第3話、王城脱出

そして雅也が王女様に対して殴りつけている時にもう一人の親友は良いぞ、その調子だと言いながらも退路の確保や荷物など支度をして万全をしていた。



僕も豊城と同じ様に支度をしている間にも王女様は止めてくださいとお願いをしていたけど雅也は怒りの表情と声で答えを返した。



「良いか!俺は嫌いな人間が二種類いる、その人間は子供を危害を加えてくるやつと親友を馬鹿にする奴らだ!!親友を馬鹿にしたからには覚悟は決まっているだろうなお姫様!!」



そう言いながら暴力をしていると近くにいた騎士がハッとしてから王女様を助けに向かったが雅也は助けに来た騎士たちを次から次へと倒してその実力が本物だということを証明していた。



そうしてまたしても王女様に対して殴りつけようとした時に一緒に転移してきた幼い少女が泣きそうになりながら止めてと言うと雅也は攻撃するのをやめてから王女様に伝えるのだった。



「王女よ、良かったな。この子が止めてくれなかったお前を死ぬまで殴りつけるつもりだったけど。この子に感謝をするのだな、今の俺たちには日本の法律など通用しなくなったから気をつけておけよ。この世界は俺達にとって見れば治外法権と言う場所になるからよ」



それを言い終えると王女様をその場においてこちらに戻ってきて笑顔で悪い、この国の権力者を殴ったと報告すると豊城はまあ、こうなることは何となく理解をしていたから構わないけどと言ってから僕たちはその場から逃げ出し始めた。



そうすると親友の豊城が逃げながら状況など解説を始めた。



「雅也、成富!この王城はかなり大変な構造になっている。普通の脱出となるとかなり大変な上に無理に近いけど成富、相変わらず弓の腕は衰えていないか」


「まあ、弓の腕は衰えないように毎週、弓道をしているから大丈夫なはずだけどどうしてその話を今この時にしたの」


「それは決まっているだろ、その力がないと自分が考えているこの計画ができないからな、だから頼むよ成富!中学時代に高校時代に弓道の全国大会で準優勝をした実力を発揮してくれないと自分達はおしまいだからな」



そんな滅茶苦茶に大切なことを僕にお願いをしてきてほしくは無かったのだけど何で王城脱出に弓の力が必要なのかと気になっていたけど今はそれどころではなくなってきていた。



王城を守っている騎士たちが先程の騒ぎで駆けつけてきて僕たちを追撃してきたのである。



それを見ていると雅也が獲物が多く集まってきたと滅茶苦茶に嬉しそうにしていたけど豊城が退路を確保してからしてくれと呆れた顔をしてその場所に向かていたけどその先に警備をしていた騎士たちが待ち構えていたので僕は途中で手に入れた弓を手に持ち騎士たちの手に狙いを定めた。



上手く行けばよいのだけど思いながら放った弓矢は見事に騎士たちが剣を持っていた持ち手に当たり武器を落とした直後に雅也が好機というばかりに攻撃をして騎士たちを倒してしまった。



やはりこの戦闘民族と呼ばれているだけはあるなと思いながら見ていたら豊城が騎士たちが持っていた武器の剣とその鞘を人数分だけ手に入れてから向かった先は何と外ではなく上に向かっていたのである。



僕はそれを見てどうするつもりなのと豊城に聞いても信じろとしか言われなかった。雅也にもこのままだとヤバくないと言うと雅也はきっと豊城には何か考えがあるから俺は豊城を信じると迷いもなく言った。



確かに親友として間違っていない答えかもしれないけど命が掛かっているから少しばかりは心配をするべきなのではないかと考えていた。



そうして向かった先は王城の見張り台と言うところであるだろうかとても景色は良い場所であったがここから逃げるつもりなのと思うと豊城が弓矢にとても太い縄を縛り付けてからこの太い縄をつけた状態であそこにある岩に突き刺すようにお願いをされた。



いやいや、いくら何でも当てることに関しては問題はないけど突き刺すとなれば無理があると伝えると豊城はそこは雅也が弓矢に魔力を込めたから威力は増しているはずだと言って僕にお願いをされた。



でも成功させないと僕たちの未来はとても暗いものになるからこうなればと思いで僕は弓を引いて狙いを定め始めた。



すると背後からここに居たぞと騎士たちの追撃が来てしまったがここで豊城が雅也!好きなだけ暴れて良いぞと言うと雅也はヒャッハーと言いながら騎士たちに向かって突撃を始めたのである。



これならばしばらくは時間は稼いでくれるはずだと安心をして弓矢に集中させて狙いを定めて弓矢を放った。



放った弓矢は見事に狙い目の場所に向かいそして大きな岩を貫通まではいかなかったけど食い込んだ。



それを見て豊城は良し!と言ってから縄が解けないようにしっかりと城に食い込ませて綱があの大きな岩まで繋がった。



そして豊城がここからロープウェーみたいに剣を鞘に入れてからそこから降りると言ってなるほどそれは良い作戦だと言ってからまずは僕から向かう事になった。



作ったロープウェーからもの凄い勢いで掛け下りそうして大丈夫な高さになったらうまく着地をして何とか王城から逃げ出す事に成功した。次に戦って足止めをしていた雅也がそれをしてこちらまで逃げてきた。



後は豊城が僕たちみたいにしてここまでくれば問題はないと思われていたけど騎士達の追撃が予想よりも激しいものになっているらしく中々にそのチャンスがないのかと思っていたら豊城が遂にこちらに向かって降りてきたが何と騎士達が城側のロープを切って豊城は落下を始めた。



僕たちは大変だと思いですぐに向かおうとしたら豊城は風魔法を発動して地面とは真逆に空高く飛んでから大声でそちらのロープも切ってほしいとお願いされたので持ってきた剣ですぐに切り離した。



そうしたらそのロープをムチ代わりにするつもりらしく前の方にある森の中で合流しようと言う事になりそちらに向かって豊城は風魔法を唱えて途中で巨木の枝にロープを巻きつけて移動をしていた。



そんな人間離れの技を見せられて僕はとんでもない人達を親友にしたなと言うと雅也がいやいや、あの距離から一発で命中させて岩に食い込んだ成富も十分とおかしいからと言われた。



それでも雅也みたいに一人で騎士たちを倒したり豊城みたいにすぐに判断して動いている訳でもないから二人よりは普通の人よりでしょうと答えながら豊城に合流しようと指定した森の中に入り込むのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る