異世界探索

架空の悪魔《パラファラピヌ》

かつて吸血鬼（ヴァンパイア）であった最初（はじまり）の漂流者（プレイヤー）が創り出した種族、それこそが架空の悪魔（パラファラピヌ）である

彼女達は主の性質を受け継ぎ吸血の特性を持っている、しかし吸血は自身の強化や体力回復の為に行うものであって生存する為に必須と言う事はないらしい、ただ趣味や気紛れによる吸血で被害を出す者はおり人間とは違う倫理観の下動いている為か、人類からは敵性種族として見られている

ガラスのように透けた半透明の居城である万年城[ミレニア]を拠点に複数人の仲間（NPC）と共に気儘に暮らしている

そんな彼女達は吸血の特性を秘めているからなのか吸血鬼（ヴァンパイア）とは仲が良いようだ（尤も気性や考え方は違うが）

そんな彼女達はこの大陸の北部で活動している、北と西を分ける鬱蒼とした森は大量の不死怪物（アンデッド）が生息しており生者を拒むその森は何時しか暗がりの森と呼ばれるようになった

紫色の長い髪と純白のボディースーツを着た少女ギア、彼女は万年城[ミレニア]に住む架空の悪魔（パラファラピヌ）達のまとめ役である

生きとし生ける者を拒む暗がりの森の中を勝手知ったる場所のように歩く、周りにいる骸骨兵（スケルトン）や髑髏戦士（スケルトンウォーリア）等の不死怪物（アンデッド）達は彼女襲う素振りは見せない

何故ならギアはこの森の主、そしてこの不死怪物（アンデッド）達の主人である【死霊候】と呼ばれる死霊使い（ネクロマンサー）の吸血鬼（ヴァンパイア）とは旧知の仲だからである

しばらく歩くと綺麗な純白の骨を組み合わせて造った建造物に辿り着いた、扉は存在せず中心にぽっかり空いた穴の暗闇から一体の巨体が姿を現した

「ギア久しぶりだね～どうしたの？」

陽気な声の主は巨大な鳥の骨を下半身に持った異形、上半身には三人の身体が歪な形でくっついている

「お久しぶりですね【死霊候】、お暇でしたら一緒に風景巡りでも如何ですか？」

幻想の風景を巡る旅、幻想を探索する放浪が始まる