FANTA-LILY~傾国魅了で最強少女の百合っと幻想譚~

くんねちゅぷ

序章

プロローグ

第001話 〇〇〇〇から始まる幻想譚

 季節は花咲く春から新緑の季節へと移り変わろうとしていた。

 人族の大国の一つであるヴァンデール王国の南端にほど近い、自然豊かで長閑のどかな街道を小柄な少女が一人、北へと向かって歩んでいた。

 その少女は、己の素顔を隠すように羽織る白いマントに付いているフードを深く被っており、その下には白い厚手のローブを身に着けている。

 それまで順調に歩みを進めていた少女が、突如として足を止める。


 (これは少しまずいわね⋯⋯。覚悟を決めてヤるしかないわ⋯⋯)


 覚悟を決めるや否や、少女は周囲の気配を探りつつ、足早に街道から少し離れた雑木林の中へと移動する。


 うっそうとした雑木林の中は、日中だというのに薄暗く、街道からでは中の様子を伺うことは難しい。

 そんな中で少女は、息を潜めながら慎重に周囲の気配を探る。


 (大丈夫、今までだって何回かは〝ヤった〟事があるのだから何の問題もないわ。──ただ単に知らない場所、そして街道が近くにあるってだけなんだから⋯⋯)


 覚悟を決めた少女は、突如として魔法を行使する。

 なんの前触れもなく魔法を受けた対象には、人の頭が入りそうなほどの穴が、えぐり取られたかのように〝ぽっかり〟と開いていた。

 驚くべきことに、少女は魔法名を唱える事無く、完全無詠唱で事象改変を成したのである。

 すると少女は対象へと近付き、無惨に開かれた穴を見下ろしながら、己が行使した魔法がもたらした結果を確かめるのだった。


 ──結果に満足した少女は、その身にまとう装束しょうぞくを無駄に汚すことを避けるため、羽織っていたマントを脱ぎ、腰に着けている魔法鞄マジックバックへと収納するのだった。


 ──遮るモノマントが消えたことで、少女の容姿があらわとなる。

 黒髪のボブヘアー、顔は整っており綺麗ではあるが可愛らしいとの印象がやや強いな、その素顔を目にしたものは間違いなく美少女との印象を抱かせるものであった。

 身長は人族女性の平均より小さいが、そのスタイルは上から順に、たわわなお胸様、しっかりとクビレたウエスト、ハート状な大きめサイズのヒップとなっている。

 要約すると低身長に優れたプロポーション、いわゆるトランジスターグラマーな美少女であった。


 そんな美少女が、この後に自分自身が行おうとしている行為に興奮したのか、その頬が薄紅色に染まっている。

 上気したことで頬に帯びる熱を感じつつ、少女は己を後押しするために言葉を発する。


「──初めてじゃないのだし、今更我慢もできないわ。こうなったらヤるしかないのよ──」


 その直後、少女は身に着けている厚手ローブの裾を突如としてまくり上げる。

 それに次いで、履いてるパンツを膝まで一気に下ろすと、自分自身が魔法で開けた穴の上でかがみ込む。

 ──少しして薄暗い雑木林の中に〝ジョロジョロ〟との少し勢いを感じさせる小さな水音みずおとが生じたのだった。

 ──いわゆる野ションであった。



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フロレアル(主人公)①

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