付き合っている少女が魔族だった件

菅沙シナタ

第1話「突然の出会い」

この世界には魔族というものが存在する。普段は人間と同じ姿だが、その魔族が自分の意志でその姿になれるらしい。だけど、その姿は自分は見たことがなかったし、自分には縁のない存在だと思っていた。


彼女に出会うことがなかったらという話だ。


とある6月の終わりごろに、好きな女子に告った。そして、帰ってきた返事がどのようなものかというと、

「私でいいの?本当に、私実は魔族なんだよね。」

「え!?そうなの!?」

「存在は知っているんだ、だけど、噂だけでしょ。」

「俺は、別に魔族だってなんでもいい!そのくらい俺は君のことが好きだ!」

「そんなこと言われたら、ダメって言えないじゃん・・・。」

彼女の顔が赤くなっていた。

「いいよ。別に君のことは嫌いじゃないから。」

ということで彼女とのカップル生活がスタートした。


実際にうまくいくとは思っていなかったけど、うまくいってよかったと思っている。

俺の名前は、古川錬太郎。錬埼高校の2年生だ。俺は1年のとある日に青崎さくらに片想いをしていた。自分の場合、別に陽キャなわけでもないし、勉強は、テストの成績は、だいたい普通。スポーツは、そこそこできる。だけど、彼女はどのような人が好きなのかわからない状態だったから、俺のような人は嫌いかもって少しは考えていたけど、よかった。

今日の放課後に一緒に帰ることになった。


「ていうかさ、なんで君は私のこと好きなの?」

「だってさ、美人だし、勉強だってできるし、スポーツだってそこそこできて、やさしいじゃん。」

「え?そうかな?美人なのかな私。」

さくらは自分が美人だって自覚がないみたいだ。別にいいんだが。

「いや、俺にとっては、だからさ。」

「あー。なるほどね。」

「ちなみにさ、魔族ってどんなかんじなの?」

「ここでは言えないな。今ライン送るから、そこで話そう!」

「うん。わかった。」

そんな感じの会話をしながら帰っていた。

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