第19話俺の中にいる夢魔のサキュバスは、毎晩エロい夢を見せ、毎日鼻血を出し、妖精王は、他の人には見えないらしく、我がままな性格である。ハーバルト国に呪いを掛けた上位悪魔グレートデーモンが来た。

顔を洗い朝ご飯を食べに行くと、ヴァルキリー騎士団の3人と大地の牙の3人とローラが一緒に朝ご飯を食べていた。

皆顔を赤くして、ローラから俺の寝姿を聞いている様だ。俺と顔を合わせようとしない。

俺は端っこに行き、朝ご飯を食べていた。

誰も何も言わずにモクモク朝ご飯を食べていると、俺の肩から妖精王が出てきた。

精神体と言っていたやつだ。それは他の人には見えないと言っていた。

でも、俺の魔法倉庫にはいっているからか、俺にはそれが見える。光る玉にいた妖精王の姿そのまま、10cm程のキレイな蝶々の羽の生えた長い緑髪、色白の白い服を着た少女に見えていた。

不意に大地の牙のリーダーのキャンが

「ヒロトお前の肩から光る玉が出て来たぞ。どうしたんだ、何があったんだ。それは何だ。」

「あぁ、これな俺の魔法倉庫に入れてある妖精王が入った玉の中の妖精王の精神体だそうだ。自由に出入り出来るらしい。」

ローラが近づいて来て言う。

「ヒロト妖精王が入った琥珀を出して、見せてくれる。」

「琥珀???、あぁ、あの光るたまか。でも昨日は誰も触れなかったはずだが。大丈夫なのか。」

昨日の事を思い出す。

ー ー ー ー ー ー ー

大地の牙の3人が先に妖精王の神殿に入ったとき、

光る妖精王が入った玉を触ったとき、触った手が燃えたのだった。その時に叫び声を出したのだった。

「キャー」そう叫び、触ったキャンが手に火傷をしていると、側に居たガーディアンの火の鳥が睨みつけて「この琥珀の玉を触る事を禁ずる。」

そう言ったが、叫び声を聞き付けて神殿に次に入ったローラ達も光る玉に近付き、火傷の様を見ていないヴァルキリー騎士団長のケリーが光る玉を触り、手に火傷をしたのだった。

その後に俺が入ったが、俺を見た火の鳥が言う。

(人の子よ、私は力を使い過ぎて、転生をしなければならない、生まれ変わるときまで妖精王を頼んだぞ、しっかり護るのだぞ。)そう言い残して火の鳥は消えたのだった。

火傷をしている2人を見て、直ぐに火傷痕にヒールを掛けて治してやる。

俺が光る玉に近付き見ると、光る玉の周囲には黒い呪いの帯がギッシリ書かれているが、玉から1cm程宙に浮いて、張り付いている。

その玉を俺が触ると幾つかの黒い呪いの呪文が消えたのであった。

その後大地の牙のキャンが、玉に顔を近づけて、

「妖精王様、助けに来ましたよ、早くそこから出てきてください。」 と声を掛けると俺とキャンの頭に響く声がして、

(よく助けに来てくれました。この呪いがある間は此処からは出られません。この呪いの帯は私のスキルを妨害し私から魔力を吸い取り魔族に供給するための物。 どうか、この呪いを解いてください。これがある以上は私から出る魔力の停止ができませんし、ここから出る事も出来ません。)

そう言って魔族や悪魔達に魔力を供給するのを、邪魔する為に俺の魔法倉庫に入ったのだった。

ー ー ー ー ー ー ー 

魔法倉庫から琥珀の玉を出すとローラが言う。

「物凄い魔力をこの琥珀から感じるわ。その魔力がこの呪いを阻んでるんだわ。

でなければ、妖精王は魔族達に奴隷の如くあつかわれていたはずだわ。

確か世界樹の樹液が守っているとか言っていたわね。この宙に浮いて巻き付いている呪いを無効化してから琥珀から出さなければ、妖精王が危ないわ。そういえば、ヒロトがこの琥珀に触れたとき、幾つかの呪いが消えたのはなぜかしら。」

妖精王にその事について、念波で質問する。

俺の中のインポの呪いとルシガー本人と、ルシガーのスキルに掛けられていた呪いの件を、余り人に知られない方が良いと思ったのと、呪い同士の為、関係していると考え念の為、念波を使う。

(妖精王、俺が琥珀の玉に触れた時に玉に巻き付いていた呪いが、消えたのは何故だ。)

俺の念波の声は他の人には聞こえていないし、妖精王も俺の質問に俺に念波を飛ばして話す為、他の人には聞こえないようだ。

(そんなの決まってるわ。呪いはヒロトの中に入って、ヒロトの命を狙っていたらヒロトの召喚獣のスライムが分身体を出して主を救おうとして、呪いを食べてしまったから消滅したの。)

(じゃ、琥珀の玉にまとわり付いている呪いもスライムのピョン吉に食べさせて、俺のインポの呪いも食べてもらおう。)

(あら、そのスライムはとっくに主を助ける為にインポの呪いを食べようとしていたわよ。

でも、ヒロトに掛けられている特別な古代魔法の呪いの為に弾かれたみたいね。)

念波でスライムのピョン吉に命を救ってもらったお礼をいい、インポの呪いと残りの琥珀に巻き付く呪いを食べてくれないかと聞いた所、

(主様、大したことはしてましぇんよ。残りの呪いを食べようとしましゅたが、ルシガー様に掛けられた古代魔法の呪いと同じ物だと思われましゅ。

食べることが出来ませんでした。主様すみません。琥珀に掛けられている呪いもルシガー様に掛けられているのと同じものでしゅので、これも無理でしゅ。)

(そうか、有難うな、妖精王そう言うことだ。この呪いを掛けているやつを倒さなければならない様だ。俺が全部倒してやるから安心していいぞ。)

俺が独り言のように頷いたりしているのを、感の良いローラが気付いて言う。

「もしかして、妖精王と喋っているの?、その話を私達にも聞かせてよ。」

う〜ん、聞かせてよって言われても、今後の事も考えておかないと、面倒くさいな。

仕方ないので念波ではなく、声で出して聞く、

「なあ妖精王、皆にも妖精王の声が聞こえるようにしてくれないか。皆に説明をするのは面倒くさい」

(良いけど、やり方は貴方が私に名前を付ければ良いんだけど、私の方が魔力も経験値やステータスやスキル等も全て上だから、人のヒロトが私に名前を付けたらヒロト死んじゃうよ。そうなると、私が困るわけ。)

「大丈夫さ、少しづつ流すから••••じゃ名前はどうするかな。」

結構外面が良いが素は結構酷いから、”アバヅレ“でいいかなと思っていると俺の思考を読んだ妖精王が凄んで言う。

(それは、どういう意味ふざけた名前だと殺すわよ)と威圧を掛けてくる。

やばい、こいつ俺の心を読んでいる。

う〜ん、ピカッと光っているから”ピカリ“で良いかなと思っていると

(アンタに良い名前を付けてもらおうとした私が馬鹿だったわ。まぁ、名前を付けられてもあたしの方が格上だから貴方の命令とかは無視するけどね。)

Okをもらったので、声高らかに言うのだった。

「妖精王お前の名前はピカリだ。」

(ピカリね、分かったわ受け入れるわ。)

妖精王の身体が光り俺の中に入って来るが、俺の力がゴッソリ抜けて行くのが分かった。

(凄い何この力、アタシの力が全て倍加したように、アタシの力が漲るわ。うん、ステータスもかなり上がっているわね。•••えっ、何〜、アタシがヒロトの従属の召喚獣になっているわ。どういう事これ。)

そう、言いながらもピカリと名付けた妖精王が見える様になったのだった。

今迄は他の人には、光る玉にしか見えていなかった妖精王のピカリは、今は見え、話せるが実体が無い為、幽霊の様に触る事は出来ない。

精神体の為、触ることは出来ない。

それを見た獣人の大地の牙の3人が行き成り妖精王のピカリに土下座をしたのだった。

「うむ、苦しゅうない、表をあげよ。よく今まで頑張りましたね。助かりました。今後も期待してますよ。」

そう言うがこいつの外面を見ているので、

「人が変わり過ぎだろう。」とつい口に出ると

「アンタは私とは何のゆかりもない赤の他人だから良いの、コイツラはアタイの神殿を掃除したり、供え物を捧げる信者なんだから、言葉を選んでるの」

「おい、素が出てるぞ、赤の他人だというのならお前を神殿に置いて、もうお前とは関わらないようにするぞ。いいな!」

「ちよっと、ちよっと待ってよ。この琥珀を持てるのは貴方だけなの。ごめんなさい。もう赤の他人とは言いません。許して下さい。」と涙声で言うが少し嘘くさい。

そんな時にローラが震えて言う。

「そんな、うそ、ヤバイわ、ヒロト大変なことになったわ。今神託が入ったけど、ハーバルト国と父上の国王とかに、呪いをかけたグレートデーモン悪魔の上位種がレッサーデーモン2匹を連れて今国王の前に来ているから、早く勇者ヒロトを連れて助けに行きなさいと言うの。

お願いヒロト、父上の国王他ハーバルト国の住民を皆を救って。お願い。」

ローラは、涙目で訴えるのだった。

ー ー ー ー ー ー ー

ほんの少し前のハーバルト国での事

国王謁見の間に大臣含め各国の偉い人が集まり、騎士が多数周りを固めていた。

そんな中、貴族の格好をした大柄な男が従者2人を連れて入口から入ってきた。

招かれていない人の為に騎士達は、止めようとするが、連れている従者2人に即座に倒されてしまう。

貴族は、国王の前に歩きながら笑うのであった。

「クックックッ、これはおかしなことになってますね。私が掛けた呪いが、消えているじゃありませんか。どうやって、それを消し去ったのか教えてくれませんか。」

それを聞いた騎士達は国王の前にずらりと並び、行く手を遮ろうとしたが、従者2人に成すすべもなく倒され、騒動を聞き付けた騎士や召喚勇者達も集まり、不審者に戦いを仕掛けるが無様に、相手を傷つけることも出来ずに、従者に倒されるのであった。

何事も無かったように貴族の格好をした招かれざる客はハーバルト国王の首を掴み言う。

「誰がお前の呪いを解いたのか、教えてもらおうか、簡単には解けぬ呪いだぞ。」

ー ー ー ー ー ー ー

「分かったローラ今直ぐ向かうぞ。」

グレートデーモンと聞き、俺のステータス制御を8番目に切り替え、本当の力の6割にしておく。

「ローラ、時空魔法の転移を使ってハーバルト国王の前に出るぞ。」

「はい、お願いします。」

そう言って俺に抱き付くとヴァルキリー騎士団の3人も俺に私達も行きますと俺に抱き付くのだった。

「分かった。向こうへ行けば直ぐに戦闘になるからお前達にバフを掛けておく。グレートデーモンは俺が相手するからローラ達はレッサーデーモンの相手をしておいてくれ。」そう言ってバフを掛けてあげるのであった。

そのまま、転移の魔法を使ってハーバルト国王の前に出ると、首を掴まれて宙吊りになっているハーバルト国王が、口からアブクを出していた。

神眼の神光を放ち、ハーバルト国王を掴んでる貴族にデバフを放つと弾かれてしまう。

ハーバルト国王を掴む貴族の右手を掴み、握り潰しながら、時空魔法のBOMの透過を10個程貴族の右手に流し込む。

ハーバルト国王を離したので、貴族の顔をぶん殴りながら新たにBOMを頭に10個流し込むのであった。貴族は物凄い勢いで壁まで吹っ飛び”ドオドオオオーン“という音と共に壁に穴を開けて消えてしまうのだった。

ローラ達は従者に、化けているレッサーデーモンの相手をする為に走っていく。

そのレッサーデーモンが化けた従者に神眼の変身解除の神光放つとレッサーデーモンは姿を顕にする。

周囲を見渡すと、貴族や騎士、召喚勇者達ほぼ全ての人が倒れ2匹のレッサーデーモンの一匹をヴァルキリー騎士団の3人が相手をしており、もう一匹はローラが攻撃をしている。

そのレッサーデーモンの尻尾の先には召喚勇者の藤波マナミの胸に刺さり、グッタリして宙に浮いていた。

それを見た俺は頭の中の何かが”プツン“と切れる音がした。瞬歩を使いそのレッサーデーモンの尻尾を掴み藤波マナミの胸から引きずりだして、直ぐに藤波マナミちゃんにヒールを掛けるのだった。

傷が消えていくのを確認して、未だ生きているのを確認してホッとする。死んでいるとヒールは効かないからだ。

レッサーデーモンが怒りながら俺を殴ろうとするので時空魔法のBOMをレッサーデーモンの胸に打つと反対側に”ドボオオン“という音を出しながらレッサーデーモンの背中側に突き抜けてレッサーデーモンの背中に穴が空き、黒い霧のように飛散してしまったのだった。

そのレッサーデーモンはそのまま”ドサリ“と倒れ、

それを見たヴァルキリー騎士団の3人と戦っているレッサーデーモンは逃げの態勢に入り、窓から出て行こうとするので、瞬歩を使いその前に出る。

驚いているレッサーデーモンの胸にBOMを打ち込むと同じ様に穴が空き、倒れるのであった。

直ぐ様神聖魔法のキュアヒールを放つと範囲魔法の為、皆の怪我が治っていくのであった。

その時、壁の穴から貴族格好をしたグレートデーモンが「ガッハハハハ、こんな強者がいたとは嬉しい誤算だったな。」

笑いながら出てきたので、神眼の中の神光を当て相手のスキル封印と変身解除を行うとスキル封印は弾かれたが、変身解除は聞いたらしく、貴族の格好をしたグレートデーモンが本性を表す。

全身金属質の皮膚に覆われ、潰した右手は回復していた。両手から1.5m程の剣が伸びている。

ルシガーの剣を出して構えると、グレートデーモンの方から俺に、斬り掛かってきた。

物凄く速い剣さばきだが、俺も神速剣で対応する。

”ガッキーン、ガッカッガツキーン、ギンギンキン“

他の人にはこの速さに付いて行けず、目で追うことも出来ない戦いが続くと、グレートデーモンは、尻尾を使って攻撃を仕掛けて来た。

劣勢になりかけたときに、右手に仕掛けた透過BOMを爆発させる。”ドオオーン“爆発と共にグレートデーモンの右手が吹っ飛んで行き、直ぐ様グレートデーモンは、後ろに飛び退き距離を取る。

左手を上げて力を込めると手のひらに黒い渦ができる。「クックックッ、我が暗黒魔法、暗黒激炎爆砕砲でこの王都諸共ふっ飛ばしてやろう。クックックッ、フハッハッハッハ。」

と高笑いしているので魔法倉庫を吸収にして出すと、暗黒激炎爆砕砲が吸い込まれる様に魔法倉庫に入って行くのであった。

「なっなっ何が、起こっている。」狼狽えるグレートデーモンに、頭の中に先程打った透過BOMを発動させる。

”ドオオーン“と頭が吹っ飛んだが、悪魔は自身が持つ魔核を壊さない限り復活するのである。

レッサーデーモンは胸に1つ魔核を持っていたのでそこを破壊したが、グレートデーモンは5つの魔核を持っていた。

1つは頭、後の4つは胸にあるため、例え頭が無くとも他の魔核で復活する為、それを破壊すべくグレートデーモンの胸に手を当てBOMを放ち残りの魔核を粉砕する。

ふぅ〜、周りを見回しながら終わったか、確認していると、俺の肩に乗っていた妖精王のピカリが”ガタガタ”震えて言う。

「いや〜、お師匠様、お強いんですね。私も加勢しょうと思っていたんですがお呼びで無かったようですね。アハハハハッ」

と明らかに態度が卑屈になっている妖精王のピカリであった。






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