五話 なんとなくキャラクター大相撲その1

「なんとなくキャラクター大相撲」は宇宙怪人ハムスター達四人の宇宙怪人ハムスター軍団ととご当地キャラクター達八人のご当地キャラクター軍団に分かれて勝ち抜き戦で行われる。宇宙怪人ハムスター軍団の先鋒はハムッチだ!

「勝つッチよ!さあ!相手は誰ッチか!」

 ご当地キャラクターの先鋒は……ねここがアナウンスする。

「相手は山梨県のぶどうももマンです!」

 ぶどうももマンが前に出ると、お客さんから歓声が上がった!

 ぶどうももマンは体がぶどうで頭がもものキャラクターだ!見た感じかなり動きづらそうだ!

「こいつなら余裕ッチ!」

「二人とも!中央の土俵に上がってください!」

 行司はおれがやる事になっている。

「見合って、見合って!はい!のこった!」

 取組が始まった!ハムッチは立会いから思いっきり胸でぶつかった!ぶどうももマンもそれに対応してぶつかってきた!立会いは互角のようだ!

「おらッチ!」

 ハムッチは声を出して押している!しかしぶどうももマンも引かない!

「こうなったら、本気出すッチ!」

 ハムッチはそう言うと、一気に土俵の外に押し出した!ハムッチの勝利だ!

「やったッチ!勝ったッチ!」

 ハムッチは喜んでいる!本当の大相撲なら喜んではダメだが、まあ、これはあくまでテレビの企画。このくらいは大目に見てください……




「次は誰ッチか!?」

 ご当地キャラクター軍団の次鋒はというと……ねここがアナウンスする。

「ハムッチの次の相手は新潟県の里芋スイカマンです!」

 里芋スイカマンは体がスイカで頭が里芋のキャラクターだ!しかし……

「こいつさっきの奴よりかなりデカいッチ!ずるいッチ!」

 体のスイカの部分がかなりデカい!ぶどうももマンの体のデカさと比べると、二倍くらいデカい!しかしそのデカさからか、動きづらそうではある。

「二人とも土俵へ!」

「見合って、見合って。はい!」

 取組が始まった!ハムッチはさっきと同じように体で当たったが……どん!とすごい音がしてハムッチは里芋スイカマンに弾き飛ばされた!

「痛いッチ!こいつ硬すぎッチ!」

 勝負は里芋スイカマンの勝ちだ!しかしハムッチはというと……

「こいつ鉄でも入れてるんじゃないッチか!?中を調べてくれッチよ!」

 と文句を言っている……すかさず、ねここがフォローする。

「そんな事ないよ!ハムッチ!文句を言わずに持ち場に戻って!」

 ハムッチはぶつぶつ言いながら戻って行った。




「次は俺ぞ!絶対勝つぞ!」

 宇宙怪人ハムスター軍団の次鋒はハムニブだ!

「俺はボクシングで鍛えているぞ!ボコボコにしてやるぞ!」

 それは危険だ!おれは注意する!

「ハムニブ!相撲のルールで戦うんだよ!殴ったりしたらダメだよ!」

「マジかぞ!?せっかく鍛えたのにぞ……」

「ボクシングは番組の最後にするからね!今は我慢して!」

 おれは始まる前から文句を言っているハムニブを宥めた。

「さあハムニブ!土俵に上がって!」

 ねここのアナウンスでハムニブは土俵へ向かった。相撲が始まる。ハムニブは仕切り線よりもかなり後ろにいる。立会いで当たらず距離を取るようだ!

「見合って、見合って。はい!」

 相撲が始まった!ハムニブだけでなく里芋スイカマンも距離を取っている!ハムニブは土俵を中で回りだした!

「その体では、動きづらいぞ!俺について来れるかぞ!」

 ハムニブの素早い動きに、里芋スイカマンも土俵の中央でクルクルしながら対応しているが……だんだんその速度がゆっくりになってきた!

「ハムニブ!後ろを取るんじゃ!」

「ハムニブ!もうちょっとっす!」

 他のハムスター達も熱くなっている!そして、ついてハムニブは後ろから里芋スイカマンを押し出した!ハムニブの勝ちだ!

「俺の勝ちだぞ!やったぞ!」

 ハムニブは勝利を喜んでいる!他のハムスター達も喜んでいるが……

「なんで私の時はこんなに盛り上がらないッチか……」

 ハムッチだけは複雑な気持ちのようだ……

「ハムッチ!ぶどうももマンには誰でも勝てるっすよ!」

 コタローが真実を言ってしまった……

「私も頑張ったッチよ……」

 ハムッチはまたぶつぶつ文句を言っている。ここは、ほっとくしかないな……

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