(二)-12

 レイカはそう言って拓弥の右腕にしがみついた。

「なんだ、『つかぐちようへい劇団』に所属する、新進気鋭の若手女優さんには、俺じゃもの足りないらしいな」

 丈がそう言うと、拓弥を除く三人が笑い合った。

 すでに拓弥の右腕にしがみついているレイカを見て、カナコは「ずるーい」と拓弥の左腕にしがみついた。

「おいおい、俺は両腕、空いてるぜ」

 丈がそう言うと、レイカとカナコは「残念でした~」と笑った。

「まあ、とりあえず、メシ食おうぜ」

 そういって拓弥の背中をポンポン叩くと、四人は表参道ヒルズに入って行った。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る