(二)-13

 レストランのフロアを歩いていく。何を食べるかは、みな迷っていた。

「ちなみに、今日はレイカとカナコのおごり、な」

 丈が唐突に言った。

「またそんなこと言ってえ。たまにはおごってよ」

「しゃーねーだろ、財布持ってねえんだから」

「えー、そうなの~」

 カナコとレイカがハモる。

「だって、財布持っていたら、全部使っちまうだろ」

「えー、いつも私らがおごってんじゃん。私のヒモにでもなるつもり?」

 カナコが拓弥にしがみつきながら丈の方を向いて言った。


(続く)

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