チワワとトイプー。
猫野 尻尾
第1話:新人刑事。
お試しな投稿です。(=^x^=)
期待の新人刑事・・・と言えば聞こえがいいが、ある事件を担当して、そのヘタレでビビりぶりが同僚の刑事に発覚して、万太郎は名前で呼んでもらえなくなって
「チワワ」ってあだ名をつけられた。
一方、城新駐在所に勤務していた婦警「
史奈は刑事になりたくて、試験を受けて合格したのだ。
つまり望み通り晴れて刑事に昇格した。
某日某月の早朝、風香は城新署の表玄関の前に立っていた。
「今日から私、刑事だよ・・・わくわくしちゃわない風香」
風香が感慨にふけっていたら、いきなり右後ろから誰かに体当たりされた。
前に倒れたが、怪我はなかった。
いきなりだったからムッとした。
「いった〜」
「ぼ〜っと突っ立ってんじゃないよ」
「そっちこそ、いきなり」
体当たりして来たのは、捜査一課の「
「あのな・・・」
そこまで言って万太郎は固まった。
目の前にいた女子があまりに自分のタイプだったからだ。
それでも万太郎は意地を張った。
どうでもいいへんなプライドを保つために。
「玄関の前でぼ〜っと立つなよ、邪魔なんだよ」
(うしろから人にオカマしといてなによ、こいつ)
「ごめんなさい」
「お怪我はありませんした?」
「怪我なんて、ペッて唾でもつけときゃ治るよ」
「それより君、警察になにか用?」
「私、今日から城新署、捜査一課に配属になった「
「配属?」
「あ、新人刑事がやって来るって・・・君のことだったんだ」
「なんだ、女か?」
(わ〜いきなりの差別発言・・・デリカシーのない人)
「戸井 風香?・・・って言った?」
(とい・・・ふう・・・か)
(とい、ふ〜・・・トイプードル?・・・似てるなトイプーに・・・)
それが万太郎と風香の出会いだった。
風香はそこが捜査一課の部屋だと確かめてドアをノックした。
「おはようございます・・・本日付で捜査一課に配属になりました「
「なんだ、新人ってなあ、女か?」
(どこの会社でも男はえらそう〜)
「頑張りますのでよろしくお願いします・・・あの?」
「俺は横田だ・・・
「他のやつらは、どうでもいいからな・・・」
「善さん、そりゃないでしょ」
「戸井さん?・・・俺「
あとひとり、なにも言わず史華を見ていたのは刑事部長の「
「みなさん、よろしくお願いします」
そして課長室にいる捜査一課課長「
風香は配属そうそうに、課長室に呼ばれた。
課長室に行く途中「案外、可愛いな」って声が後ろから聞こえてきた。
彼女は無視した。
初日からなにを言われるのかと風香は恐る恐る課長室のドアを開けた。
「お呼びでしょうか?」
「あ、入れ・・・課長の「
「「
すると課長はいきなり、ドアを開けて怒鳴った。
「お〜いチワワ・・・ちょっと来い」
(チワワ?・・・え?わんちゃんがいるの?この捜査一課?)
「やつはトイレです」
「そうか、出てきたら俺の部屋に来るように言ってくれ」
なにも知らない万太郎、愚痴をこぼしながらトイレから出てきた。
「朝から女には激突するわ、腹の調子は悪いわ・・・くそったれ」
「あ、チワワ・・・課長が呼んでたぞ、おまえまたドジ踏んだな」
「最近はドジ踏んでませんよ・・・どうせ別の小言でししょ?」
万太郎はしぶしぶ課長室へ行ってドアを開けた。
で、先に部屋にいた風香を見た。
「あ、今朝の女・・・トイ・・・」
「あ〜あなたは?」
「おまえら知り合いか?」
課長が言った。
「いやいや知らない女ですよ」
「私もです、こんなどこの馬の骨かも分からない人知り合いでもなんでも
ありません」
「馬の骨はないだろ・・・このトイプーが!!」
「トイプー?」
「トイプーってなんですか?」
「おまえら気が合いそうだな・・・」
「どこがですか!!」
ハモっていた。
「今日からおまえら組め・・・ひとりでの捜査は禁止だからな」
「ふたりで協力して事件を担当すること・・・いいな」
「え?トイプーと組むんですか?」
「この人と一緒にですか?」
「課長命令によって、おまえらに拒否権はない」
「それと喧嘩するなら部屋の外でやれ・・・以上だ・・・行け!!」
万太郎と風香は顔を見合わせて、同時にため息をついた。
つづく。
チワワとトイプー。 猫野 尻尾 @amanotenshi
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