らぶおあらいく~【百合女子】であることを隠している私、今日も美少女な友人に翻弄されてしまう~
真嶋青
プロローグ
第1話 百合との出会い
今からもう二年以上も前になるだろうか。
当時、中学二年生だった私は姉の部屋で一冊の本を開いてしまう。
その本は、やたらと薄くて大判だった。それが同人誌と呼ばれる代物であることを知るのは、それから数ヶ月の後。
同人誌の内容は、高校生の女子二人が思いを寄せ合い蜜月な関係を築くというもの。
女性同士でありながら、周囲に関係を隠しドンドンと大人な関係を深めていく。
そんな、二人の少女が織りなすアダルティな雰囲気満載の純愛ストーリー。
所謂、百合だった。
あれを読んだ瞬間、私の前には新たな扉が開け放たれていた。その扉の向こうには、果てしない桃色の園が広がっている。そして、あろうことか私はその向こう側へ飛び込んでしまったのだ。
そう、姉が隠していたエッチな百合モノ同人誌をうっかり読んでしまったことによって、私の脳は百合に侵された。
逃げることのできない底なし沼にハマったのである。
あれ以来、学校で仲睦まじくしている女生徒たちを見れば、私の脳内はピンク色の妄想で包まれるようになってしまった。ところ構わずみっともないニヤケ面を晒してグヘグヘと……。
自分でも分かっている。もはや、これは病気であると。それでも、私の妄想は止まらない。
だって、私の周りには百合が溢れすぎていたのだもの……。
私は、自らの病にとある名前を付けた。
『てぇてぇ病』
それは、『尊い』と感じた二人の女性に対して、ところ構わず発症してしまう脳内百合化症候群。
それはもう恐ろしい病だ。きっと、治ることは一生ないだろう。
私には、可能な限りこの病気を悪化させないよう慎ましやかに生活する他ないのだ。
それなのに、どうしてだろう――。
どうして、私は女子高に入ってしまったのだろう。
こんな百合色パラダイスに居るせいで、私の妄想は日々膨れ上がる一方だ。
そして何よりも、今の私には大きな悩みの種がある。
とあるクラスメイトから私に対するスキンシップが、あまりにも激しすぎるのだ――。
ある日、彼女は私に衝撃の一言を放つ。
「友達なら、ほっぺにチューは普通でしょ」
これは、私――
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