迎えてしまった誕生日を祝われる。

 僕が誕生日を迎えた日も意識がなく、健康なら家族に祝ってもらえたはずのこの日も、病魔は例外でなかった。歳を重ねることはまた死に近づくことになる。はっきり言って嬉しくはない。


 が、せつ菜は次に会った時、そんな僕の心中お構いなしに盛大に祝ってくれた。


「先輩!お誕生日おめでとうございます!」

「あぁ、ありがとう」

「何か欲しいものとかないですか?」

「欲しいもの?」

「はい!」


 誕生日プレゼントの話かな。僕の回答を少しワクワクして待っているせつ菜、なんだかかわいいな。

僕はしばらく考えた後、こう答えた。

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