ソード・マジック・プロティアン

国芳九十九

第1話 プロティアン

ベッドから這い上がり、カーテンを開け、歯を磨き、置いてあるサンドイッチを食べ、8時になるのを待ち、呼び鈴が鳴ったのを聞き、すぐさま玄関の戸を開けて、速達で頼んだゲーム・マジック・プロティアンを受け取り、戸を閉めて己の部屋に入り、パソコンに入れてインストールする。インストールが終わったのを確認し、VR機器を起動して、装着し、ポリゴンの海に入って行く。そういえば、前作「ソード・マジック・ファントム」は完全に死にゲーだったが、プロティアンでは難しいが、死にゲーほどでは無いらしい。

視界が開けて、眼前に「Susumu Nodati」《野太刀 進》様、前作「ソード・マジック・ファントム」をご購入いただき、大変ありがとうございます。特典として、アクセサリーの「古龍の髭」を贈らせていただきます。それでは、「ソード・マジック・プロティアン」をどうぞお楽しみ下さい。

上記の文章が書かれた画面が消え、次にキャラクリエイト画面が現れた。今回はどの様な容姿にしようかと悩んでいると、?マークが出てきて、押すと、「前作の容姿にしますか?」と出てきた。う~む。どうしたものかな。あの容姿は気に入ってはいるが、似た容姿を幾度と使って来たから、今回は趣向を変えて、全然違う容姿にしても良い…。そうだなぁ、今までは老人やイケ叔父でやって来たから、若いキャラを使うか…。って、メールが…シャンプー舐め太郎か。(進のネット友達)んで内容は、えっと、なになに、「北斎(進がネットで使う名前)お前SMPを始めるって聞いたから、どうせキャラクリに悩むと思って、パラメーターを送ってやったZE!」と一緒に、下記にパラメーターが書き込まれていた。

書かれたとおりにすると、黒色で長めの髪をうなじの所で纏めて、緑の瞳で、髭は無く、174センチで細マッチョの青年であった。これで良いか。あとは、素性と服装か。

職業は「下級騎士・戦士・剣士・格闘家・狩人・放浪者・旅人・魔道士・聖職者・傭兵・冒険者・盗賊・山賊・海賊・船乗り・呪術師・軍人・学者・賞金稼ぎ」か。放浪者にするか。

生まれは「特筆無し・没落貴族・生まれるべきでなかった・末裔・生き残り・奴隷・孤児院」だったら…。生まれはステータスが少し変わるの、生き残りはSTR(筋力)とCON(体力)とPDW(精神力)が高いのか。じゃあ末裔で良いや。

最後が武器か。フリントノックピストル(弾丸では無くMPを込めて撃つ)があるのか。であれば、左手にフリントノック。右手はファルシオンで決定。

服装は薄汚れたローブで下は軽装鎧で決定!

そして、名前は…どうするかな~。良し! ファントムと同じ名前の、アーランポーで決定だ。眼前に本当に決定しますか? と出てきたが、決定する。すると、視界が光に包まれ、気が付くと、馬車に乗っていた。これが始まりなのだろう。そういえば、SMPは前作同様、一応この世界を探求するストーリーらしい。場所の行きつく先はどの様なのかと考えていると、馬車が突然止まった。御者の方を見ると、道の奥に3匹のモンスターが立って居る。画面にこれはチュートリアルです。馬車から降りて、チュートリアルを終了させて下さい。と出てきた為、馬車を降り、モンスターの前に立つ。

体の左側に差したファルシオンを右手で抜き、体の右側に差したフリントノックを左手で抜き、チュートリアルを見る。攻撃の仕方は自由です。出てきた狼型モンスターを攻撃してみましょう。と云われ、3回攻撃し、倒すと、次にスキル「渾身の一撃」を使いましょうと出てきた。ファルシオンのスキルを使うと、狼型モンスターは倒れた。最後に攻撃をつなげて、コンボを行いましょう。と出てきた。フリントノックでダウンさせ、ファルシオンで通常攻撃、攻撃スキルで倒すと、チュートリアルが終了した。

御者「ありがとうございます。ささやかにしかならないのですが、代金を返金致します」

そう云われて渡された金額は、50G(Gはゴールド。プロティアンの金銭)

御者「あれ? 馬が動かない…。う~ご~け!」

すると、またもや眼前に文章が現れた。「これから、自由に移動が可能です」と。という事は、来た方向に行っても良いってことか。

そうして、森に塞がれた道を進んで行き、森を出た先には砂漠が広がっていた。森の道では太陽は木漏れ日であったが、突き刺すような強い刺激を持った日差しだ。とりあえずでそのまま進んでいると、右から、砂で溺れた甲冑のモンスターが起き上がった。

武器を抜き、フリントノックを構えて撃つ。だが、HPは全く減っていない。ファルシオンを構えて走り、スライディングして左足を斬り、体制を崩させて、首を渾身の一撃を使って攻撃する。HPが半分減った。恐らくクリティカルでここまでのダメージが出たのだろう。そして、ファルシオンを天高く振り上げ、全力にて生じる重い一撃で、首が落ちた。倒したと同時にレベル2からレベル4となった。

う~む。倒せたのは良いが、スタミナの消費が激しいな…。そういえば、ステータスポイントは1レベル毎にどれだけ割り振れるのだろうか。えーっと、ん? 8ポイント? さすがに多いから最初から幾つか持っていたのだろうか。とりあえず進むか。

道を進みながら、現われるモンスター倒して進んだ。何度か瀕死になったが、倒すことでドロップするアイテムを使って生き延びた。レベルを確認すると、早くもレベル12になっていた。ステータスが、「STR(筋力)・CON(体力)・POW(精神力)・DEX(俊敏性)・INT(知性)・EDU(教育)」で、ステータスで変動するのが「SAN(正気度)・幸運・耐久力(HP)・スタミナ・MP(マジックポイント)」今あるポイントが、24か。今の数値が、「STR13・CON12・POW12・DEX11・INT9・EDU8・SAN60・幸運60・耐久力110・スタミナ69・MP42」だから、STR19で、CON18にして、DEXを20、INTを12で決定。振り終わると、突然声を掛けられた。声の方向を見ると、3人のプレイヤーが居た。名前が…あれはプレイヤーキルの象徴。ファントムでもそうだった。名前が赤いプレイヤーをプレイヤーキラーと云う。

俺「俺は良い物は持っていないぞ!」

3人の名前は「ピーマン」と「金平糖」と「メロス」

ピーマン「あぁ、プレイヤーキルのマークを勘違いしたのかな? これは話すと長くなるのだけれど、色々とあって、プレイヤーキラーになってしまってね」

武器を抜いて云った。「私はファントムガチ勢だ。騙せると思ったか?」

ピーマン「う~ん。確かに本当にガチ勢ならプレイヤースキルでやれるかもしれないけど、嘘はつくものじゃないよ」

と云って、メロスが刺剣を俺の顔に何度も穿とうとしたが、軽々と避け、フリントノックの引き金に剣を入れて、渾身の一撃と新たに取得したスキル「3連撃」で首を何度も攻撃し、倒した。

ピーマン「その動きからして、確かにガチ勢の様だね」

すると、二人同時に襲ってきた。ピーマンは日本刀で、金平糖は大剣。金平糖が大剣で薙ぎ払い、それを避けると、ピーマンが居合で攻撃してきた。これを受けると死にかねない。刃が出て来る寸前に、

ファルシオンでパリィする! パリィすると、「キィィィィン!!」音が鳴った。パリィは成功したが、ファルシオンが壊れてしまった。まずい。いや、確かバッグに武器があったはずだ、そう思い、バッグから武器を複数取り出す。長めのナイフと鉈と二本の矢。鉈が入った鞘の紐と、ナイフを咥えて、矢を握る。

金平糖が大剣で叩き切ろうとしたのを避け、大剣に乗っかり、矢を首に渾身の一撃で突き刺すと同時に、フリントノックでも突き、MPの弾丸が首を穿つ! フリントノックをピーマンに向けて撃つが、弾が出ない。耐久値を見ると、0になり、壊れていた。フリントノックを捨て、大剣を持ちながら肩で担ぎ、左手でナイフを握る。走り、遠心力を利用して大剣の一撃を叩きこみ、ナイフでピーマンの右足を斬りつける! そして、大剣で左腕を最後の渾身の一撃で切り落とす! すると、ピーマンは魔法を放った。放たれた魔法を大剣で防御すると、大剣が壊れた。もう壊れるとは。鉈を抜いて、握りしめる。鞘を吐き捨て、突撃した。

ファントムでは、とある戦法が存在した。それは、利き手では無い手で、武器の突き刺す攻撃をわざと貫通させて、武器を使わせなくする技術。俺はピーマンの放った突きの攻撃を左手に貫通させ、刀を力いっぱいで握り、鉈で左の鎖骨部分に全力の重い一撃を、嵐が落とす雷の如く、鎖骨から腹まで切った!

ピーマンは最期に云った。「狂人が…」と。

俺「ファントムでの対人では普通だ」

ピーマンの肉体が消えると、レベル20に上がったと同時に、大量のアイテムを入手した。入手したアイテムにある回復で全回復して、服を変えて武器を装備した。武器はピーマンが持っていた刀とナイフ。服装は、頭は禍々しく、漆黒の西洋の鎧の兜で、胴体は方が複数の結晶に覆われて、マントにも少し結晶があるマントと龍の鱗で作られた軽装鎧で、煤けた革製の長靴に着替えて、ポイントを割り振り、道を進んだ。


第1話 終


一口解説

最終ステータス。

STR22・CON25・POW12・DEX22・INT16・EDU8・SAN60・幸運60・耐久力235・スタミナ141・MP42

ステータス計算方法「SAN」と「幸運」はPOW×5・「耐久力」はSTRとCONを足して×5・「スタミナ」はCONとDEXを足して×・「MP」はPOWとINTを足して×2

一口解説の二口目

主人公「野太刀 進」は「ソード・マジック・シリーズ」をこよなく愛する高校生。部屋は両親が経営している喫茶店の2階。家は喫茶店に隣接している。両親とはあまり話さない。両親は喫茶店と工房を営んでいる。反射神経や動体視力などに優れている。ファントムでは、1位2位を争うほどのボスに困ったプレイヤーを何千人と救った為、制作会社から名前を覚えられ、プレイヤー達にも覚えられ、会社から感謝状の様な物を貰った。集中すると、話し言葉では一人称が「私」になる。

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ソード・マジック・プロティアン 国芳九十九 @Kabotya1219

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