サイコゲーム~天才達の頭脳戦~

くにちゃん

第1話 戦いの始まり

2018年6月下旬。


「ミオ、1週間で50万も貰えるバイトがあるよ」 


「なにそれ! ケイがするなら私もしようかな!」


離島のリゾートホテルで1週間の住み込みバイトという求人を見つけたケイは、彼女のミオを誘い2人で参加する事になった。


そして1ヶ月後、集合場所に向かうと巨大な船があり名前を確認した後船に乗り込む。



「結構人いるんだね」

「ホテルの客も乗ってるんじゃないか?」


あまりに多い乗客にケイとミオは疑問を感じていると船内放送が流れる


「今回はリゾートホテル "ジュベナイル" の短期バイトに応募していただきありがとうございます。この船は数時間程で富山県近くの離島に着きます」



「ここにいる全員バイトだったのか!」



と船長の説明に驚く二人。金持ちがひっそり訪れる超高級ホテルなのだろうか...そんな事を考えていると離島に着く。


島にはぱっと見80階建てくらいのホテルと広大な庭、噴水や観覧車があるがそれ以外は何もない荒れ地だ。ホテルに入ると自分の部屋のキーを渡され集合時間の10時まで部屋で待機という事になった。


「凄い場所だね! 従業員の部屋でさえこんなに豪華なんだから、ここの宿泊客はとんでもなく金持ちね」


「だからってこんなにバイトが必要なのか? ざっと600人くらいいたぞ?」


「きっと大がかりなパーティーがあるのよ! そろそろ10時だから、広場に行きましょう」


二人はホテルの外に出て広場に向かう。とんでもない数の人がいて、ケイはミオと離れないよう手を繋いでいた




2018年7月下旬。1日目~10時~



支配人「今回は当ホテルのバイトにご応募いただきありがとうございます。皆様600名の仕事は、1週間お客様を楽しませる為のゲームに参加していただく事です」


2人は予想していたバイト内容と違ったので少々不安になる、そして沢山いるバイトの人達からも怒号が飛ぶ。



「まさか殺しあいとかじゃないだろうな!?」



支配人「ええ、アニメやマンガとは違い借金をする事無く無理をしなければケガをする事もありません。7日間毎日ゲームに参加していただき、最終日までクリアできた人達でバイト代は山分けとなります」


「山分けって、バイト代って50万だろ? それなら5人残ったら10万になっちまうじゃないか!」



支配人「50万は50万ですが、日数に比例してバイト代はどんどん増えていきます。2日立てば2倍の100万、3日立てば3倍の300万、4日で1200万、5日で6000万、6日目は休みなので、最後の7日目は6000万に7倍して......4億2千万となります」




ケイ「よ、4億2千万!?」



場がどよめく。もし600人全員がクリアしても1人70万、10人だけなら4200万。怪我をせず大金を手に入れられる、全員が歓喜の声を上げた。



支配人「それでは早速1日目のゲームに参りたいのですが、その前に3人1組のチームを作って下さい。チームの1人でも1週間勝ち残れば、チーム全員がバイト代を受け取れます。制限時間は1時間です」



「誰か俺とチーム組んでくれ!」

「おい! あと1人誰か集まれ!」


支配人が説明を終えると皆が一斉にチームを組み始める



「ケイ、あと1人どうする?」

「チームの誰か1人が生き残れば皆お金が貰えるんだ、とにかく頭の良さそうな奴を探そう」


探しだそうとしたその時、メガネとマスクを着けた女が話しかけてくる



「まだチーム組めて無いのなら、私がなってよろしい?」


「ああ、ミオもそれでいい?」


「ケイがいいならいいよ!」


「ありがとう。私の名前はアユ」


「アユちゃんね、よろしく!」



こうしてケイ達は受付に行きチーム登録をする


受付「チーム登録が完了しました。皆さんのチーム番号は80です。では身体検査に参りますので目の前の体重計にのって下さい」



ガシャ~ン....


保健室にあるような昔ながらの体重計だ



受付「1日目のゲームノルマは2人です。お1人は今日はお休み下さい、参加する2人は広場にある観覧車前に正午にお集まり下さい」




ミオ「全員が参加じゃないのね、じゃあ誰が休む?」


アユ「私は参加してこの先どんなゲームがあるのか様子を見たいわ」


ケイ「俺も参加する、クリアしてミオにかっこいい所見せないとな」


ミオ「わかった。じゃあ2人共頑張ってね!」



1日目~正午~  



(この観覧車、全てドアが壊れていて開きっぱなしになっている)


圭はそんな事を考えていると支配人がやってくる。



支配人「えー今いる200チーム400名の皆様が挑むゲームは《命綱観覧車》です。ルールは簡単、目の前にある高さ120mの観覧車にペアで乗車し、最後まで観覧車に乗り切る事ができればクリアです」




「なんだ簡単すぎじゃねぇか」

「遊んで金貰えんのか!最高だぜ」




支配人「ただし乗る前に地上から110mの命綱を着けさせていただきます」




ケイ「...は? 地上から命綱をはるって事は、120mの観覧車が頂上に行った時、110mの命綱では地面にまっ逆さまだぞ!」




「ケガしないんじゃないのかよ!」

「それじゃ死んじまうじゃねぇか!」


場内から怒号が飛び交う



支配人「いいえ、まだ続きがあります。乗車中にどちらか1人が落下した場合、落下してから5秒後に観覧車内の金庫のロックが解除され、命綱を外せる鍵が手に入ります。それでは10分後チームナンバー1のペアから順番にスタートとなります」




ざわめきが止まらぬまま10分が過ぎ1組目が観覧車に乗り、全員が固唾を飲んで見守る




「....ぉぃ!...............」



観覧車内の会話はよく聞こえないがお互い叫びあっている


乗り込んだゴンドラが半分くらいの高さになり、2人は掴み合いになっている




ゴウ「おら! 落ちろ!!!」


ヨワシ「おい!! やめろー!!」




約70mの高さで、ヨワシが落とされた




ケイ「う...血だらけだ」


アユ「ひどい...」



その後ゴンドラから命綱だけが落ちてきた。恐らくゴウは命綱を外したのだろう。



ケイ「このゲームはヤバすぎる...だけど、攻略は簡単だ!!」

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