(三)-3
再び車が栃木ICから東北道に乗ると、今度は南下していき、先ほどは通過した佐野藤岡ICで降りた。
車の中では、沈黙が続いた。きっと翔太はなにか話したいことがあるはずだと拓弥は思ったが、そんな様子もなかった。きっと俺と会うのを嫌がっているのではなかろうか。そんな考えが拓弥の頭をよぎった。
「今日はあんたたちに、存分につきあってもらうからね」
ICの大きなカーブで速度を落としつつ曲がって行く車を運転しながら沈黙を破る実奈美の言葉に、拓弥はドキリとせずにはいられなかった。別れを切り出された翔太と再びつきあうことができる……。そう思うと拓弥は心臓が心拍数を増やすのを止めることができなかった。
(続く)
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