暫定悪役令嬢
ミルティア
第1話 暫定悪役令嬢堂々覚醒
こうして私の物語は終わったのです。
「って、勝手に終わらせるな!?」
一息ついて改めて考えましょう。
私は日本で生まれ育ち女子大生として生きていたはず。
今日は、生まれて初めて誘われた合コンに参加しようと張り切っていたはずなのに……。
どうしてどうして……。
「どうして、その先の記憶が無いのよ!?」
落ち着け落ち着くのだ。
ここで焦っては駄目だ。
合コンに呼ばれたのが嬉しすぎて死んじゃったなどあるはずがない。
……おそらくない。
でも、この湖面に映る美少女は誰となる。
私は、良くも悪くもサブカルチャーには素人よりは詳しい。
何しろ兄貴からの英才教育があったから。
だからわかる。
美少女。
どう見ても絹をぜいたくに使った洋服。
靴だって高そうだ。
これはヒロインから断罪されて地獄を見せられる悪役令嬢のテンプレート全部載せではないか!?
「だが、何故私は一人でいる……」
もしかしてすでに断罪され追放されたのか!?
いやいやさすがに無い。
周りを見渡して確認したがそれは無い。
よく手入れされた庭園のど真ん中の噴水の傍に放置などが追放であるわけがない!?
ここで助けを求める?
それが正解なのだろうか?
もし何かのトラブルから脱出しようとしていたのなら?
見つかってバットエンド?
冗談じゃない。
見た目美少女。
どう考えても悪役令嬢が似合う目つき。
だからと言って私は負けない。
絶対に生き残る!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます