……。

 そこは、魔力を持つ貴族と持たざる平民であり、徒手空拳の状態では絶対的な戦力差があった。

 イエラは、反撃の魔術により叩き伏せられ、激怒した男爵の捌きにより、ここドルトムントへの流刑が決められたのである。

 不幸中の幸いだったのは、そういう気が失せたのか、以降は指一本たりとも触れられなかったことであろう。


「ともかく、気を取り直さないと……。

 ここでも、猟師として身を立てるんだ」


 自信はあった。

 流刑者たちによって形成された集落では、危険だからやめるように警告されたが……。

 そこは、故郷でも天才の名を欲しいままにしたイエラである。

 この地に潜む他所より危険だという魔物も、自分ならば狩れると確信していた。


「集落の皆、あたしが獲物を狩って帰ったら、驚くだろうな……。

 皆に肉を食べさせてやって、あたしの腕前を分からせてやらないと……」


 そんなことをつぶやいてしまうのは、自分の腕前を侮られたことに対する反感もあるが……。

 それ以上に大きいのは、受けた恩を返したいという気持ちであった。

 集落の流刑者たちは、いずれもイエラと同様、横暴な貴族の処罰によって流されてきた者たちであり……。

 自分たちと同じ境遇のイエラへ対し、実によくしてくれたのである。

 この恩を返さぬのは、流儀に反した。

 そして、イエラという少女にとって、その最も手っ取り早い手段が狩猟なのである。


「こちとら、八つで親を失ってから、自分の腕前一つで生きてきたんだ。

 この森でも、やってやる……」


 独り言は、急速に抑えられた。

 何故か?

 獲物を察知したからである。

 まるで、野生動物がそうするように……。

 音もなく木に登り、上の位置を陣取った。

 そこから、獲物の姿を見定める。


「でかいな……それに、トカゲみたいだ」


 第一印象が、それだった。

 四足で地面を這う魔物の全長は、成人男性ほどもあり……。

 黒光りする鱗が、全身を覆っている。

 ちるちると出し入れしている舌は、先端部が二股に割れているのを確認できた。

 ぎょろりとした大きな目は、絶え間なく動き回っており、これはどうやら、食料を求めているのだと推察できる。


 故郷の地では見なかった、名も知らぬ魔物……。

 しかし、なるほど……こいつは確かに、強そうだ。


「でも、肌の色合いからして、毒はなさそうだね」


 そう結論付けて、獲物にすることを決断する。

 絶対の法則ではないが、毒を持つ生き物というのは、おおよそ派手な警戒色をしているものだった。


「頭に射っても、骨で滑るか止められそうだね。

 だったら……」


 弓と矢を取り出し、きりりと弦を引き絞りながら、狙いを付ける。

 幸い、獲物はイエラの存在に気づかぬまま、こちらに接近してきていた。


「狙いは――心臓」


 瞬間……。

 呼吸を止めたイエラの全身が、時を止めたかのように硬直する。

 これこそ、イエラの才能が成せる技……。

 呼吸などの予備動作による振動を極限まで減らし、狙いをぶれさせないのだ。

 また、優れたその観察眼は、透き通っているかのように魔物の全身を把握しており、皮の外から骨格像を掴んでいた。

 鱗と鱗の間……。

 骨に邪魔されない位置から、生物共通の急所――心臓を狙う!


 ――ヒュン!


 イエラの放った矢が、鋭い風斬り音を立てながら魔物へと向かう。

 それは、狙い過たず鱗と鱗の間に直撃し……。

 背中へ滑るように突き立って、心臓を――貫かなかった。


「――止められた!?」


 驚愕に目を見開く。

 トカゲじみた魔物が持つ筋肉の、何と強靭なことだろうか。

 完全な急所へ直撃したはずなのに、突き刺さった矢は心臓までの途中で止められ、致命傷には至らなかったのである。


「――ちぃ」


 こういった時、野生動物の勘働きは鋭い。

 大トカゲは、ただちに矢が放たれた方向――こちらを見定めると、思わぬ俊敏さで駆け寄ってきた。


「こいつ、木に登れるか……!?」


 よしんば、登れなかったのだとしても……。

 怒りを買った以上、根本で執念深く待機し続けるに違いない。

 あるいは、その巨体を使って、この木をへし折るくらいのことはしてみせるか……!


「くっ……」


 矢筒に残された矢は――七本。

 それで、致命傷を与えるか、あるいは追い返すだけの手傷を負わせなければならない。

 イエラは覚悟を決め、次なる矢をつがえたが……。


 ――ダーン!


 ……と、どこか間が抜けたような破裂音が響いたのは、その時である。

 同時に見た光景を、イエラは忘れないだろう。

 どこからか、恐るべき勢いで飛来した礫は、魔物の頭部にめり込んでいき……。

 イエラが初見で諦めた頑強な頭蓋骨を容易く粉砕し、内部の脳をかき乱しながら、反対側へと突き抜けていく。

 礫が貫通した際には、脳症と血液がごぼりとこぼれ落ちた。


 どう……と、横倒しになった大トカゲが、ぴくぴくと痙攣する。

 完全な致命傷だ。


「魔術……?

 いや……」


 自分の考えを、即座に否定した。

 確かに、貴族の操る魔術は強力であり、射程においても弓矢のそれを上回る。

 だが、今の一撃はそれよりもっと異質で……。

 何より、魔術を上回る威力であると思えた。

 そもそも、魔力を持ち、平民の上に立つお貴族様が、このような流刑地に現れるわけがないのだ。


「危なかったな」


 がさがさと、茂みをかき分けながら、一人の青年が姿を現す。

 精悍という言葉を、人間の形に押し込めたような人物だ。

 波打った金髪は、胸の辺りまで無造作に伸ばされており……。

 無精髭が、整った顔立ちに野性味を付与している。


 装束は、イエラのそれに通ずる狩人仕立てのものであったが……。

 最大の差異は――得物だ。


 青年が手にしているのは、弓矢ではなかった。

 では、どのような武器かといえば……筒、というのが、一番分かりやすい表現だろう。

 鉄の筒を、木製の部品で補強すると共に、持ち手なども与えた武器。

 そう、思える。


「俺は、アインだ。

 お前は?」


「……イエラ」


 下からの問いかけに、短く答えた。

 まだ、集落全員の顔を知っているわけではないが、あそこでは見なかった人物だ。

 いや、確か……。


「流刑にされて、集落に混ざれず森へ消えた王族がいるって聞いた。

 それが、あんたか?」


「おーおー、まさしくそれがこの俺様だ。

 ところで、いつまでもそこにいても仕方がないだろう?

 下りてきて、こいつの解体を手伝わないか?

 あんたが注意を引き付けて、俺が仕留めた。

 成果は山分けだ」


 引き抜いた短剣の刃を見せびらかしながら、アインなる元王族が呼びかけてくる。

 山分け、という言葉には、少しばかり納得しがたいものがあったが……。

 ひとまず、イエラは樹上から下りることにしたのであった。




--




「いい腕だ。

 一直線に心臓を狙っている。

 ただ、単純に威力が足りなかったな」


 大トカゲの死体を検分したアインが、感心したようにそうつぶやく。


「威力、か。

 故郷の魔物なら、この一矢で仕留められたんだけどね」


 命を助けられて、ここでまで遅れを取るわけにはいかない。

 自身もトカゲに刃を突き入れながら、イエラは答える。

 それにしても、だ。


「――固い」


 獲物の解体など、数え切れないほどこなしてきたイエラであったが……。

 この魔物は、とにかく筋繊維というものが強靭だ。

 なるほど、必殺の矢が必殺とならなかったわけである。


「はっはっは。

 ここいらは、火山地帯だからな。

 植生も、生息する獣も、他地方とは一線を画する。

 よその魔物と同じ気持ちで狩ろうとすると、こういうことになるわけだ。

 勉強になったな?」


 言いながら、アインがスルスルと刃を入れていく。

 これは、使っている短剣に違いがあるのではなく、純粋に腕力の差だろう。

 残念ながら、イエラは少女であり、そういった単純な体力では男にかなわないのだ。


「でも、あんたは一撃で仕留めてみせた。

 それも、あたしが諦めていた頭部に当ててだ。

 一体、どうやったんだ? 魔術か?」


「あー、魔術といえば、魔術だな。

 ほんのちょっぴりだけど」


 手ぬぐいで血をぬぐったアインが、地面に置いた得物……あの奇妙な筒を手にする。

 それから、空いた左手を掲げてみせると……。


 ――ボン!


 という、間の抜けた音と共に、極小規模な爆発が左手の上で起こった。


「俺は、貴族の中の貴族――王族の一員でありながら、魔力をほとんど持たない。

 使えるのは、このちんけな爆発の魔術だけだ。

 それも、至近距離でしか使えない。

 それを補うのが、こいつ――名付けて鉄砲さ」


 言いながら、今度は腰袋から、丸い玉を取り出す。


「こいつは、鉛を使った玉だ。

 これを、鉄砲の中に入れる」


 その言葉通り、アインが鉛玉を筒の先端から放り込んだ。

 そして、筒を肩にかけ、左手でしっかりと保持する。

 右手は……筒の最後部。顔にほど近い部分へ添えられていた。

 よくよく見ると、その部分にはわずかな穴が空いており……。


「そうか!

 筒の中で爆発を起こすと、鉛玉が勢いよく飛び出す!

 単体ではしょぼい魔術が、あれだけの威力を生み出すんだ!」


 原理を理解したイエラに、アインがニヤリと笑いかける。


「どんな物でも、使いようだろ?

 王家の恥として追放され、貴族嫌いが揃った集落にも混ざれずいるこの俺だが、お陰で、どうにか命を繋いでいる」


「ずっるいなあ」


 得意気な笑みを浮かべる彼に、イエラが返したのは、そんな言葉だった。


「それって、結局、魔力があるから強いってことじゃんか。

 やっぱ、生まれつき持ってるか持ってないかで、世の中ってのは決まっちまうのかね」


 上体を大きく反らし、天を仰ぎながら吐き出したのは、世界を形作った神様への文句である。

 高貴な生まれの者――魔力を持ち生まれた王侯貴族と平民とでは、同じ流刑地での狩猟にも差が出てしまうのだ。


「何だお前、つまらんことを言うな?」


 持つ者――アインが、そう言いながら鉄砲を地面に置く。


「だって、そうだろう?

 どこまでいっても、貴族は貴族で、平民は平民だ。

 あたしの弓とあんたが持つ鉄砲って武器の間に、埋められない溝があるように……。

 どうにもならない差が、この世にはあるんだよ」


「果たしてそうかな?」


 アインの言葉は、間髪を入れないものだ。


「違うってのかい?」


「ああ、違うね。

 まず、大間違いなのは――この鉄砲が、俺にしか扱えない武器だという前提で話していることだ」


「――何?」


 それは、捨て置ける言葉ではない。

 真剣な眼差しを向けると、アインが肩をすくめてみせた。


「俺は、魔力がないのをどうにかして補うため、様々な学問や武術に手を出してきた。

 十五を迎えたら、ほぼ確実に追い出されると分かってたからな。

 で、学んだ学問の一つに、錬金術がある」


「錬金……術?」


「まあ、お薬を作る学問だと思えばいい。

 自然に存在する素材をかけ合わせて、な。

 で、ここドルトムント地方で採取可能な素材と、それで何が作れるかは、事前に研究し尽くしていた。

 飛ばされる先といえば、ここ以外になかったからな」


「勿体ぶるのはおよしよ。

 それで、何が作れたってんだい?」


 身を乗り出しながらの言葉に、かつての王子はますます笑みを大きくする。


「ここでは、硫黄と硝石が取れる。

 で、それらを組み合わせて生成した薬を、俺はこう名付けた」


 アインが、腰の皮袋を一つ取り外す。

 そうして見せられた中身は、黒い粉末だった。


「――火薬だ。

 火を付けるとな、さっきみたいな爆発が起きる。

 さて、ここで問題だ」


 皮袋を置いたアインが、再び鉄砲を取り出す。


「こいつに、この粉を入れ、さっきの鉛玉と共に押し込む。

 その上で、魔術の代わりに火の付いた縄をあてがったら、どうなる?」


「それは……」


 イエラの脳裏に、思い浮かんだ光景……。

 それは……。


「貴族も平民も、関係ない世の中になる」


 アインが、それを言葉にした。




--




 信じられない光景。

 ダートン伯爵が見たものを端的に表現するならば、これに尽きる。

 小規模な反乱鎮圧という、何ということのない任務……。

 そのはずだった。


 ダートンの指揮に、間違いはない。

 山あいへ即席の陣地を築いた相手に対し、ゆるりと軍勢を進行させて接近。

 後は、貴族が弓矢の届かぬ距離から魔術をひたすらに打ち放ち……。

 相手方が弱ったところで、平民で構成された兵を投入し、鎮圧する。

 平民の反乱鎮圧においては、必勝形といえる戦術であった。


 しかし……しかしである。

 どこか間の抜けた破裂音がいくつも響いたかと思うと、貴族たちは魔術の届かぬ距離から飛来した無数の礫により、胸や頭を穿たれ、皆が倒れ伏したのだ。


 何という飛距離……。

 そして、何という威力か。


 こうなってしまえば、誇り高き王国の貴族たちも、ものの役には立たない。


「に、逃げろ!」


「へ、平民共! 前を塞ぐな!」


 何という見苦しさか……。

 我先にと振り返り、戦場から逃げ出そうとしたのである。

 だが、後方には後から突撃させる予定だった平民の兵たちが控えていたため、逃走は容易にはいかず、揉み合いの形となった。


 ――ダーン!


 ――ダダダダーン!


 そこに、またも連続する破裂音。

 だが、今度放たれた礫は、誰にも命中しない。

 と、いうよりも、これは礫を放たず、破裂音だけが響いただけのようである。

 いかなる術理かは分からぬが、失敗に終わったか?


 ……そうではない。

 これはおそらく、貴族の巻き添えとなって、平民が死ぬことを避けたのだ。

 術の発動に備え、平民から間隔を取っていた先程までと異なり、今は逃げようとする貴族たちが、平民の兵と肉薄していたのだから……。


 初回と異なり、音のみ発するに留まった敵の第二打。

 しかして、その効果は絶大なり。


「ひ、ひい!」


「うわあ!」


 もはや、音そのものが恐怖の対象……。

 貴族たちが、頭を押さえてその場にうずくまった。

 そして、混乱するのは、何も指揮する貴族たちのみではない。


「く、くるな!」


「さっきから、貴族しか狙われてねえじゃねえか!」


「俺たちは、巻き添えになりたくねえ!」


 平民の兵たちもまた、謎の礫を恐れ、貴族たちから距離を取ろうとするか、あるいは、生け贄のように前へと放り出そうとする。

 それに抵抗して、貴族たちも平民らに魔術を行使したりしたのだから、後は地獄絵図だ。


 いかに魔術を使える貴族といえど、至近距離から、しかも複数の平民に袋叩きにされてしまえば、たまったものではない。

 敵方は、もう謎の攻撃をやめているというのに……。


 ダートンらが控える最後方の者を除き、この鎮圧任務に参加した貴族たちは、全員が屍となった。


「馬鹿な……。

 あり得ない……。

 あり得ない……!」


 こうなれば、さっさと撤退の指示を出すべきなのだが……。

 それすらできず、ダートンはうわごとのようにつぶやき続ける。


 勝敗が決したのを、悟ったのだろう。

 粗末な造りの陣地から、反乱軍が姿を現す。

 その手に持っているのは、見たことがない奇妙な筒……。

 それを担ぐ一団の先頭へ立つのは……。


「あれは、アイン王子!?

 無能の流刑者か!?」


「この戦場に集いし者たちよ!」


 あの破裂音に負けない朗々たる声は、紛れもなく王者の素質であり、彼もまた、王家の血を受け継ぐ者であると分かった。

 しかしながら、他の才へどれだけ恵まれようとも、必須の能力――魔力のみには恵まれなかった青年が、戦場全体へ告げる。


「貴族が、魔術が、戦いの決定打となる時代は終わった!

 魔力の有無によって決定されていた身分差は、覆ったのだ!

 聞け!

 これより聞く音が、その嚆矢だ!」


 かつての王子が、ゆらりと筒を構えた。

 その先が向くのは、ダートンであり……。


 ――ダーン!


 ……という、どこか間の抜けた破裂音が、ダートン伯爵の最後に聞いた音だったのである。


 そして、終わったのは、ダートンを始めとする反乱鎮圧軍の貴族たちのみではない。

 古き身分制度は、ここから崩壊していく……。

 後の世に、反逆王と呼ばれた男の伝説が、始まったのだ。




--




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