冒険者ギルドの受付嬢と女性冒険者を愉しむ異世界奇行―Ⅱ
鎔ゆう
Sid.0 第一部のあらすじ
第一部は以下リンク先から。
https://kakuyomu.jp/works/16817330664249082622
生まれてから女性に全く縁のない、不遇の人生を歩む
見た目なのか性格なのか、それとも全てが女性から忌避されるのか。一度足りとて女性と懇意になれたことはなかった。
おひとり様が寂しい鋼山亨は婚活に精を出すも、結果は金払いの良い上客でしかなく、相手は一切できず仕舞い。
四十路となった現在も童貞であった。
それでも仕事は真面目にやり、要領の悪さはあれど辛うじて係長程度に。
いつも通り社用車で取引先へ向かう途中、運の悪さもここに極まったか対向車と正面衝突。
おそらくは死亡したであろう状況だったが。
彷徨う感覚を得たのち死亡したと思っていたようだが、意識を回復し眩しさから目覚める。
視界に入るのは突き抜ける青天。
そして視界を覆うおっさんの顔。
「おい、大丈夫か?」
濃い顔とでも言えば良いのか、日差しを遮り覗き込んでいるようだ。
「こんな所で倒れていたが、何かあったのか?」
倒れていた、と言われても状況の把握に少々時間を要し、体を起こし周囲を確認し暫し混乱。
己の服装を見て、やはり混乱。
立ち上がろうとした瞬間、激しい頭痛を生じ、同時に脳内で様々な映像が流れる。
そして理解した。ここは異世界で、この体の主は何かの旅の途中だったと。どうやら他人の体に魂だけが入り込んだようだ。摩訶不思議な現象ではあるが、受け入れようと受け入れまいと、これが現実。となれば、受け入れて異世界を知る必要がある。
目の前には心配する風の濃い顔のおっさんが声を掛け、馬車で町まで送るか聞いてくるが、それを断り歩くことに。
声を掛けてきたおっさんの馬車を見送り、未舗装の道を歩き出すと妙な獣と遭遇。
初の戦闘を熟し己のスペックを知る。どうやら冒険者と言うものらしく、どこかの町へ向かっているようだった。
体の主の名はトールヴァルド・ストールベリ。年齢は二十五歳。冒険者としては上級のアヴァンシエラ・フェルシュタクラス。下に二つランクがあり初級がニーヴォルヤーレ、中級がメランニーヴォ。各々のランクには一等、フェルシュタクラス。二等アンドラクラス、三等がトレイエクラスとなることも理解した。
更に最上級のスーペラティブもあるようで。
首に金色のドッグタグを下げていて、そこに最低限の情報があったわけだ。
上から二番目、と言うことは相当な手練れ、かもしれないと考えるが、生憎と亨に戦闘経験はない。
体のスペックと記憶を頼りに、この世界を生き抜くことになりそうだと。
暫く進むとモンスターに襲撃される馬車。手助けし同乗させてもらう。
高い戦闘力を持っているとして、護衛の依頼を受けることに。
異世界に転生して最初の町、ベルマン伯爵が治める町に着く。
到着し依頼達成と言うことで、冒険者ギルドに向かい報酬を手にするが。
受付嬢が二人。
同時に好かれたようだった。
ひとりはアニタと名乗る金髪碧眼でヘアスタイルはカーリーミディ。今は無き某ファミレスの制服のような衣装を纏い、豊満な胸元を強調している。
もうひとりはマルギットと名乗り、栗色の瞳を持ちブルネットのストレートヘア。同じくファミレスのような衣装で、こちらはアニタ以上の爆乳の持ち主だった。
すぐにアニタと懇意になりギルドで初となる駆除依頼を受ける。
そしてこのベルマンを起点に冒険の旅が始まった。
食うためにギルドで依頼を受け、ソロで活動する予定だったが、女性冒険者パーティーと行動することに。
三人居て全員が銀のドッグタグを下げている。つまり中級。商人の護衛任務だったのだが、人数が足りていないということで、急遽トールがパーティーに加入することになった。
パーティー名はリーリャユングフル。名称の意味は百合乙女。
リーダーは剣士のソーニャ。茶髪で金属製の胸当てを装備し、鍛えられているのか引き締まった体を持っている。
そして魔法使いと言うクリスタ。グリーンのロングチュニック、クロークを纏い手には魔法使い然とした杖。赤い髪の少女だった。
もうひとりは町で声を掛けてきた女性。回復職のテレーサ。メイスを使って敵に向かうことも。白装束で胸元が張り出す豊満な女性のようだ。
こうして商人の護衛を受け他の町へ移動するが、トールヴァルドの能力は驚愕に値するものだったようで。
その能力の高さからリーリャユングフルのメンバーとして、商人の護衛以降も行動を共にすることに。
そして訪れる第一の試練。
暴虐の魔女と人々が呼ぶ存在。全てを凌駕する圧倒的な魔法。ひとりで対峙したトールも死を覚悟せざるを得なかった。
辛うじて退けることができたと同時に、トールのランクは上がり最上級のスーペラティブに。
暴虐の魔女を退けた際、魔女の躯から現れた存在に、試練とは何ぞやと少しだけ説明されるのだった。
この世界にはダンジョンと呼ばれるものがある。モンスターが徘徊し希少な鉱物や鉱石を得られるらしい。ただし、多くのダンジョンは閉鎖されている。生きて帰還できないのがその理由だ。
それでもダンジョンに興味を抱くトールは、攻略してみたいとの思いから、行動に移すのだが新たなメンツが必要だった。
ここで新たな仲間を加えることになる。
スカラリウス、即ち軽量運搬賦役。
名をミリヤムと言い背は低いが、体格はがっしりしていて総重量百キロを担げ、メランニーヴォレベルの戦闘も熟すと言う。
鋭い目付きと、きりっとした眉。アンバーカラーの瞳とウルフカットのヘアスタイル。輪郭は丸みを帯びていて愛らしさはある。
彼女が加入することでダンジョン探索に出向く。
パーティーは総勢五人となり、ダンジョンのある都市、フルトグレンに向かい探索をすることに。
しかし、その前に第二の試練があった。追い詰められたがミリヤムにより、窮地を脱し勝利を得る。
その後、フルトグレンでダンジョン探索を開始。
新たな発見があり有意義な探索活動となったが、フルトグレンのギルドでダンジョン探索依頼を受けることに。新たな発見の調査目的だった。
ベルマンへの帰路、第三の試練となりメンバーには引き返すよう言い、単身試練と立ち向かい無事乗り切る。
ベルマンに帰り着くと予想外の事態に。
以前、盗賊の捕縛依頼の際、同行していた貴族の娘が居て、婚姻することになってしまう。
抗うこと敵わず正妻となったガブリエッラ。元伯爵令嬢で今は身分をはく奪され平民になったと言う。
金髪碧眼で巨大すぎるバストを揺らす。ただし、戦闘はからっきしで冒険の旅に出るも、ひたすら足手纏いであった。
それでも正妻としてトールに付き従うガブリエッラ。
リーリャユングフルのメンバーになるが、役に立つはずもないのに同行する。
再びダンジョンのあるフルトグレンに向け出発する。
ダンジョン調査隊の護衛任務だった。
無事任務を熟し調査も終わると、こっそりダンジョンから持ち出したもので試すことがある。
モンスターの卵だ。孵化を試みて飼い慣らせるかの確認。
だが、そんなことを目論んでいると呼び出しが掛かる。
第四の試練だった。
メンバー全員を町に留め、またも単身襲撃を受ける町へ向かう。
ここで片腕を失うも試練を退け、襲撃を受けた町をあとにし、メンバーと合流するも心配され追及もされた。
とりあえず何とかなる、として追及をかわしモンスターの卵の孵化を試みることに。
何度か試すとモンスターの孵化に成功。ダンジョンで遭遇するモンスターと異なり、極めて強力な魔法を使うモンスターだった。しかも「パパ」とトールを見て言う。異常な懐き方をされ、なし崩し的に仲間としてモンスターを加えることに。
そしてベルマンで装備を一新、新たな旅立ちとなった。
向かう先は港町北部にある鉱山都市。
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