俳句創作ノート

ネコ?

第1回 季語に色々託しますよ

ひっそりとはじめましたこの連載(不定期)、最初は季語に関する話題です。


短歌や川柳と比べた時、俳句の最大の特徴は季語の存在かなと思います。

(無季の俳句も素晴らしいものがたくさんありますけども)


季語について、最初、「春夏秋冬に合わせて適当に歳時記から選べばいいんでしょ」、「十七音に整えるために五音の季語を選ぶのが楽だよね」と思ってました。

要は、季語を入れるというのは、ただの俳句のルールだと思ってたんですね。


しかしですね、どうもそれは違うようだと。


ものの本を読むと、季語には本意というものがあって、それに自分の感情を託したり、チョイスする季語によって自分を表現するという重要な要素のようだと。


桜、蝉、月、紅葉、クリスマス、鏡餅など無数にある季語のそれぞれに、多くの人が抱く共通認識やイメージがあるのではないでしょうか?

(例えば「桜」なら、華やか、春、潔さ、散る哀しさなどなど)

この共通のイメージが、「本意」ということになるのかなと。


そして、この季語の本意を活かし、詠み手は十七音の中で情景や感情を膨らませていくという感じですかね。

まあ、舌足らずな説明ですので、詳細は俳句の解説本をお読みくださいませ<(_ _)>


それで、この季語に関して、私がいつもやってしまう失敗?がいくつかあります。

全て私が実際に指摘されたものでございます。



◎季語の本意を理解していない

 本当にやっちまうのが、これです。例えば、春雨という季語がありますが、これは優しいイメージの季語とされています。それを理解せず、厳しい内容の句に使ってしまうと、俳句の意図が誤解されます。

 ある句を詠んだ時、「何か考えがあって、この句の中にこの季語を持ってきたの?」と指摘され、そこで初めて「ありゃ、そういうイメージの季語じゃなかったか~」と気づくことがしばしばです。


◎季語を複数入れてしまう

 季語って普通名詞が多いんですよ。友達と10分電話したら、10回は季語が出てくるくらい存在していると思います。一説によれば万単位だとか。しかも増えている模様です。ブランコとか、墓参りとか、チューリップとか、帰省とか、受験とか、もう何でもありです。

 なので、ちょっと気を抜くとすぐに季重ねをしてしまいます。結果、どっちの季語が句のポイントですかね?という感じで、自分の感動した点が伝わりづらい句ができてしまいます(-_-;)


◎広く普及していない季語を使う

 例えば、「納税期」という季語があります。この季語、角川の歳時記には載っていないと思います。他方で、季語として見出しで載せている歳時記もあります。

 こうした季語は、まだ、本意が固まっていないという風に取られるのか、使わないほうがいいかもねと指摘されることがあります。

 好みの問題じゃないの?という気もしますが、


先生「この俳句、季語がないですよね?」

ネコ?「いえ、◎◎が季語です。この歳時記に載ってます」

先生「うーん???」


みたいなやり取りが発生するときもありますね~。


◎季語を説明してしまう

 季語を説明する句というのを、しょっちゅう作ってしまいます。その結果、俳句教室の先生から、「この句は季語の説明をしているだけですね」と指摘されます。具体的にどんなものかというと、「桜の花びらはピンク色ですね」みたいな内容だけで終わっている句です。多分、拙句を詠むと、そんな句ばかりではないかと(-_-;)。特に「一物仕立て」と呼ばれるタイプの句を詠んだ時にやりがちかなと。

 この指摘について、句に詩情がないとか、ネコ?の感動のポイントが分からない(そのため鑑賞のポイントが掴めない)という意味かなと理解しています。

 とはいえ国語辞典の説明みたいな句を量産する、今日この頃でございます。


◎季語が「つきすぎている」

 これもよく言われるものの、一番難しいなと感じます。例えば葬式の句の季語として忌日(桜桃忌とか、河童忌とか)を使うと、「季語がつきすぎかな~」などと言われますね。こちらは「配合」とか「二物衝撃」と呼ばれるタイプの句を詠んだ時に指摘されることが多いかなと。

 ほどよいバランス感とか距離感が重要なのだろうというのは分かるんですが、主観的なところもある気がするのでなかなか難しいですね。ある人には「つきすぎ」、別の人には「いい句」と評価されることもあるんじゃないですかね。

 季語が「決まりすぎている」というのも同じような意味合いかなと思いますが、違いますかね?



上記の失敗を避けるためにはどうしたらよいかという点ですが、私が教えていただきたい!

正直、推敲をするとか、恥をかくとか、対象をよく観察するとか、こまめに歳時記と国語辞典を調べるとかそういうやり方しか思いつきません…。


さて、季語の件はこのくらいにして、次回は五七五の定型について指摘されたことを書きたいと思います。

(思いのほか大変だったので、このまま放置するかもしれませんが…)

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