幻想標準世代
横野
■モノローグ1
■モノローグ1
月イチで回ってくる放課後の掃除当番になるのが嫌だった。
二人一組でなる当番の相手は決まって私に掃除を押し付けて帰ってしまうからだ。二人組の相手は一度手にとった箒をすぐにロッカーへ戻すと私の方を一瞥し、何も言わずに教室を出て行ってしまう。しばらく教室の窓から外を覗いていると、校門の手前でその人はクラスの仲間に追いつくのだった。
私は楽しげに揺れるランドセルが校門の外へと消えるまで眺めていた。何故自分に掃除が押し付けられて、そのことを嫌だと言う事が出来ないのか。彼女は何を思って押し付けるのか、その時の私には分からなかった。
ただ悲しさが胸を締め付けていた。
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