三話 30時間テレビスタート!
30時間テレビ二週間前……
おれはハムケンのマラソン練習に付き合っている。
「はあ……はあ……10キロ走ったんよー!」
ハムケンはそう言うと道路に座り込んだ!
「ハムケン君!良くやったよ!」
ハムケンの練習には、三か月ほど前からトレーナーの人もついてくれるようになった。
「トレーナーさん!ハムケンは100キロ走れますか?」
おれの疑問にトレーナーさんは歯切れが悪そうに、
「うーん、やってみないと分からないかな……」
と言った。ハムケンが根性見せてくれると良いけど……しかし本番はそろそろだ!
「ハムケンやるしかないよ!」
おれは喝を入れる!
「はあ……はあ……100キロ走れる気せんのよ……10キロでこんなにしんどいのに……」
「ハムケン君!とにかくあと二週間は少しずつ練習量減らして、本番に合わせてコンディション整えるよ!」
「そうなん!?やっと楽になるんやねー」
ハムケンは喜んでいるが、本番が始まったらもっときついのに……大丈夫だろうか?
おれはハムニブが練習しているボクシングジムにも行ってみた!
「ハムニブ!あと一分だ!」
ハムニブはミット打ちという練習をしているみたいだ!そして練習が終わったタイミングで声をかけてみる。
「ハムニブ!ボクシングはどう?」
「はあ……はあ……しんどいぞ……だが少しずつ楽しくもなってきたぞ!」
ハムニブはもともと野球をやっていたから、体力があるから結構動けるみたいだ。
「ハムニブ!一分経ったから休憩終わりだぞ!またミット打ちだ!」
「おうぞ!」
ハムニブはまた練習に戻って行った。ジムのオーナーさんにも話を聞いてみる。
「ハムニブはチョクモンさんと戦えますか?」
「相手が相手だからね……ちょっと厳しいかもね……」
やっぱりそうだよな……オーナーさんはさらに続けた
「でもハムニブは頑張っているからね。勝てはしなくても見どころがある勝負するかもね!」
オーナーさんは少し強い口調でこう言った!まあハムニブは他の宇宙怪人達との戦いでも活躍したしな!結構いけるかも……
話している間にミット打ちは終わったようだ。
「ハムニブ!次の練習はパンチングボールだよ!」
「わかったぞ!」
ハムニブは休憩を挟んで次の練習へ向かった。心配なさそうだからおれは帰る事にした。
家に帰ると柳さんが来て居た。一休と話してるようだ。
「柳さん!今日はどうしたんですか?」
「ユーキさん!今日は一休さんに最後の説明をしに来たんです!」
「ハンターから逃げるなんて簡単ちゃ!絶対逃げ切れるちゃ!」
一休は自信があるようだが……しかし
「でも一休何も準備してないじゃないか!それで逃げ切れるんか!?」
一休は30時間テレビに向けて体を鍛えたりとか、作戦を考えたりとかは全くしてない……
「大丈夫ちゃ!小さくなったら余裕ちゃ!」
本当に大丈夫なんだろうか?
「問題ないようですね!一休さん!もう部屋に戻って良いですよ!」
柳さんの言葉に一休は普段住んでいる母さんの部屋に帰って行った。柳さんは帰る前にある事を教えてくれた……
「ユーキさん!実はハンターには人間だけではなくて、他の宇宙怪人の人にも頼んでいるんです!」
「ええ!そうなんですか!?」
宇宙怪人はハムスター、ネズミ、ネコの他にもいる。おれ達はいろんな宇宙怪人達と戦ってきた。宇宙怪人は人間の姿にもなれるが、その動物の姿にもなれる。ちなみに宇宙怪人ハムスター達と宇宙怪人ネズミの一休は人間の姿になるのは苦手らしい。
「そうです!面白くなりそうでしょ!」
一休の企画は大変な事になりそうだ……
そして、いよいよ30時間テレビ本番の日が来た!おれとハムケン以外の宇宙怪人達は車でブジテレビに向かった。
「ユーキ……私MCなんて出来るかな?」
ねここはか細い声でおれに聞いてきた。
「うーん……でも今までに収録もあったしリハーサルもしたよね。とにかくもうやるしかないよ!多分なんとかなるよ!」
「そうだと良いけど……」
ねここはそう言うと喋らなくなった。そりゃ緊張もするよな……
他の奴らはというと……
「いやー、30時間だけで100万っすよ!みんな!やったろうっす!」
「俺はボクシング分追加でもらえるらしいぞ!」
「ハムニブずるいッチ!私ももらいたいッチ!」
「僕の料理企画もあるんじゃ!テレビの前のみんなにも楽しんでもらいたいんじゃ!」
「おれっちも上手く逃げるちゃ!」
いつも通りかな……
そして、おれ達はブジテレビに着いた!打ち合わせや最終リハーサルもしてついに本番だ!おれ達はスタジオに集まった!
おれのセリフでスタートする!
「宇宙怪人達のなんとなく30時間テレビスタートです!」
さあ!いよいよ始まったぞ!
ちなみに「なんとなく」というタイトルがついているのは柳さんが宇宙怪人ぽいゆるいタイトルにしたいという思惑でつけたのだ!
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