第17話ローラの取って来た仕事と大地の牙からの頼みが同じだった。ゴーストダンジョンから妖精王を助けてほしいとの事

ローラにチンポを見られたことで言葉を失って、何を言って良いのか分からない。すると、ローラが

「ヒロトを湯船から助けたのは、村長の家の温泉管理人で男の人だから•••私は、生活魔法の洗浄で血を落としただけだから、管理者の人が言うには人並な物を持っているそうだから安心していいわよ。」と顔を真っ赤にしながら言う。

多分フォローをしたいんだと思うが、完全に見てるやん、何故に脱衣所で毛布の上で真っ裸だったんだよ。と思っていると追加でローラが言う。

「私は、ただ怪我が無いか心配して見ただけだから安心して良いわよ。」後ろを向きながら顔を真っ赤にしてシドロモドロで言う。男慣れしていない初心な人だと思う。

(やっぱり見られたー。何を安心するんだ。ローラ自爆しているぞー、それ以上頼む言うな)と思いながら側に置いてあった服を着る。

そこは、村長の家の隣の村長が経営している温泉旅館だった為、脱衣所をノックして村長さんがやって来た。

「温泉の湯船が、血だらけなんですが何かあったのでしょうか。又魔物でも出たのでしょうか?」

一応村長には、何があったのか詳細に説明をすると、側で聞いていたローラが

「な〜に〜、丸裸の女の子を見て興奮して鼻血が噴火したですって〜。それで鼻血を出しすぎて気を失って湯船で溺死そうな目にあったと言うの、馬鹿じゃないの〜。」怒って俺を睨む。

ローラに何も言えずに俺が顔を真っ赤になって、反論ができない。

村長が「そうですか、うちの娘が原因ですか。大変申し訳無い、この温泉地の英雄さんに失礼をしました。後で叱っておきます。そのお詫びに食事は無料で、この地域の特産品と、お酒を食べ放題、飲み放題とさせて頂きます。」

やった〜、得したと思っていると、ローラが、村長を睨んで言う。

「まったく、この後もガバナ獣王国からの依頼とタイガー城下街からの依頼が立て込んでいるのに、」

その発言で、ハーバルト国から援軍に来ている勇者とお姫様が来ている事を思い出し、自らも見たあの巨大なゴーレムも思い出した。どうやらローラの事を知ったらしく丁寧に礼儀正しく言う。

「お食事の準備を私の家に用意させて頂きましたので、宜しければお越し下さい。」

村長の家でローラと、豪華な食事とお酒を飲み食いし、顔を真っ赤にしながら、失くなった血液を補充するべく、2人して晩御飯を食べているとガルー村長がその娘の大地の牙のリーダーキャンを連れて、恐る恐る部屋へと入って来た。

どうやら娘からも詳細を確認したらしく、相手がタイガー城下街を救った英雄、貴族の王女様の婚約者に、娘が無礼を働いたと思っていて、娘を助ける為にも何とか穏便に済ませる様、謝りに来たようだ。

「王女様、私の娘が旦那様にご無礼を働いた様で申し訳ありません。お許し下さい。」そう言って土下座をして、震えながら不敬罪で処刑されない様、頭を床に擦り付けていて言う。

慌てたローラが全不定する。

「違うわよ、旦那様とかじゃ無いんだからね。単なる冒険者パーティーの仲間なだけだから。

今回の事はヒロトにも責任がある為、問題にするつもりはありません。」

村長達はホッとすると意を決して、キャンが俺を見て言う。

「さっきはお風呂場ではすまなかった。内等の、パーティーに是非とも入って欲しかったんだ。

それというのも、是非とも攻略したいダンジョンがある。そこには妖精王が住んでいたんだが魔族がゴーストの集団を連れ込み、今ではゴーストダンジョンと呼ばれている。

ゴースト共は剣や拳がすり抜ける為余り効かず、魔法が有効とされているんだ。獣人は魔法が得意ではないのだ。そんな時、ヒロトが魔法を使えるときた。

しかも、ゴーストが1番嫌がる白魔法を使えるときた。何とかゴースト共を倒して妖精王を救いたいんだ。

逆に魔族共は何故だか獣人には弱いらしくて、内等との戦いを避けているんだ。その為に内等が苦手なゴースト共をダンジョンに配置しているようなんだ。お願いだ頼む、協力して欲しい。」

ローラが「その話を詳しく聞かせて、実はタイガー城下街のタイガー城主から、急ぎの依頼をお願いされているの。

妖精王が住んでいたハッピーダンジョンに、魔物が押し寄せて乗っ取られてゴーストダンジョンとなっているとか。妖精王を意のままに操り、魔族の魔力を強め強制的に魔力供給をさせているらしい為に、獣人国が苦戦しているそうよ。

妖精王を助けて欲しい、開放して欲しいと言われているの。」

その影響は、絶大で魔族が2、3倍魔力を増して魔法を放って、獣王国が苦戦している様なので至急魔族達の力を削ぐために妖精王を助けなければならないそうで、ローラは神託でも早く妖精王を救えと言われたらしい。

「それなら、大地の牙のパーティーも同行します。アタイ等にゴースト以外の魔物を任せて下さい。道案内も出来ますし、内部の話も聞いて知ってますので同行を許可してください。」

「分かりました。許可します。私の冒険者パーティーのヴァルキリー騎士団メンバーもここに向っているので合流したら直ぐに向かいましょう。今夜にも合流出来そうなので、明日朝出発します。」

と俺の意思を無視して話をトントン秒しに進めるローラ達だった。まぁ、今の俺は喋れる程立ち直って無かったからお任せである。

それを察したローラが続けて言う。

「獣人のガバナ王国の魔族共の集団は現在停戦中で、ガバナ王都への直ぐの戦闘は無いみたいだから一月程待って欲しいそうよ。その間に獣人国が兵力を整え戦闘準備を済ませ、その後コチラから攻めに転じると言われているから、今が妖精王を救うチャンスなの。

そこでヒロトの命の危機に合うから、私も同行するように神託が合ったの。」

行き成りのローラの命の危機宣言に唖然としてしまう。「俺、又死ぬの?」

「大丈夫よ、私が付いているから」

大地の牙のリーダーのキャンが言う。

「魔族のハッピーという背中に羽の生えた魔族が、中心となってゴーストを連れて来て、最深部が12階のダンジョンの入口側の浅い階層に獣人が入れない様にゴーストの魔物を配置しているそうよ。

其処だけでも、王女様達の冒険者パーティーがゴースト共を倒してくれたら、後は内等の“大地の牙”が

後は活躍出来ると思います。」

そう話が決まり、食事をしていると丁度ヴァルキリーの騎士団の3人が合流し、一緒に晩御飯を食べるのだった。

ローラがヴァルキリー騎士団の3人に話の大まかな事の流れを話して、明日朝にダンジョン攻略に向かうことを言う。

「ヒロト殿、顔色が真っ白で良くないのですが、大丈夫ですか?」とヴァルキリー騎士団のケリー団長が心配顔で覗いて来る。

ローラが“シッシッ”と指を鼻の前に出しながら頭を横に振りそれ以上聞かないように促すのであった。

「大丈夫です。チョットしたアクシデントが合ったけど、明日には戻ると思います。」と言ったが鼻血を出し過ぎた為に、まだ頭がフラフラしてる。

食事の後は早めに寝させてもらう為に、自分の部屋のベットに行き、倒れる様に寝るのだった。

疲れもあり直ぐに眠りに入ったが、夜中にベット内でモソモソと動き、何やら話し声がする。

「もっと、奥に行ってよ。落ちるじゃない。」

「こっちは壁いっぱいなんだから、これ以上動けないわよ。」

「アタシが入れないじゃない、リーダー変わってよ。」

何だろうと夢ウツツで思っていると部屋のドアが“ガチャ”と開きローラの声がする。

「あんた達、何を考えているの。ヒロトが鼻血を多量に出して、気を失い湯船で溺れて死にそうだった事を忘れたの?。その原因は貴方達なのよ、直ぐに

ここから出て行きなさい。

今は早くヒロトに回復してもらわないといけないのよ、分かった!」怒って言う。

大地の牙の3人が言う。

「「「でも、聞いた所、ローラ姫様の単なるパーティーとの事。ならばフリーのヒロトは早い者勝ちと言うものでしょ。アタイ達獣人は、強い人が好き強い人の子を生みたいの」」」

「今のヒロトには少しの鼻血でも命に関わるのよ。直ぐに出て行きなさい!。妖精王を救いたくないの!ゴーストダンジョンを攻略したいんでしょ!」

その声にビックリして起き上がると、大地の牙の3人が丸裸で俺のベットに入り、身体をくっつけているのを見た俺は鼻から血が滴り落ちるのであった。

「なっなっ何、どうなっているの?。」鼻血を手で抑えながら言う。

「「「ローラ姫様の恋人じゃ無いなら、ヒロトは早い者勝ちだから、今から唾つけておこうと思って」」」

「今直ぐに出て行きなさい。明日のダンジョン攻略に支障が出て来ない内に!、早くしなさい!」

とローラがビシッと言う。

3人は服を取りスタコラサッサと俺の部屋から出て行くのであった。

「もう、安心だからヒロトも早く寝なさい。」そう言ってローラは部屋から出ていく。

何がなんだか分からずに俺1人部屋にポツンと取り残されるのであった。

鼻血を止めるべく押さえながら「興奮して眠れんわ。どうしてくれんだ。責任取ってくれ。」とつい喚き散らすのであった。

なかなか寝付けずに空が明るくなり始めた頃やっと眠りに入る。

そこへ、元気よく大地の牙の3人と、ローラとヴァルキリー騎士団の3人が元気よく部屋に入ってきて

「お早うヒロト、起きているか朝ご飯の準備が出来ているぞ。早く来て食え。」とキャンが言う。

「お早うヒロト、具合はどう」とローラが顔を覗く

フラフラで目を擦りながら、“ボー”としていると、元気いっぱいのキャン達が俺の両腕に抱き着いて食堂まで連れて行く。

何とか和気あいあいと朝ご飯を済ませ、持って行く物が用意されているので皆で分配して持つ事になった。

「ヒロトは、男で力があるんだから、多めにしたから、これだけ持ってね。」とキャンが言う。

他の人の3倍の荷物が用意されていた。仕方ないのでアイテムボックスに片っ端から入れるとローラ以外、皆ビックリして

「ヒロトは収納スキル持ちなんだ。すげ~何でも入って、制限なく入る。やはりヒロトは大地の牙に欲しい人材だ。」

ドヤ顔でローラが自慢するかの様に言う。

「巨大なサイクロプスや邪竜も軽く入るアイテムボックスを持っているんだから、ヒロトは私達冒険者パーティー“邪竜ドラゴンスレイヤーズヒロト”のパーティーリーダー何だから。」

行き成り言われてビックリする。そういえばローラとヴァルキリー騎士団の3人がパーティー申請をしていた事を思い出す。

そんな恥ずかしいパーティー名を付けていたなんて、それも俺の名前まで入れていたなんて、しかも俺がリーダー?、不味いだろ普通は位の高い人ローラがリーダーになるべきだろ。

これじゃ異世界でのんびり冒険者をやってられないし、俺の名前すら出せないじゃないか。断固反対する為にローラに言う。

「ローラ!パーティー名から俺の名前を外してくれ、」

「えっえ〜、何でよ、せっかくかっこいい名前を付けたのにいいじゃない。」

「駄目だ!目立ち過ぎて外を歩けんわ!。恥ずかしくて部屋に引きこもって仕舞うわい。」怒っていう。

ローラは渋々了解し、ヴァルキリー騎士団の3人と一緒に獣人国の冒険者ギルドにパーティー名変更を申請する。コソコソ4人は話し合い冒険者ギルドの受付で申請書を出すので覗くと冒険者パーティー名を“巨大ゴーレムマスターヒロト”と付けていたので直ぐに回収し、任せておけないので俺が付けることにした。

ローラ達に見せずに冒険者パーティー名を“神託の巫女の奴隷”と書いて出したら、申請が済み出来たそれを見たローラが怒ったが、本当の事なのでそれで通す事になった。

装備は俺は魔術士の格好で、大地の牙は余りカネがないのか装備は軽装のままである。

ローラ達もヴァルキリー騎士団の格好ではなく、革の鎧、革の靴、革のメット、小盾と剣や槍、弓矢を装備し武器はミスリル製の武器を持っている。

他の人の荷物も俺のアイテムボックスに入れて、村長に頼んで5日分程の食事を人数分用意してもらいアイテムボックスに収納するのだった。

用意も済、ゴーストダンジョンへ向う。村から2時間程進むと意外に早くつく。

そこは、周りをジャングルに囲まれた崖の底にポッカリと空いた穴の中から入るらしい。

入口が自然の崖のようで横5m程度、縦3m程の岩が剥き出しの場所だった。

ヴァルキリーの3人が先頭で次が俺ヒロトで、ローラ、大地の牙3人の順で入っていく。魔法を使う為魔法倉庫を収納から放出にするが、いつの間にか吸収が増えて使える様になっていた。

LVが上がった為だろう。

足場の悪い洞穴を降りて行くと大きな穴から下へと降りる人工の階段があるので、降りて行く。

100m程下ると横2m、縦2m程の横へ伸びる道に出る。そこを通って出たところは天然の洞窟で至る所に横道やデコボコ道で鍾乳洞の様な氷柱が垂れ下がってそれがシャンデリアの様に光り、明るくとても綺麗で魔物が巣食っているとは思えない。皆武器を構えて抜かりはない。

そんな中出てくる魔物もウィプス等の火の玉や取り憑き恐怖を与える幽霊等の冒険者ランクG程度の弱い魔物であるが、獣人の大地の牙3人は武器が効かないので苦戦しているので、俺が白魔法の浄化や白火、白雷を放って魔術士を演出して倒している。

ローラ達にも今回はそういう設定で行く事を言ってあるので、9階まで問題無く進み、運動場程の広さの所に出ると壁にドアがあり、その横には地下10階へと降りる階段がある。

案内役のキャンが説明する。

「次の10階へ行く階段はフロアボスが居るので、ここの、安全地帯で休憩してからフロアボスに挑むのが良いとされている。丁度疲れてきたからここで一泊しよう。」

入口にドアがあり、中はタタミ20畳程の広さがある。そこで各々テントを張り食事の準備でアイテムボックスから食事を出すと、和気あいあいと食事を済ませ、女性陣がモジモジしている。

???どうしたんだろうと思っていると、

「ヒロト、トイレに行きたいからチョット外に出てもらえる。」

「えっ、いや勝手にトイレに行けばいいじゃん」

「「「「「「デリカシイが無いわね。女の子がトイレに行きたいと言ってるの!少しは遠慮して出てくれない。外には、魔物も居るんだから配慮もしなさいよ。分かった」」」」」」と女性陣全員の意見で外に出されるのであった。

女性は、3人寄れば姦しい(かしましい)と言うが、6人固まってるから抵抗しない様にする。

「終わったら呼ぶから、入って来たらダメよ」

そう言われてドアから出されるのであった。

仕方なくアイテムボックスの整理でもするかと見ると、時空神ナターシャ様と合った時に別の異世界を救った勇者の幽霊ゲンゴロウさんからもらった剣の柄だけの、刃の無い剣が見えたので出す。

確か勇者ゲンゴロウさんは、俺なら使えると言っていた。今なら予想がつく魔力を剣に放出すればいいと分かる。

思いっ切り魔力を剣に放出すると、剣の柄から横10m、縦200mの長さの聖なる光を放つ剣が伸びるのであった。

重さは全く感じず片手でも振れるほどだ。奥にある岩を斬ろうとして振るが切れないし、手応えがない。出来た光の刃の部分を手で触ろうとしたら、スリ抜けて実体がない。

刃の部分で、自分の手を斬ってみるがやはり、手応えがなく切れない。

(???これじゃ魔物はきれないだろ?)

このままでは使い勝手が悪いので魔力制御を使い剣の柄から出る聖なる光の刃を1.5m程にしてその剣の鑑定を神眼を使い見てみると聖剣“勇者ゲンゴロウの剣”と名前があり、(邪なる悪鬼邪悪な魔物を切り捨て消滅させる聖なる剣)と説明書きがでてくる。

その下に名義変更をしますか?と出て来たので名義変更をする。

分かりやすいようにローラを意識して“神託の剣”としたら、名前を入れてください。と出て来たので迷ってから“神託のヒロトの剣”と書き変えると剣が一段と輝きを増したのであった。

聖なる光を“ぼ〜”と見ていると、その広場の地面が至るところから“ボコボコ”と盛り上がり魔物のスケルトン、ゾンビ、ミイラ、グールが出て来て、30mの天井からはゴースト、シャドウ、レイス、リッチが出てくる。

どうやら、各魔物にはボスが居るようだ。例えばスケルトンにはスケルトンジェネラル等の各魔物のボスが指揮しているらしい。その数約5000程の魔物の群れである。

冒険者をここで倒す為のトラップが仕掛けられていた可能性がある。

聖剣“神託ヒロトの剣”で、試し斬りしようと、魔力制御を上げて幅10m,横200m程の長さの剣にして、刃の部分では無く魔物を一瞬で倒したい為、剣の腹の方を使い、横に振ると行き成り、地面にいる魔物達が全部消滅し、後は空中にいる魔物だけとなり、ハエ叩きの様に空の魔物に5回程振ると全ての魔物が消えるのであった。

後には魔石がパラパラと落ちて来た。

この剣は使えるので魔力を消して剣の刃を消してから何時でも使える様に懐に仕舞うのであった。

魔物達の魔石を回収していると、安全地帯の部屋のドアが開き、

「ヒロト、入って良いわよ、何しているのそんな所で」と言うので

「ドアに聞き耳を立てたら誤解されるから、ここで落ちている魔石を拾っていた。」

「ふ〜ん、そうなんだ」と言って戻って行くので後について、戻るのであった。

中に入ると奥の角に囲いがされていたので、そこで皆ようを済ませたのであろう。

翌日朝ご飯を食べ、ドアから出て隣の下へと降りる階段を進んで行く。

10階へ進み魔物が一切出現せず、俺が倒したゴースト達がそうだったのかなと思うのであった。

そのままボス部屋へ行くと中にいたのは、ディラハンという黒いマント黒い鎧を着て、首から取れた頭を左脇で抱える2m程のゴースト共のボスがいた。

右手には巨大な黒い剣を持ち左肩には巨大な黒い盾がある。

それを見た大地の牙3人がアワアワと言いながら、震えて「あり得ない、ここにこんな強い魔物が居るなんて聞いてない。

何でここにディラハンという冒険者ランクCの魔物が居るのよ。」とオドオドして言う。

「大丈夫!皆で協力すれば倒せます。」と、ローラが言うと皆、戦闘態勢を取る。

俺はサポートに徹し、神眼のスキルを使う。味方にはバフ(強化)、敵にはデバフ(弱体)を掛けて、ディラハンのスキルを神眼の封印を使い、封じるのであった。味方が薄っすらと金色に光り、ディラハンには薄い黒い霧が掛かったようになる。

4人と3人に分かれて、左右からディラハンに攻撃を開始する。

先にローラ達が魔法で攻撃を始める。

“ウィンドカッター”、“ロックバレット”、“ウォーターアロー”、“ファイアー”、“ファイアーアロー”、“ファイアーボール”、次々と魔法を放つも左肩の巨大な盾で次々と防がれ、コチラに気を取られていたディラハンに大地の牙のリュウが弓矢を放つと背中に刺さり、好機と見た槍のキャンが伸縮する槍をお腹目掛けて突く、それもディラハンの腹に刺さる。

ディラハンは敵の魔力を視ているのか、それとも左脇に抱えた頭で、攻撃を見ているのか獣人が見えていないのか、大地の牙3人には反応してなく、ローラとヴァルキリー騎士団の方に意識を集中して対応しているので、大地の牙の攻撃は問題無く当たるのであった。

ディラハンも反撃の為に巨大な剣を振り上げるとそこへキャッキが投げナイフを腹めがけて投げる。

普通ならディラハンも鎧を装備しているので刺さらないはずなのだが俺の味方へのバフ、ディラハンのデバフが明らかに効いているようだ。

ディラハンが大地の牙に振り向くと、ヴァルキリー騎士団の3人は、武器が有効と思ったらしく、今度はミーシャが弓矢で左肩に矢を放ち、刺さるとケリーが剣で斬り掛かり、マリーが槍で突くとディラハンが左脇に抱えた頭を下に落とすと止めとばかりにケリーが剣で頭に刺すと“グウオオオオー”と断末魔を上げて消えるのであった。

「イヤッター、あのディラハンに勝ったぞー、見ろあそこに宝箱があるキャッキ宝箱を開けてくれ。」

そう言われてキャッキが宝箱を開けると“付与魔法”の魔本が入っており、魔術士の俺に渡して来る。俺がもらって良いのか、周りを見回して確認しても文句を言う人はいない様なので付与魔法の魔本を開くと“ピカッ”と光り消えて行き、付与魔法の呪文が頭の中へ入ってきた。

確認の為ステータスを見るとスキルに付与魔法が新しく入っていた。

側にはディラハンが持っていた魔剣もあり、それを持ったケリーが“キャッ”と言って魔剣を落としてしまい皆がケリーを見ていると

「この魔剣は持ち手の人の精神破壊と魔力吸収、血液吸収の呪いが掛けられているので危険です。捨てていきましょう。」

そう言うが冒険者ギルドか武器屋に持っていけば、高値で売れるかもしれないので

「高く売れると思うから俺のアイテムボックスに入れておくよ。後で売っ払って皆で山分けしょう」そう言って魔剣を持ち上げると頭の中に黒い禍々しい魔力と手から魔力が吸い取られ、持ち手から地面に血が滴り落ちる。

そのままアイテムボックスに入れ、皆で次の階へと進んで行くのであった。

俺等の、戦いを見ていた者が居ることに誰も気づかなかったのである。

その者は夢魔、悪魔サキュバス。俺等が立ち去った後、俺が血を垂らした地面の血を指で取りナメるのであった。

「この、素晴らしい香り、芳醇で濃厚な魔力の固まり、こんなにも美味しい血を舐めたことがない。こんな物凄い血を持つものは滅多にいない。フッフッフッ、コイツは誰にもやらん、アタシだけのものアタシが全部食べてあげる。」


下の階に下りるとまるで別世界で、天井が100m程の高さになっており、空に太陽が見えるウッソウと生い茂る森であった。

鳥や虫の鳴き声さえしない、し〜んと静かな森の為不気味である。

そこで俺は索敵を使い、MAPを広げて次の下り階段を探そうとしたら森の至る所に魔物のマークが付けられている。

「皆、周囲に魔物がうようよいるぞ、戦闘態勢を取れ。」

「何寝ぼけたことを言ってるんだ、何処にも魔物なんていない」そう言うので仕方無しに、一番近い魔物が潜んでいる木に向けて白魔法の白雷を打つと、

木に化けているカマキリの魔物が倒れるのであった。

それが、戦闘の合図かの様に隠れていた魔物の同化や地面の下に隠れている魔物、隠蔽まで使う魔物がどんどん出てくる。

ただ、冒険者ランクにすると、Fランク程度の弱さの為、ここは大地の牙3人が張り切って倒していき、俺は隠れている魔物の種類と場所を的確に教えるフォローに周り、戦闘は任せるのであった。

そんな時に、空から魔族のハッピーが10匹程飛んでやって来た。

俺は直ぐ様神眼のスキルで味方にバフ、敵の魔族のハッピー達にデバフを掛けて自分のステータス制御を冒険者ランクA程度にしておくのだった。


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