第3話 作者のお願い あるいは、ようやく一歩目
どうも、作者の葵です。gdgdと、後にでてくるかもしれないV同士での姉妹百合の執筆に時間がかかり、本編開始が遅れてしまいました。プロローグはここで終わり、掲示板の助けを求めさせていただきます。
一応一人目の設定のみはリア友の同志に構想を頂いたのですが、二人目三人目となると、いやはや設定すら思いついていません。
皆様、宜しければ御協力をお願い致しますとともに、当作を何卒ご愛顧頂きますようお願い申し上げます。
――――――――――――――――――
「んぅ...。」
少し肌寒い部屋に、僕は小さな抵抗としてブランケットを顔まで持ち上げる。寒いことには変わりないけど、空気が入らなくなったからか少しだけ暖かくなった気がしないでもない。
これなら二度寝もできそうだ。そう思って寝る準備を整えた、次の瞬間。
ふっ、と耳元に呼気が充てられた。
「ひゃぁ!?」
たまらず僕が目を開けると、してやったりと言わんがばかりの笑みを浮かべて、僕が被っているブランケット一枚のみを身に纏っているお姉ちゃんがいた。
そしてそれと同時に、僕の脳が急激に昨日の事をフラッシュバックさせて、顔が熱くなる。
「あ、あぅぅ...。」
「ふふっ、照れてる依在は一段とかわいいねー」
視界まで少し赤く染まっている気がしないでもない僕の頬を楽しそうに優しくつついたお姉ちゃんは、僕の顔を自らに引き寄せて笑顔を浮かべた。昨日のような事をされるんじゃないかと僕は固まり、目を閉じた。
そんな僕の頬を優しく撫でただけに留めたお姉ちゃんは互いの一糸まとわぬ姿を見て今更羞恥心が湧いたのか、僕がなっているだろう状態と同じように頬を赤く染めて視線をそらした。
...なんだか、こうやって見るとお姉ちゃんって女の子に好き勝手される、いわば『受け』の素質がある気がする。レズじゃないはずの僕でさえ、心の奥底がうずうずしているぐらいだから、もともとの依在ちゃんはどのくらいお姉ちゃんの誘惑に耐えていたんだろうとふと考えてしまう。
もしかしたら、手を出したりしていたのかな?それだったらなんで植物状態?になっていたのか分かんないけど...。
「ん?依在、どうしたの?」
どうやら既に着替え終えたらしいお姉ちゃんが、僕の顔を覗き込んだ。そのまま顔を近づけてくるから、僕は慌ててお姉ちゃんの肩を押して離す。「ちぇー」などと言っているお姉ちゃんだけど、笑顔でいるからその言葉も行動もおふざけの類だったことがすぐにわかる。でも、昨日あんなことをしているせいで『もしかしたら』を考えてしまうのは仕方ないよね。...いや、もしかしたら。
「...!?い、依在!?」
僕は、お姉ちゃんを引き離していた腕を戻し、僕の方から顔を近よせる。すると、お姉ちゃんは慌てて僕を引き離そうとするけど、思った以上に力は篭っていなくて、寧ろされるがままになりたいと言わんがばかりに力を抜いているとしか思えない。
あと、指一本で唇が触れ合う―――そんな距離になって、お姉ちゃんの真っ赤な顔だけが視界に入っている、そんな距離で僕はお姉ちゃんを引き離した。
「...え?」
頬を赤く染めすぎて鼻血が出ていても気付かなそうな色のお姉ちゃんに、僕はさっきのお姉ちゃんが浮かべていたような微笑を浮かべて、「残念。僕はレズじゃないからね、お姉ちゃんが期待するようなことはできないよ?」とイタズラっぽく口にして、「着替えるから」とお姉ちゃんに背を向けた。
(ああああぁぁぁぁぁぁぁはずかしぃぃぃぃぃっ!)
お姉ちゃんは、限界まで焦らされた挙句逃げられて結構不満を抱いていると思う。でも、僕が恥ずかしくて逃げたというのはバレていない、はず。
「依在、どうしたの?早く着替えよ?」
でも、お姉ちゃんはそんな様子を見せないいつもの声で僕の背中を軽く叩く。僕はお姉ちゃんに顔を見せないまま、着替えを行った。
着替え終わって、僕とお姉ちゃんは一緒に下に降りた。時間がまだ早かったのか、多分仕事に行く前の章お爺ちゃんが煎茶を飲んでいた。
「おお、依在、恵美、今日は早えなぁ。ほれ、爺が茶ぁつけるから、飲め」
お爺ちゃんは僕たちを見つけてはやや嬉しそうにそう言うと、近くにあった急須に湯を入れて僕たちがたまに使う湯呑みに茶を注いでいった。その間僕たちは、大人しくテーブルに座ってお爺ちゃんが茶を持ってくるのを待つ。
ついでにお爺ちゃんが持ってきてくれた茶請けの塩昆布で漬けられた胡瓜と、お姉ちゃんが茶請けとして愛してやまない胡桃を食べながら、のんびりとお茶を飲む。見た感じはおじいちゃんと孫の休日昼下がり、でも実際は仕事をしているのはお爺ちゃんだけ(お姉ちゃんはやるときとやらないときが激しい)、しかも今日は平日で朝っぱら。なんて真逆なんだろう。早起きはいいことだけどね。実際お茶飲めたし。
「おぉ、もうこんな時間か。爺は若造共をしごいてくるでの、早う飯食いさいけ」
のんびりとお茶を飲んでいた僕たちだけど、おじいちゃんは時計を見るとそんな事を言って就寝用の家を後にした。表に出せるかと言われれば怪しい仕事もしているお爺ちゃんの会社は、色々な経営を携えた巨大グループだ。
昔は駄目な事をしていた...例えば、葉っぱとかライターみたいなのとか片栗粉と信じたい物を売っていた人も居たらしいけど、一番上の人が代わってその人たちが逮捕されたりもして、今では健全なグループだ。―――なお、本社事務所の一番偉い人がいる部屋にある猟銃と有名らしい刀二振り、そしてその人の近くにある神棚の部屋を気にしなければ。
お婆ちゃんが作ってくれた朝ご飯を食べて、僕たちはお姉ちゃんの仕事部屋...という名の、僕が非常に見覚えのあるレイアウトのマルチディスプレイと、あとは本当に
ごろ寝用にベッドも置かれていて、意外なことに床は散らかっていない。
と言いつつベッド下に隠してるんだろー?などと思いつつ覗いてみると...
「.........。」
...僕は何も見ていない。僕がお姉ちゃんにえっちなことされてたり、お姉ちゃんがお兄ちゃんになって僕のこと抱いていたり、そんな事実は一切ない。
「?依在、どうしたの?」
「な、なんでもないっ///」
「そう?ならいいけど」
...お姉ちゃんめ//
のんびりと過ごしていると、特に何をするでもなくお姉ちゃんが僕の髪を梳いてくるので、されるがままになっておく。
「そういえば、だけど。昨日言ってた、ライバーがどうだのっていうのは?」
そんな日常会話の一コマに、お姉ちゃんは昨日のことを尋ねた。
そう言えば、ある程度言ったとはいえライバーについては語ってなかったな...。
それに気づいた僕は、お姉ちゃんにたっぷりとライバーの素晴らしさを語った。
「ストップ、ようくわかったから」
「―――トラッキング素材が...え?ああ、うん。それなら良かった」
熱弁をしすぎたのか、お姉ちゃんの顔はちょっとお疲れだった。僕の本気時に出る「〜故構文」は出ていないだけマシだというのに。
「じゃあ、それになってみたら?」
「え?」
物語は今、動き出す。
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いよいよ安価が出ますので、お楽しみあれです故。
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