第71話 リハーサルは続くよ夕方まで
マリアさんが上手いのは世界の歌姫でベテラン歌手さんだから解るのだけど、みのりんさんが凄いなあ。
「とんでもない綺麗な声だねえ。おじさんサブイボ立っちゃった」
「レアスキルよ【透き通る歌声】って奴よ」
「レアスキル持ちなんですか、それは凄いね、運が良いのかな」
『みのりが転職条件を満たすまで、『
「そうらしいですね、チョリさん」
「誰もなれない職業のレアスキルとか、レア楽譜とか二足三文で迷宮売店で売られていてね」
「ああっ、転職した瞬間に買い占めたんですかっ」
「そうそう、タカシくんが気が付いてね、レアスキルとレア
「チョリさんも『
「そうよ、二曲を除いてコモン
「私が『
ミキちゃんがそう言った。
そうかあ、時期とかタイミングで色々とあるんだねえ。
「ミキもレアスキルの【サチココバヤシ】を手に入れたから良いじゃ無いの。ネタじゃなかったのねえ」
「『
「私も【必中】が欲しいよ」
「私は【
それぞれの職業のレアスキルがあるみたいだね。
『
というかスキル【ゴリラ】ってなんだろうなあ。
みのりんちゃんは、レアスキルを持ち、レア
すごいね、レアづくしだ。
「ぐぐぐ、私もレアが欲しいわっ」
チョリさんが絞り出すように言った。
「レアスキルとか、レア武器があれば活躍できるんでしょうねえ」
「ヒデオは大丈夫よ、レアゴリラ持ちだし、レア
「ゴリラたちはレアですか」
「超レア、迷宮に関係がない超能力で、ウルトラレアだわよ」
なんと、URスキルだったのか。
ややこしいのでスマホゲームはあまりやらないけどね。
おじさんなので小さい字に弱いんだよ。
ライブの舞台監督が『サザンフルーツ』と『チョリズ』さんを呼んだ。
どうやら通しでリハーサルをするようだ。
とりあえず、観客代わりに、各種陣営の護衛さんと『チャーミーハニー』さんが客席に座り、通しリハを見る事となった。
鏡子さんも居るね。
「あんたらは、リーディングプロモーションの護衛の冒険者?」
「そうですよ、鏡子さん。私は護衛統括の山下です」
「よろしくね。そっちの外人さんはマリアの所のかい?」
『そうだぜ、ミスキョウコ』
「そかそか、みのりをよろしくな」
鏡子さんは、ミカリさんとか、ムラサキさんを見た。
俺には視線を止めないね。
まあ、知ってたけど。
「リーディングプロモーションの護衛で一番強いのは誰だい?」
「え、あー」
山下さんがチラチラと俺を見るんで顔の前で手を横にふった。
俺なんかはリーディングプロモーション最強じゃないですよ。
しがないゴリラ使いですから。
「レベルが高いのは私ですかね、一応A級ですので」
「おお、それは凄いな」
『俺も、俺もA級、『ホワッツマイケル』の二軍だよ』
『ああ、マイケルんところの冒険者かあ』
鏡子さんは、ワイルドな外観だけど、なかなか気さくな感じだね。
背中をガガッと蹴られたので振り返ると、赤坂さんが笑っていた。
「鏡子にあんな事、言わせておいて良いのか、ヒデオ」
「いや、別に俺は強く無いですし」
「まったく、良い感じにステルスだよな。ロシア人もヒデオの本当の凄さは見破れねえから、良いぜ」
「いや、本当に凄く無いですから」
なんか、みんな買いかぶってくるんだよなあ。
ゴリラ達が強いだけで、俺は別に何も強く無いし、偉くもないんだがなあ。
ステージは完成したのか、背景の巨大ディスプレイが幾何学模様を描き、スモークが焚かれて『サザンフルーツ』が出てきた。
「川崎マリエンライブにみなさんようこそっ! 今日は目一杯楽しんで行ってくださいねっ」
お、いつもの『南国フルーツパラダイス』なんだけど、『マリア&みのり』に対抗心を燃やしたのか、さっきよりも曲の熱気が強いな。
こうやって切磋琢磨して行くんだなあ。
「『サザンフルーツ』のデビュー曲、『南国フルーツパラダイス』でしたーっ!! みんなありがとー、次は『チョリズ』さんです~、拍手~~!!」
うん、ミキちゃんも、ちゃんとMCが出来てるね。
『サザンフルーツ』は袖にひっこんだ。
スモークが焚かれて、『チョリズ』さんの登場だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます