胸に手を当てればわかるはず。

 翌朝、またまたまたあの女の子に遭遇してしまった。場所は家の近所のコンビニ。今日の休み時間に食べようと思ってスイーツを吟味していた時だった。


 「今日は、プリンなんてどうです?優雅に」


 後ろから声が響いた。顔を上げ、声のした方を向く。スイーツを選んでいた時に感じたウキウキがすーっと引いていくのを感じた。オーマイガー、トキメキヲカエシテクレヨ……


 声の主はやっぱり昨日会った知らない女の子だった。当然のように横に来てをプリンを手に取る。


やっぱりこの子は、かわいい。

 視線を逸らして「そ、そうなんだね」と口にする。そんなことより君の名前は?早く聞きたい。通報のために。

「ねぇ、君のな……」

「朝もよくここに来ますよね。そんなにこの場所が好きなんですか?学校の近くにもコンビニあるのに〜」

「そんなことより君の……」

「まぁ気持ちは分かりますよ。ここがいいっていう。」

「あ、あぁ。そうか」

なんでまた狼狽える必要があるんだ。気をしっかりもて僕よ。で、この女の子は一体なんなんだ?


「なぜ僕の言うことさえぎるのだ?って顔、ですね。先輩」

「ああ。また図星か」そんなにわかりやすいか?僕は。

「名前、知りたいんですよね?」

「そうだ。」

「私に興味持ってくれたんですねやっと」

「あぁ。もしかして、以前に会ったこと、あったか?」

「それは……胸に手を当てればわかりますよ……」


そう言ってばいばい、と手を振って後輩は離れていった。


「名前、聞けなかったな」


胸を手を当てればわかる。か。昨日が初対面じゃなかったんだな。


いつ出会った?

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