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「みなさんこんにちは!1-2の担任を務めます岡本美和といいます!

これから、みなさんと仲良く楽しんでいきたいと思います!どうぞよろしくお願いします!」


4月6日

新学期が始まった

私は中学校教員として市から派遣された

はじめてこの学校に来た。

教員としては3年目だけど

異動してこの学校にやってきた

担任を持つのは2回目

教員1年目の時は、副担任。

担任としての仕事は任されられなかった

まあ担任といっても、クラスのことだけだけど

やりがいを感じるから

この仕事はやめられないんだよね笑



今は学年集会で

教員の紹介と生徒の子たちから

質問を受けるような時間だった

ついに私の番が回ってきた



「それでは岡本先生に聞きたいことはありますか??」


「何個でもいいですよ!ビシバシ答えていきますからねぇ!?」


「はーい!」


「それでは質問がある人は立ってください~」




たくさんの人が立ってくれた

これはありがたいこと笑


「じゃあ端っこから!」



「はい!先生の好きな食べ物は?」


「寿司かな~」



「先生の好きな寿司のネタは?」


「サーモン!」



「先生彼氏いますか!」


「年齢が彼氏いない歴です悲しいことに」



「先生の好きな教科は?」


「社会!特に地理が好きだったかな~」



「先生の入っていた部活は?」


「ソフトボール部!」



「先生の担当教科は?」


「社会!」



「スポーツ好き?」


「大好き~!」



「何のスポーツが好き?」


「うーん、水泳とテニスかな!あとソフトボール笑」



「先生はどこの部活の顧問??」


「私はテニス部!前の学校ではソフトボール部」



「教員生活の目標は?」


「みんなのテストを満点にすること!」



「先生のテストの最高得点は?」


「実技系は90点以上、国語99点、数学97点、理科98点、社会100点、英語100点」



「先生の持ってる資格は?」


「英語検定が1級まで漢字検定が1級まで気象予報士の試験に2回目で合格したぐらいかな?」



「先生の学生の時のテストの成績順位、何位だった?」


「基本的に1位でたまに2位とか3位だったな笑」



「好きな色は?」


「青と緑かな~」



やっと全員の生徒が座った



「はい他に岡本先生に質問がある人はいますか?」


「ないみたいですかね!」


「すごい岡本先生、頭がよかったってこと初出しですよね?」


「まあそうですね笑この学校に来てから一度も言ってないかもですわ笑」


「先生テスト一位だったのはえぐいって」


「先生もしかして英検取ったの小学生?」


「まあ準2は小学生まで取って2級から中学生で取ったよ準2は一回落ちたけどね笑笑」


「すげぇー」


「ありがとう笑」


「他に岡本先生に質問がある人はいますか?」


「なさそうですかね笑」


「それでは岡本先生に拍手をお願いします!」


「ありがとうございました!」


拍手をもらって

こんなに暖かい学校なんだと

これからの学校生活が楽しみになった


たくさんの生徒がいるこの学校は

教えがいの生徒がたくさんいるのだと感じた


自分にとっていい場所で

生活したかったから自分にあった環境だと思った


生徒のみんなも

昼休みなどでたくさん話しかけに来てくれた




「先生ほんとに彼氏いないの~?めっちゃ先生可愛いじゃん!」


「私は年齢が彼氏いない歴だからモテなかったんだよ笑」


「えぇ~絶対嘘!!笑」


実はその話はほんとうだった笑

仕事や部活、趣味に時間を費やしていて、モテる必要性なども感じず、恋をする必要すらないと

思っていたことがずっと続いていたから彼氏なんていなかった



「先生、何の部活がおすすめ~?」


「テニス部くる?楽しいよテニス部!」


「えぇ~先生の部活楽しそうだけどテニスに興味がないんだよなぁ...」


「テニス楽しいよ~!」


「ん~...先生の部活入りたいから考えとく!」


「待ってるよ~!」





たくさんの生徒が話しかけに来てくれた

だけど、唯一、話しかけに来てくれなかった子がいた

その子はずっと窓の外を見て、ぼんやりと空を眺めていた



「空好き??」


「うぉ、先生か。」


「そうだよ笑」


「空好き。綺麗だから。辛いことだって空を眺めていれば辛い気持ち忘れることができるから」


「わかるよその気持ち~先生も仕事で失敗した時とか落ち込んでね?」


「うん」


「だけど、空が綺麗に見える場所があって、それ見るたびにまた頑張ろうって思えるんだよね」


「先生も仕事で失敗するんだ」


「失敗するよ~人間なんだから」


「...」


「人間ってね?間違えていい生き物なんだよ?」


「そうなの?」


「人間は間違えを繰り返して、正解にたどり着く。そんな人間なんだから」


私は空を見てその生徒の子に喋った


「君の名前は、鈴木戸吾くんだね?よろしくね」


「ん。」


「友達はいないの??いつも空を眺めてるけど」


「友達なんていらない。」


「そっか~。私に似ているんだね笑」


「先生も友達いないの?」


「私も鈴木くんみたいにね友達いらないって思ってたんだよね~笑」


「一緒だね先生と俺」


「でも今はね友達の存在が大事だなって思っていつも楽しんでるよ友達と」


「ふ~ん」


「ほら、あそこに鈴木くんのお友達が目線こっちに向けてるよ?いっておいで!」


「、、ぁあいつか」


「なに、嫌いなの?笑」


「、、別に」


「じゃあいっておいで!!!」


「いってぇ、先生痛いよ、」


背中を強く叩いた

ちょっと強すぎたみたい笑


「ふふふ、笑ごめんね笑いってらっしゃい!」


「...ん」



感情は全くなさそうな子

でも成長すればモテそうな子してるわねぇ笑

こう見えて、彼氏=年齢だけど恋愛マスターって学生時代呼ばれたから

ま、恋愛マスターは何でも見抜けるんでね

恋してるとか、いろんな人からモテてるとか

恋諦めようとしてるとか、学生時代は色んな人から相談受けてる時間だったなぁ、

なんてもっと青春堪能したかったけど、もうそんなお年頃じゃないもんねぇ


「あの子もがんばってるな、笑わたしもがんばらなくっちゃ笑」


「何をがんばるの?」


「、びっくりしたぁ、なんだよお前かよ」


「いちゃ悪いかよ」


こいつは同期で結構一緒の高瀬直(たかせなお)

小学校から謎にずっと一緒なんだよな

ほんとに毎日会ってるみたいでなんかほんとに疑問に感じている

こいつは隣の1-1担任

また一緒?

しかもこいつ私と一緒の時に異動してきたし

意味わからん


「で?何しに来たの?」


「お前のこと見に来た」


「はぁ?意味わからん」


「いやぁお前も成長したなぁ。転んだらすぐ泣くような泣き虫っ子だったのになぁ」


時はさかのぼり





◇ ◇ ◇ ◇


「うわぁぁぁぁん!泣」


「美和、どうしたの??」


「ころんだぁあぁああ!泣」


「みわちゃぁ、いたいいたい?」


「そうね、美和ちゃんはころんじゃったんだって」


私と直は謎に親との交流があり、小さい時からよく遊んでいた

私が小さい時はよく転ぶことが多くてよく泣いていた

だからいつも直が声かけてくれた


「みわちゃ、だいじょぶ?」


「ぐすっ、、だいじょぶ」


「ふふ笑」


「将来は彼氏が直くんなのかな?笑」


「連れ来てね美和ちゃん笑直のことよろしくね笑」



◇ ◇ ◇ ◇





「お前、ふざけんなよ」


「あ?事実やもーん」


「はぁ?だまれ」


「先生たち仲良く喧嘩ですか~??」


「先生たちやっぱカレカノだよね?」


「安心してカレカノじゃないから」


「そうだよこいつが彼氏とかありえない」


「こっちのセリフだわ」


「先生たちほら仲良くやってくださいよぉ?笑」


「うぉ、学年主任。おつかれさまです笑」


「あ、福岡せんせぇ~岡本先生と高瀬先生いちゃついてます」


「校長室行きですよ?」


「いちゃついてない!さすがに校長室行きは嫌です、笑」


「冗談ですよ笑ほら授業はじまりますよ!」


「うお、社会やんこのクラス」


「こっちは数学かよ」


「やっぱ相性いいねisfpとenfpみたいな?」


「えわかる~!美和先生がisfpで高瀬先生がenfpなかんじ~」


「めっちゃわかる!」


「なにそれ?MBTI診断、?ってやつだっけ、?」


「え、お前知らないのやっばぁ~」


「は?お前だまれ」


「やっぱそうだよね!?美和先生MBTIなーに!?」


「私はisfpだよ~」


「まじで美和先生isfpっぽいわ」


「なにそれ、?」


「高瀬先生帰ったらMBTI診断やってみて~!」


「おん、?」


「絶対、ENFP~」


「じゃあ授業はじまるし戻るね私は」


「俺も戻るわ」


「ばいばーい!美和先生と高瀬先生」


「じゃあ授業ちゃんと受けるんだよ?」


「はーい!でもどうせ先生の授業だし笑」


「たしかに笑」


休み時間が終わろうとしてるとき、

私ら先生は職員室に戻り、次の準備をし始めた


「お前、次何組?」


「1組」


「2組だわ」


「「お前のクラスかよ」」


「やっぱ高瀬先生と岡本先生って深い繋がりがあるんですか?笑」


「え、なんでですか!」


「めっちゃ気合いそうっていうか気合ってます!」


「心が通じてるとか?」


よく職員室行くと必ず

私と直の話をよくされる

だからセットで


「直美和先生~!」


ってよく呼ばれる

でも2人に用があるときだけそう呼ばれる笑

なぜ?笑


「んじゃ社会いってくるわ」


「こちらは数学にいってくる」


「ん」


実際言うと、こんな冷たい態度で繰り広げてる

ただの友人兼仕事の同期って感じ





キーンコーンカーンコーン


「はいそれでは!号令をお願いします!」


「きをつけ~礼」


『おねがいしま~す』


「どうですか?はじまって早3か月とか立つけど慣れてきた?学校生活には」


「慣れた~」


「なれなーい」


「まあ私もみなさんとこの学校の歴は一緒だから分かるよその気持ち」


「笑笑」


「じゃあまあ授業やっていきましょ~!それでは教科書の___」



一方1-1の社会の授業では?



「それでは号令お願いします」


「気を付け、礼」


『お願いします」


「はいお願いします~!どうですか?みなさんなんか疲れ切ってる顔してるね笑」


「昼休み遊んで疲れた」


「あぁ~私は同期の先生と喧嘩して疲れました。笑」


「高瀬先生?」


「そう。ほんとに疲れる。」


「笑笑」


「んまあ授業はいりますか!それでは教科書とこの間使った、プリントを_____」


2人とも同じような授業の進め方をよくしている

まあ2人は住んでるところも近所だし、

同じ学年で、似た教科の担当で、年齢も同じだし、小さい頃から一緒だったから

授業の進め方も似るようになったのかな?笑





キーンコーンカーンコーン


「それでは授業を終わります!号令おねがいしま~す」


「きをつけ~礼」


『ありがとうございました~』


「手紙配っちゃったから高瀬先生に言っといて~!」


「はーい!」



「せんせーい!」


「ん~?」


「次の社会の持ち物はいつもと一緒でいいですか?」


「いつもと一緒、であと少しで地理に戻るから地理を忘れないように。これぐらいかな?」


「はーい!」




一方1-2の数学の授業では?


「数学お疲れ様でした~難しかったよね~先生も難しい。うん。」


「笑笑」


「きをつけ~礼」


『ありがとうございました』


「手紙、配っちゃったから岡本先生に言っといて~」


「りょーかいでーす」




「先生~」


「はーい」


「次の数学の授業は、いつもと一緒でいいですか?」


「いつもと一緒でいいや!で次、ワークやるからワーク忘れないようにって連絡しといて」


「わかりました~」




「お疲れ」


「お疲れ」


「手紙」


「りょ。こっちも」


「ん」




「先生たち口数すっくな笑」


「そう?笑」


「うちらは口数少なくてもだいたいわかるからね笑」


「へぇすげぇ~」


「関心してないで早く帰りの準備して~帰れなくなるよ?」


「えー早く準備する~!」


「あと3分で帰り学活はじますよ~!」


『はーい』


「ドリルだけ配り担当の人配っといて!」


「はーい!先生どこか下に行くの?」


「福岡先生に呼ばれちゃったから下に行ってくる!すぐ戻ってくるから~!」


「あーい!先生戻ってこなかったら先帰り学活やっていい?」


「じゃあ待つ羽目になったらちょっと先生の話だけ待ってて!」


「わかった~!」





「せんせい?」


「どした~?急用?」


「全然急用じゃないんですけど、どこか用事があるんですか?」


「福岡先生に呼ばれちゃって、すぐ戻ってくるけど」


「あ、じゃあ待ちます」


「ほんと?ごめんねすぐ戻ってくる」


「わかりました!」




「あれ、お前も呼ばれたん?」


「そうそう。福岡先生に」


「一緒やな」


「そやな笑」


「えーなんの呼び出しかな?」


「退学とかだったらやだな笑」


「それはないっしょ?笑」


「いいニュースがいいな…笑」


「そうだなぁ」


2人は話しているうちに職員室に入った


「福岡せんせい…っていなくね?」


「あら?直美和先生たちじゃない?」


「どうも!福岡先生、今どちらにいらっしゃるかご存じですか?」


「福岡先生なら校長室に入っていったわよ?」


「がちですか、、ありがとうございます!」


「はーい!」


職員室を出て、校長室の前に来た


「うえ、緊張するわ」


コンコンコンコン

 

「失礼します。岡本美和です」

「高瀬直です。」

とそこから校長先生の声が聞こえた。


「どーぞ」


「失礼します、」


「じゃあここ座って~!」


「はい、笑」


校長室に入ると、校長先生と福岡先生がいた。


「あの、」


「あ、2人を呼んだ理由ね??」


「あ、そうです、」


「今度ね私たちの学校にね、撮影クルーのみなさんが来て、映画の撮影をしたいんだって!」


「はい、」


「それで監督さんから直々に言われてカップルの先生役をやってもらいたいんだって!」


「え、」


「というと、?」


「あなたたち2人カップルでしょ??」


「え、違いますよ!校長!」


「まあまあ、それを福岡先生に相談したら2人がおすすめ!って!」


「え、嫌です校長!」


「まあまあ。もう監督さんには言っちゃったから!今度監督さんから連絡くるから!」


「えぇ、?」


「わかりました」


「ありがとうね!」


「じゃあ帰り学活戻っていいよ~!」


「失礼しました、」


「失礼しました」


校長室を出た


「なんで承諾したの!」


「別にいいやん。」


「はぁ?!」


「ちょ美和うるさい。帰り学活の時間なんだから」


「むぐぅっ」


直に口を塞がれた

まあ、私が叫んだのが悪いけど笑


「ほら生徒置き去りにしてんじゃないの?」


「お前もだろ」


「まあ早く戻らんとね」


「急げ急げ」


「やばいやばい」


「つら階段」




「あ、せんせい?」


「おぉ、おぉ、鈴木くんじゃん」


「あ、どうも高瀬先生。」


「こんにちは。どうしたの?」


「美和先生まだ~?ってみんなうるさいから見に来た」


「あ、あ~やばいわ。先戻るわ~」


「ん。」


「んじゃ、高瀬先生さいなら」


「はーい」


なんか、直の表情が険しくなったけど気のせい?

まあいっか

っていうかうちのクラス寂しがり屋がいっぱいいるんだった。


「早く戻らないとだね笑」


「うん」


「ありがとね!来てくれて」


「で美和先生は、何を呼び出しされてたの?」


「あーあとで喋るよ笑」


「ふーん、」


「ほら走ろう!」


「えぇ、」


「いくよ〜!」


「はーい、」


「ほらほらおいていくよ!!」




「おまたせー!」


「美和っち遅い〜」


「ごめんごめん笑」


「じゃ先生の話おねがいしまーす」


「はい、今週もお疲れ様でした」


「せんせいなんでよばれてたのー??」


「はいはい、その話はあとでします」


「はぁ〜い」


「で明日は金曜日ですので、今週最後ですねぇ、疲れました」


「疲れすぎっしょ笑笑」


「はい明日は、全校集会があるので早めに来てくださーい」


「何時から?」


「いつも通りの時間だわ」


「うわぁお、真剣なツッコミだわ」


「明日は掃除っと、そんぐらいかな?あ、呼ばれた話ね笑」


「そうそう!」


「なんか、とある映画の撮影をこの学校でするらしいの!」


「えぇ?!すご!!」


「その映画のね、先生役でカップル役?をやってほしくてカップルをね」


「高瀬先生と美和先生がやるの?!!?!」


「そうなんだってさ~」


「ふぅ~!!!!」


なぜか拍手がきた


「絶対、2回は見に行くから!!!!」


「私も!!!」


「僕も!!!!!!」


「ほんと?笑ありがとうね笑笑」


みんなが何回も見に行くって言ってくれて

ちょっと嬉しかった


「さ、帰りましょ!号令係さんお願い!」


「起立〜」


「忘れもんしないようにね〜」


「気をつけ、礼」


『さようなら』


続々と生徒が帰っていった

まあ多分直のとこ行ったのだろう


「いやぁおめでと!高瀬!」


「いやだから、」


「お前も彼女できたのかぁ」


「撮影やって」


「いやぁおめでとうがんばれよ彼女と別れないようになっ!」


「おぉい!!笑笑」





「相変わらず人気だな...笑」


「誰が?」


「うぉ、びっくりした。なんだびっくりした、笑鈴木くんか。部活は??」


「今日はない」


「あぁ、そうじゃん、テニス部だったね笑」


「先生、忘れないでもらってもいい?」


「いやぁ追いついてくんのもまだ先か~」


「はい?先生がそれ言わないでもらってもいい?」


「ふふ、ごめんごめん笑」




「なぁ、」


「うぉ、びっくりした。なんだよ高瀬直かよ。」


「じゃあ、俺もうテニス行かなきゃだし」


「へぇテニスやってんの?」


「前から。」


「いつから?」


「それ部活の時でもいい?高瀬先生が待ってる。」


「あーごめん。じゃあまた明日ね!!」


「はーい、また明日」






「なぁ、だれだっけあれ。」


「鈴木戸吾くん。結構頭いいよ。テストも高得点。」


「へぇ~。」


「なに?」


「いや、なんでもない...」


嫉妬した。

なんて言えない直でした










「お疲れ様で~す」


「お、お疲れ様です美和先生」


「あ~!隆先生!お疲れ様です!」


隆先生とは、

まあまあ偉めの先生

この学校の歴も長く、ベテランの先生

生徒からも人気が上がってきた方。だと先生が自分で語っていた

まあそれは正解だが...

それ以上に結構なナンパ癖が残っているのは秘密...

(ちなみに隆先生は、既婚者)



「今日どっか上がり次第、飯いかね?」


「あ~っと今日は…」




「隆先生、美和は俺のもんなんで」


「あ~そうだった。直がいたわぁ!ごめん!人妻に!」


「いやまず付き合ってないですし結婚してないですし。すいません...今日は予定があって」


「そうだもんな!ごめんな!また行こうな!」


「はい!ぜひ!!」







「なんでわかった…ん」


「いやだって予定ありそうだったから」


「こわ~いぃ」


「やめろそれ!笑」


「仲良くやってるのはいいてすけど、」


「あー!すいません!仕事します!」


「なんかね申し訳ないね~仕事溜まっちゃったら残業しなければいけないし笑」


「そうですよねほんとに全然!」


「俺もう仕事終わったから今日のは」


「は?じゃあ仕事手伝えよ」


「やーだねー」


「はぁ?なんなん」



とまあ喧嘩してる中でも周りから笑われた




「、すいません、っ、笑笑」


「じゃおつかれ~」


「はぁ、お前許さねぇからな」


「ふっふっふ~」




結局、直が帰ってしまい

残業する羽目に


「はぁ、だる、」


「だいじょうぶ?せんせい」


「うわ!びっくりした~、ってえ?」


とそこには小さい女の子がいた


「みわせんせいおしごとなの?」


「どうして私の名前を知ってるの、!?」


「わたしすずきみお!とあのいもうとだよ!」


「え!鈴木くんの妹ちゃん?どうしてここにいるの?!」


「まいごになっちゃったの!みわせんせいたすけて」


「えー!大丈夫?じゃあちょっとまっててね!」


「はーい!」


ちょうどいいところで仕事終わったから、

鈴木くんのお家に帰すことにした。担任だったおかげ鈴木くん家の住所は知っていた。


「はい!おまたせみおちゃん!行こっか!」


「うん!!」




「どうして迷子になっちゃったの??」


「とあがね、?なんか、はやくはしって!っていったからとりあえずはしってきた!」


「、、、え?」


これは、まさかの鈴木くん家が

危険な状態?

ということで


「みおちゃん、ちょっと待っててね」


「はーい!」





[おい直]


[[なんだよ、こっちはねむいんだよ]]


[はやく私ん家に来い]


[[はぁ~??だる]]


[お前、大事な生徒を殺す気か?]


[[は、?まって、どういうこと]]


[とりあえず、事情はあとで説明するから、はやく家来い]


[[わかったよ]]





「よし、おっけい!みおちゃん走るよ。いける??」


「みわせんせい、あしいたいかも、」


「ちょっとまってね。今見るからね」



服の裾をめくった。

そしたら、


「この痣どうしたの?」


「それはね、、なんかおとうさんにきずつけられたときにそうなっちゃった」


「…いくよみおちゃんおんぶするから背中乗って」


「わかったぁ!」


みおちゃんを背中に乗せて

全速力で走った。

大事な生徒を傷つけないために。




すると、どこから馴染みのある声が、

「おい!美和ッ!!!!!!」


「おーないす直。」


「その子は?」


「とりあえずこの子おぶって。いいから」


「っ、わかったよ。」


みおちゃんを直に預けて私は、走った。


直はあとから来てといい、私は走った。








「ついた。」

やっとのことでついた。

表札を見ると、


「鈴木、」


鈴木戸吾くんのお家。

みおちゃんは直に任せて、家を捜索した。

そしたら、玄関の前に男の子が座っていた。


「鈴木くん、!!」


間違いなく、鈴木戸吾くん。

服もびしょ濡れで、体には痣があった。

多分学校に行くときは隠していたのだろう。


「ねぇ、どうしたの!!濡れちゃうよ!」


「、先生、俺家に入りたくない、」


「とりあえずここじゃなくて私の家行こうか、!!」


「、、、え、?」


そりゃあ驚くだろうな。

笑えるほど私変なこと言ってるからさ。笑

普通生徒を家にあげないんだけど





「、おじゃまします。」


「いらっしゃーい上がってて」





「美和~入るで」


「はいよ~」



「澪、ッ!!」


「にいちゃん!」



「よーしじゃあみおちゃん俺と遊ぼーか!」


「はーい!なおせんせいっ」


「え、みおちゃん成長した?この短時間で」


「俺が教えたっ」


「ぐーやないねん。じゃあ遊んでおいで!みおちゃん」


「はーい!」




「はい、じゃあ鈴木くんはどうしてこんなんな足になったか教えてもらえる?」


「、、」


「無理に言えなかったら言わなくていいよ。」


「俺は、、」



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 


鈴木家は、幸せな家族だと言っても過言ではなかった。

お母さん、お父さん、 俺、澪の4人家族で、いつも笑顔でみんなで笑ってた。


だけどある日、お母さんが急に消えた。

お母さんは浮気癖があるから。

多分他の男の家に行ったんだろう。荷物も全部なかったし。

なんでお母さんが浮気癖があったのかって、

お父さんの影響だった。


いつしか

お父さんは朝から晩までパチンコ行って、

ちゃんと仕事してるよ?だけどバイトばっかで。

バイトの休憩時間さえあれば、パチンコで、


お父さんは、"病的賭博"って診断されたんよ

お母さんは、お父さんの世話するのでいっぱいで、

俺と澪の世話なんてしてもらえなかった。寂しいなんて言えなくて。

辛かったんだけど、お母さんは、お父さんの世話で辛かったんだろうなって。


置き手紙には、

"ごめんなさい"まで書かれてたし、笑

捨てられた以前に頑張ってねしか、思えなくて、


お母さんに捨てられたのが、澪が3歳で俺が10歳の時に捨てられたから

もう2年もたって、俺はその生活に慣れちゃって、

澪のお世話をしている。

お父さんが金を稼いできてくれるのが唯一の

救いだった。


◇ ◇ ◇ ◇


「そっか、辛かったよね、」


「…せんせいっ、、っおれ、もう、っむりだよ、」


鈴木くんは静かに泣いた。

人の家に入ることも滅多にないという。


「いいよ。たくさん泣きな。たっくさん。」


私はこれしか言えなかった。

人の辛さは自分にしかわからない。


「…ごめんせんせい、ないちゃった、笑」


「いいよ。自分が思う存分、泣き疲れるまで」






「みおちゃーん??」


「わぁっ!みわせんせどおしたの?」


「みおちゃん今日泊まろっか!」


「え?、」


「あ、もちろんお前も泊まりな」


「はぁ?明日も仕事なんだが」


「これも仕事だわぼけ。」


「それはいいとして、服は?!」


「なんと、ありまーす!!」


「やったぁ!!みおのふく?!たのしみ!」


「じゃあみおちゃん風呂入っておいで!直。」


「よーし!じゃあみおちゃん行こっか!」


「たかせせんせぇについてく!」












「よーし、夜ご飯作るか」


「先生、?俺も手伝うよ」


「いいよ、課題あるでしょ?ゆっくりしておいで」


「大丈夫。課題やってあるし。」


「そうだ、鈴木くん、優秀生徒だった。笑」


「何やればいい?」


「まず、何作るか決めてないわ。笑笑」


「じゃあ今日寒いから、カレーは?」


「お、いいね。サラダお願いしてもいい?」


「わかった〜」




「上がりました〜」


「みわせんせいふろはいったぁよ!」


「お、偉いねぇ!頭乾かしておいで!」


「はーい!」





「鈴木くん、風呂入っておいで?」


いわば時は11月

最近は、夜は寒くなってきた


「でもいいよ。先生の手伝いしなきゃだし。」


「そう?わかった」


「澪ー!手洗ってね!」


「はーい!!」




「じゃ戸吾くん持ってってもらえる?」


「…え、あ、うん」


「何照れてんの?笑笑」


「べ、別に照れてないし、っ、」


「ふふ、かわいね」






「チッ、」


「なおせんせぇどーしたのぉ?」


「ごめんね!何もないよ!リビング行こっか!」


「うん!!…?」


高瀬直は、

好きな人にはとことん好きという愛情が出てきて

邪魔者がいたら深く嫉妬する魔王系タイプ

恋してるところを周りに見られると怖がられる。

"ヤンキー"というあだ名がついたことは美和でも知らない...



「じゃあ座って~」


「せーの」


『いただきます』


「みわせんせぃのごはんおいしぃ!」


「よかった~戸吾くんの手伝いのおかげだよ。」


「うん、、//」



「にぃに、おかおまっか!おねつあるの??」


「ううん、っ!なんでもないよ澪!」


「...?そっか!みわせんせいが、うぐっ」


「澪、!やめとこ、、?!」


「、、わかった、?」





「あ、そうだ~。2人とも、明日は土日じゃん?」


「そっか、今日は金曜日か。」


「うちらさ映画の撮影が明日あって、一日家にいないのよ~。どうする?」


「...いいよ。一日家にいる。」


「了解、みおちゃんはそれでいい?」


「わかった!!べらんだとかにはでてもいい?」


「戸吾くんが一緒なら出てもいいよ!」


「やったぁ!みわせんせいありがとう!!」


「ううん笑」


戸吾くんの表情が

曇ったのはなぜか。


疑問に残りながら、夜ご飯のオムライスを食べ進めた。

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