チラシの裏の落書きコンテンツ

なごみ游

第1話 岐路とか分水嶺とかいう、人生の分かれ道について

岐路、というものがあるなと思う

分水嶺と言うのか、線路の切り替えスイッチというのか

それをするか、しないか、迷った場合の条件ソートという話では実はなくて、非常に感覚的かつ主観的な根拠に基づくもので大変申し訳無いのだが、要するに「踏み込むとヤバい」という直感のことである


望み薄だが仕方がないので手を付けるといった消極的受け入れや、失敗するのはわかっているがやらざるを得ないという諦めの境地ではない

とにかく、誰が何と言おうと、世間に後ろ指を刺されようと、自分は絶対にそれを避けなければいけないはずだという直感だ

ある程度下調べはする

賛成派、反対派、色んな意見を聞いてみる

周囲の話も聞いてみる

論文があれば読んでみる

そうして突き詰めた結果、大多数が是とすることに猛烈に否を発することが稀にある


私は基本的に流されやすい人間だ

人がやることは真似してみたくなり、誘われればついていくタイプで、頼まれればイヤと言えず、興味もなく始めたことでいつの間にか真剣になる

気分屋、ワガママ、天邪鬼、飽き性

そういう言葉でなんとなく「自分はこうだから仕方がない」と言い訳している


だが、この絶対に避けるべきという直感だけは、一度持ってしまうと変えることができない

そのことで不便しようと、肩身の狭い思いをしようと、今後の人生のすべてのデメリットを並べて説得されても、とにかくNOと言ったらNOだと、頑として譲らない


私がそれを拒絶して3年が経とうとしている

ちらほらと、やんわりと、私が拒否したものがようやく疑問視され始めてきたのか…と、やや諦めに似たものが混ざっているものの、僅かな期待を抱くことがあった

ざまあみろ、なんて思う気持ちはない

選ぶか選ばないか、それはどんなことであっても個人の自由だと思うからだ

私は選ばない自由を行使しているだけであって、他人が選ぶ自由を妨げたいと思ったことはない

選ばなかった以上、今も選び続けている人達とは世界が分かれてしまった

それを僅かに、残念に思う


私は心から友達が欲しいと思ったことがない、と友達に話したことがある

大変失礼な話である

が、これは「私は友達だと思うが相手はそうとは限らない、相手にも選ぶ権利がある」などという訳のわからない思考回路によって生まれるもので、実際、自信を持って友達だと言えるのは1人であり、おそらく友達と言っても相手が不愉快にならないだろう人は2人か3人か……と段々語尾が弱くなる


これは、同じ世界に在る者でなければ友達にはなれない、という思い込みがあると推察した

私の場合は大きく分けて職場という世界と、ゲームという世界になる

職場は3年前に「選ばない」と決めてしまって、世界が分かれてしまった

そこに居ないのだから、断絶しても仕方ない

そう思い込み、友達を続けられる可能性を自分自身で終了していたのではないか


このように、自分自身のことでさえ

いや、自分自身のことだからこそ、五里霧中に陥って見えていないことが多い


岐路、というものがあるように思う

たとえ選ばなかった世界であっても、そこに居ることはできなくとも手助けすることはできるのかもしれない

何を今更当たり前な、と鼻で笑われるだろうが、最後までお付き合いありがとう



2024.4.29 なごみ游

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