第52話 迷宮で遊んでいたら『サザンフルーツ』が来た
テイムがしてみたいというミカリさんとムラサキさんに付き合って角兎を捕まえたりしてみた。
「新しい鞭があれば【拘束】が付いていて便利なんですが」
「まあ、捕まえてしまえば一緒だよ」
「俺も試したいですっ」
「どうすんの、ヒデオ?」
「相手の頭に手を置いて、こう、頭の中から虹の橋を出してですね、相手と自分の脳の間に橋を架ける感じです」
「うむむむむ」
「うむむむむ」
「うむむむむ」
俺が角兎をがっしり捕まえて、他の三人が奴の頭に手を置いて、唸っているが、特に虹の橋が架かる様子がない。
無いというよりも、三人の脳から虹の橋が発生している気配がないなあ。
うーん、なんだろうか。
もしかしたらユカリちゃんぐらいしか出来ないかもなあ。
「「「だめかあ!」」」
『ヒデオの教え方がふんわりしすぎだ』
『虹の橋って何だ? なんらかのパスだろうか』
『というか、世界でヒデオだけがテイム成功してるんだよな』
まあ、俺の場合は、ゴリラと繋がっている部分を虹の橋と認識していて、同じ物で『モグ』と繋げてみたら上手くいっただけなんだが。
自転車とか、水泳を言葉で説明するようなもので、説明できている気がしないね。
ミカリさんが力を入れすぎで、角兎の首を折ってしまった。
奴は粒子になり、経験値の雲となった。
「「「あーあー」」」
お、経験値の雲が『モグ』の胸にも吸い込まれたな。
『モグ』もレベルアップするのかな。
アプリで確かめてみると、『モグ』はLv.1だな。
レベルアップすると凄く強くなるかもしれないね。
何しろ、三階のネームドだからね。
「今度はスライムをテイムしてみよう」
「え、やだ、あいつらベタベタしてるし」
「ツルツルしてないんですよね、皮膚に当たるとただれるし」
「ぐぬぬ」
やっぱりヌルヌルしている奴より、モフモフしている奴の方が良いね。
二階に通じる階段をドドドとヒカリちゃんが駆け下りてきた。
「ヒデオ~~!!」
「あれ、ヒカリちゃん、どうしたの?」
「『モグ』くんを見せて~~!!」
そう言って、ヒカリちゃんは駆けよってきて、『モグ』の前で正座した。
『キュキュー?』
ちょっと『モグ』も引き気味であるよ。
二階からの階段を、ミキちゃんとヤヤちゃんが降りて来た。
「こんにちは、ヒデオさん」
「あれ、今日はレッスンは?」
「『モグ』君が見たいので、早じまいしてきましたよ」
「そうですそうです」
「『モグ』は可愛いからなあ」
「無理も無い」
ヒカリちゃんは『モグ』の前で正座して、ニマニマしながら見ていた。
「こんにちはー、『モグ』くん、私はヒカリだよ~、よろしくね~、うぇひひひっ」
『キュ、キュー』
「返事した、返事、ヒデオ、この子、人の言葉解るよね」
「まあ、解るみたいだよ」
「うわあ、いいなあいいなあ、君は『サザンフルーツ』のマスコットにならないかい、『モグ』くんっ」
『キューイ?』
『サザンフルーツ』の三人が正座して『モグ』を囲んだ。
「可愛いですね~~」
「私もテイムしたい~~、どうするのどうするのヒデオ」
「さっきからあたいらも角兎をテイムしようとしてんるんだけど、ヒデオのいう事がふんわりしていて良くわからねえ」
「そうなんだ」
「そんなにみんな、テイムしたいの?」
「「「「「「したいー」」」」」」
全員声を揃えて同意しおった。
「やっぱ、魔物と仲間になって一緒に冒険は萌えるよねっ」
「アニメで良くあるし、私はフラッシュネズミをテイムしたいっ」
「大きいワンチャンをテイムして乗ってみたいです、くつした君みたいに」
「いいよねえ、くつした!」
「くつしたって、誰?」
「『Dリンクス』がこの前出した【従魔創造の珠】ってアイテムで魔石から作ったケロベロスくんだよ」
「それはすごい」
というか、また『Dリンクス』かあ、凄いね。
ヒカリちゃんがDスマホに動画を出して見せてくれた。
おお、あのムカデ鞭のちっちゃい子を乗せて、大きなワンコ従魔が暴れている。
というか、ちっちゃい女の子も『Dリンクス』だったのか。
「だから、ヒデオ、テイムを教えて」
「そうだねえ、頭の中に虹の橋を作ってだねえ、相手の脳に繋げるんだよ」
「「「???」」」
うーん、解らないかあ。
うーん、テイムの才能でいうと、ミキちゃんが一番高いかなあ、その次はヤヤちゃん、ヒカリちゃんは残念ながらあまりイクナイようだ。
まあ、ヒカリちゃんは、ミカリさんとか、三郎太くんなんかとどっこいなんだけど。
ムラサキさんは、ミキちゃんに次ぐ感じかな。
で、たぶん、テイムの才能は、ユカリちゃんが一番高そうな気がする。
勘だけどね。
あとまあ、俺も、角兎とかならテイム出来そうだけど、ゴブリンとかオークになると無理そう。
人に教えるのも、やっぱり、ちゃんと『
なんかテイムを教えるスキルとかありそうだね。
早くレベルアップをして、
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