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普通に生きると意気込んだはいいが……
「学校に行かなきゃいけないって……」
俺、魔法使えないが?
そもそも、俺の名前も知らないが?
「ふむ…」
魔法…使いたい…
なんだよ!魔法学院って!
なんで俺は居るんだよ!
「ほら!さっさと行きなさい!」
「え、ちょっ!」
締め出された……
てか、よう考えたらあの人誰だよ。
母さんなのか?
もう分からん……
まぁ、考えても仕方がない。
とりあえず行こう……
「魔法学院ってどこだ…?」
あぁ、もうだめだ……
「そこの君、そんなとこでしゃがみ込んで大丈夫か?」
「あぇ…?」
な、なんだこの人は?
金髪の美人だ…
うおおおおおお!
これが異世界か!
「ど、どうしたんだ…?いきなり元気になったが…」
おっと、あからさますぎた。
だが、ちょうどいい。
魔法学院がどこか聞こう。
「大丈夫です。その、一つ聞いてもいいですか?」
「ああ、困っているなら私になんでも聞いてくれ!」
な、なんでも…?
それはつまり…なんでも聞いていいと言うことか?
いや、だめだ。
今は、魔法学院に行くことが先決だ。
「魔法学院ってどこにあるんですか?」
「魔法学院…?魔法学院ならあそこに見えているだろう?」
え?
お姉さんが指差した方を見ると、あからさまに魔法学院っぽい建物があった。
すげ〜!アニメで見たことある!
じゃなくて、わかりやすっ!
もうちょっと周りを見ようね、俺。
「ありがとうございます」
「ああ、また困ったことがあれば聞いてくれ」
「はい!」
そう言って、俺は走り出した。
真逆の方向に。
「あ…おい!そっちは!」
何か言ってるような…?
気のせいか。
とにかく急がないと!
遅刻〜遅刻〜!
「あれ?ここどこだ?」
数分走った後、俺は迷った。
あれ?
魔法学院は…?
見えないんだけど…?
え?
さっき見えてたよね?
周りを見渡した結果。
後ろの方にかろうじて、魔法学院が見えた。
「ふぁっ!?」
真逆に走って来てしまった…
なんでだよ!
俺って方向音痴だっけ?
今から戻っても間に合わなくね?
「ふぅ〜〜もう無理だな!」
諦めた。
まぁ、一日ぐらい大丈夫だろ!
せっかくだ、街でも探索しよう!
やっぱ、路地裏とかいいよな。
なんか表と違って、雰囲気がガラッと変わるじゃん?
あの雰囲気好きなんだよね〜
「おい!そっちに逃げたぞ!」
ん?
逃走中か?
「あのガキを逃すな!」
なんかまずい現場に遭遇してしまったのでは?
「はぁ…はぁ…」
こっちに走ってくる子供がいる。
さっきの会話から察するにこの子だよな…?
「た、助け…て……」
……
どうするべきだ…
もし、助ければ俺も狙われるかもしれない。
魔法も使えない俺が狙われでもしたら秒殺だ。
だが、このまま放っておくのか?
「……クソっ!」
普通に生きるはずがこんなことになるとはな…
だが、見過ごすよりはましだろ。
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