老夫婦とコインランドリー

 湿っぽい日は夫といつものコインランドリーに行く。


「あら、乾燥機新しくなったのね」

「なに?」


 眉間に皺を寄せた夫が新しい乾燥機を見つめると、丁寧に洗濯物を中に入れ、扉を閉めた。


「先達に負けるなよ」


 厳しくも期待を込めた言葉を添えて百円玉を投入する夫の微笑は、少し寂しげだった。

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老夫婦の140字小説 バブスラ @bbsr_osuimono

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