第2話、天性の差
落ち込んで隅っこに座り込んでしまった雅也と豊城を見て姫様は苦笑いをして話を続けた。
それはここ世界にはスキルなどがあり能力も見れるらしくステータスオープンで見れるというのだからかなり便利な世界だなと感じていた。
そして能力は普通の人が10で騎士が30〜50ぐらいで騎士団長が100ぐらいと目安を教えてくれた。
なるほどそれで僕たちに何をしてほしいのかと聴くとそれはこの世界を支配しようとしている魔王を討伐して欲しいというのだ。
十年前までは色んな国が連合軍として魔物たちを討伐していたのでそこまでの被害はなかったが魔王という存在が現れてから魔物たちが統率を取り始めて人間たちは押されて今では天然の要塞と呼ばれている場所まで押し込められたらしい。
世界の4分の1を奪われた人間たちに対抗する手段はなく女神に問いかけてみると救世主は異世界から現れると言うらしくそれで王女様は異世界から僕たちを召喚したという訳だ。
なるほど向こうもそれなりの理由があったのか、どうせ脱線事故で死ぬ運命だったのだ。何か役に立てるなら立ちたいですと言うと周りの者たちも魔王討伐は無理かもしれないけど手伝いぐらいならばと多くの声が上がった。
それを聞きた姫様は泣きながら嬉しそうにしてありがとうございますと答えてから詳しい事を教え始めた。
それぞれのステータスオープンを言ってから見始めたのである。そうして僕のステータスはこんな感じになっていた。
佐々成富 種族、人間 レベル1
力32 魔力42
俊敏33 守備29
スキル
ごみ拾い
何だこれはステータスの方は問題はないけどスキル、ごみ拾いって何?ごみ拾いって心構えをしておけば誰でもできるものじゃないのかな。明らかに外れスキルだよな、これって昔に見ていた追放されてしまう感じだよな。
それはかなり嫌だな、王女様から使えないと言われるのは仕方がないけど親友たちから嫌われてしまうのはとても嫌だからなんとかしたいなと思いながらも対策など見つかるはずもなく唖然としていた。
そうすると王女様が私にも見せてくれますかと聞かれてしまったので僕は覚悟を決めて見せることにした。
そうして見せてみるとやはり王女様はがっかりして落ち込みながらも一人聞こえていないと思っているのか独り言を話し始めた。
「私が召喚した中でこんなに無能がいたなんて国民が知られたらとんでもない事になるわ、最初から騎士として仕えさせて騙す・・・いや、それだといつかはバレてしまうから何なら今のうちに殺すべきかしら」
何かかなり物騒なことを話しているのですけどこの王女様はと思いながら聞いていた。確かに使えないスキルかもしれないけど騎士はともかく殺すのはないだろう。
僕がそう考えていると背後からとてつもない怒りと殺気が溢れてこちらまで伝わって来たのである。
その殺気の出どころは王女様の護衛している騎士たちでも僕たちを召喚したであろう魔法使いたちでもなく僕がよく知っている二人から滲み出ていた。
あまりにも怖くて後ろを振り向けずに前だけを見ていたそうするとまだ大人しい方の徳島豊城が王女現れてステータスを見せたのである。
王女様は気がついているのかそれとも気がついていないのか分からないけど豊城は顔は笑っていても目が笑っていなかった。明らかに敵対心を出している目をしていた。
しかし、その事を忘れてしまうほどに親友の徳島豊城は桁違いの能力をしていたのだった。
徳島豊城 種族、人間 レベル1
力232 魔力513
俊敏109 守備144
スキル
剣聖の極み 魔道士
おいー!レベル1ですよね。全てのステータスが3桁に言ってあるのですけど明らかにおかしいでしょう。
何ですか実は前世は勇者とかしていたのですかと言いたくなるほどのステータスであった。そのステータスを見て王女様はとても喜んでいたけど明らかに親友の豊城は喜んでいないからて言って伝えたかった。
そうして素直に何もせずにしてくれたのでとりあえずは一安心と言いたかったのだけど一番の問題なやつが残っていたことを思い出してしまった。
薩摩雅也はかなり攻撃的だから何かやってしまうかもしれないと内心、これってやばくないですかと思いながらしていると最後に薩摩雅也が呼ばれて向かったけどすでに顔の表情から不満が一杯な顔になっていた。
それを見た俺は最悪な展開を予想してしまったのでひっそりと豊城に相談する事にした。
「なあ、豊城。この状況はあんまり良いとは言えない状況だよな。明らかにあの雅也は大きな事をするような気がするのだけど」
「絶対にやるからすでに魔法でこの王城の内部を魔法などで確認して退路をいくつも見つけてあるから恐らくはそこから逃げる事になるだろうな。成富、これからは真面目に疲れる事になるから覚悟をしておけ」
やっぱりそうなってしまうのと僕はため息をついたけど雅也に振り回されるのは別にこれが初めてではないので仕方がないなと諦めて見守ることにした。
そうしている間にも王女様は今度は雅也のステータスを見せてくれるようにお願いをすると意外にも分かりましたと言って見せてくれたのである。
それで現れたステータスに僕は勿論のこと豊城や他の転移してきた者たち、王女などその場にいる者たちも驚愕するのだった。
薩摩雅也 種族、人間 レベル7
力321 魔力630
俊敏211 守備333
スキル
魔道士の極み 薩摩隼人
テイム 霊感
・・・もう雅也、お前が魔王を倒してこいよ。お前なら普通に倒せるだろう、と言うかすでにこの人だけレベルが7なんですけどおかしく無いですかと僕はそう思ってみていた。
その時に豊城が思い出したように話を始めた。
「そう言えばさ、あいつは霊感があるからもしかして霊を退治した時にレベルアップをしていたとしか説明がつかないけど・・・雅也、お前マジで!?」
そうだよなそれしか説明がつかないよな・・・って、霊感があると言うことは元からいた世界で話していた霊関係の話は本当だったの!!??と驚愕しながら驚いていた。
なら滅茶苦茶にやばい怨霊がいて倒すのに真面目に命懸けだったからなと言っていた話も本当なのと驚いていたけど王女様はとても嬉しそうにしていた。
それはそうだろうこんなに強い人を召喚に成功したのだから普通なら喜んで良いはずなのにこいつの性格を知っている僕たちからはとても残念だな王女様と思うしかなかった。
その時に雅也が王女様に対してそう言えば先程に聞いた話ですけどあそこにいる男性を馬鹿にしましたかと聞いてその視線は僕の方に向いていた。
これってかなりやばい感じがするのですけど大丈夫なのでしょうかと思っていると隣にいる豊城がそろそろスタートだなと諦めたようにため息をついてみていた。
そうだよな、ここから僕の予想では王女様に対して暴言を言いまくるだろうなと諦めて逃げる支度をしていた。
王女様に暴言など絶対に死刑になるやつだからと思っている。だってこの時の雅也は必ずと言っていいほどに厄介事を起こすからと昔からの幼馴染だからこそ理解をしてしまったのだ。
しかし、僕が考えていたやつとはとても掛け離れた事をしてきたのである。それは雅也はこともあろう事かこの国の王女様に手を出し始めたのであった。
それを見ていた僕はあまりにも信じられない攻撃を見て啞然とするしかなかったのである。
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