余命宣告されている私が知らない後輩に好かれていた話

諏訪彼方

プロローグ




 レースのカーテンが風になびき、窓が開け放たれた教室。

 そこには、君以外に誰もいなかった。

そして、教室には、わざとらしく、2つの椅子が向かい合うように置かれていた。


 男子からは可愛い可愛いと褒め称えられ、女子すらも虜にする君。

 その君になぜか呼ばれてここに来た。


「あの、先輩…私のこと、引かないで、聞いてくださいっ…」


 深呼吸をする君。顔は熱っていて、真っ赤に染まっている。まさか…。

 そう考えていると、予想した通りのことを君に告げられた。

「あなたのことを、す、好きに、なっちゃいました…」

「…え?」

「その…、変ですか…?あなたのことを、その、好きって思ったのって…」


 僕はなぜか、恥ずかしそうに俯く君が愛おしく感じていた。なぜだろう。心からこの告白を嬉しいと思う自分がいるのは。



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