THE LONGEST TIME IN TOKYO
豪徳寺修也
ストーリー
大学
大学進学のために鹿児島から上京してきた上田はいまいち学校に馴染めず、部屋に籠ってFPSばかりプレイする毎日を送っていた。そんな彼の元に地元の後輩から電話があり、その後輩の女友達エリカが東京を観光する間の下宿先を探しているという話を聞かされる。ワンルームのため渋る上田だったが、家賃を半分払うという条件で引き受けることになる。上田の部屋にキャリーケースを引いてやってきたエリカ。狭いワンルームに若い男女が二人。上田は嫌でも意識してしまい、自分の部屋なのに寄り付かず夜の街を徘徊する。そんな上田の心情を知ってか知らずか、エリカは東京を案内してほしいとねだる。またしても渋々引き受ける上田だったが、彼女との東京観光は思いがけず盛り上がり、ギクシャクしていた二人の仲も改善されてく。ある日、エリカは上田へのお礼としてボクサーパンツを送り、帰郷する。しかしそのボクサーパンツは上田の好きなデザインではなく、タンスの奥底に仕舞われてしまうのだった。
社会
上田は大学を卒業してIT企業に就職するが、相変わらず孤独な日々を送っていた。そんな折、彼は身内の不幸を電話で聞かされ鹿児島に帰ることになる。お通夜や葬式は早々に終わり、上田は高校卒業以来の地元を散策していると、コンビニでバイトをしているエリカと再会する。エリカは上田との再会を喜ぶが、どこか浮かない表情。数日間地元で過ごすうちに、上田はエリカが彼氏のことや、家のことで追い詰められているのを知る。有給を使い切り、上田は東京へ戻ることになる。空港で上田はエリカも連れて行こうと思い立ち、半ば強引に彼女と飛行機に乗る。
東京
大学のころと違い、上田はエリカのためにビジネスホテルを一部屋とる。その部屋の狭さに昔を思い出すエリカだったが、上田は仕事に悩殺されていて、満足に会うことが叶わない。エリカは寂しく思い、電話で昔自分が上田に送ったボクサーパンツの話をして、今度会うとき履いてきてほしいと冗談めかして言う。上田はもちろんと返すが、肝心のボクサーパンツはどこを探しても見当たらない。後日、ようやく二人は会う約束をする。エリカは宿泊費が滞納されていることを聞かされ、上田にどう切り出そうか考えながら彼を待つ。上田はなくしたボクサーパンツに似たモノを探し続け待ち合わせ場所に遅れる。待ち続けてくたびれたエリカは、場外馬券場で競馬をする。適当に買った馬券が大当たりし、思いがけず大金を手にしたエリカは滞納した宿泊費を払い、上田へ「またね」と伝言を残して去る。結局似ているモノが見つからなかった上田は、待ち合わせ場所でエリカを探す。ホテルへ行くと伝言を聞かされ、上田は急いで空港へ向かう。空港でもエリカを見つけられない上田は搭乗券を買い、飛行機の中まで探しに行く。そのころ、エリカは飛行機に乗らず、一人で東京を歩いて行くのだった。
THE LONGEST TIME IN TOKYO 豪徳寺修也 @4th_wiz_u
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