幼馴染に振られたダメ兄の隣に転校してきたのは昔遊んでた男の子なんだけど本当は女の子だったらしいです
楠木のある
第一章 男かと思ってた転校生は女の子でした
第1話 ダメ兄と転校生
「あんたのことなんか好きになるわけないでしょ?」
幼馴染の
その数日後、双子の弟、古賀斗真と付き合っているという事が知ってから俺の出来事は始まる。
出来損ないの兄貴、ダメな方の双子の兄、などと呼ばれている俺は
一方でできる方の弟はイケメンで頭が良くて運動ができて性格もいい
高校で彼女をと思っていた俺にとって幼馴染は最後の希望だった。
いや、唯一の希望だった。
だがイケメンの弟に取られてしまった。
まぁ双子なので顔は似ているのだが、行動や言動がイケメンなのだそれに身だしなみにも気を遣ってるアイツとは大違い。
この二人を比べた時、どちらと恋人になりたいかなんて明確だ。
だからもう俺は考えるのをやめた。
◆
今日の教室は何やら騒がしい、ざわざわと噂話がクラス中に響いている。
俺は窓際の一番端の席で、隣に誰もいないのでとても良い席だ。
隣がいないため気を遣う事がないから苦労しない。
それなのに今日はいつもは置いていないはずの机が並んでいた。
どうして置いてあるのか考える前にガララッと音を立てて扉が勢いよく開かれる。
「おーい席つけー、今日はまず転校生が新しくこのクラスの仲間になることになった」
先生のその一言でクラスは大盛り上がり。
俺はあほくさと思い、窓の外を頬杖をつきながら眠たそうに見る。
「入ってきてくれー」
すると、おおぉ~という歓声が。
なにやらみんな言葉に詰まっているらしい。
「初めましての方ははじめまして、
「「「よ、よろしくー!」」」
クラスのみんなが大きな声で挨拶をする。
「じゃあ席はー、古賀の隣な」
「えっ!」
思わず声が出てしまった。
教室中から注目される。
「なんでアイツの席なんだよ、ダメ兄の癖に」
こういう声が聞こえてくる。
先生考えてよすこしは……まぁ事情を知らない先生からするとどうでもいいか。
「あの、よろしくお願いします……」
「あー、よろし……く」
そこで初めて今日彼女の顔を見ることになった俺は唖然とした。
制服を着ていてもわかるスタイルの良さ、白くつやのある肌、大きくぱっちりとした瞳、長くサラサラとした髪の毛。
俺の隣の席に来た転校生は圧倒的な美少女だった。
「どうかした?」
「……失礼、なんでもないです」
こんな奴の隣に美少女が座ったとなると、クラスからの反感はすごい。
もーやだ、帰りたい。
俺はそう思いながら、また窓の外を見つめる。
◆
「はぁ……今日は疲れた」
俺はため息交じりの声で玄関のカギを開けようとした。
そういえば、隣の部屋引っ越しの作業してたんだけど終わったのかな……。
俺は親に頼んで一人暮らしをさせてもらっている。
あの家にいると嫌でも比べてしまうからな……。
両親も悩んだ末、了承してくれた。
本当に両親には感謝している。
ピンポーン、その時だ。
インターホンが鳴り、ガチャリと玄関の扉を開けると……。
そこには、美少女の転校生がいた……。
「え……っと、なんですか? も、もしかしてストーカー?」
「ち、違うよっ! 失礼なっ」
「じゃあ、なんで俺の部屋知ってるんだよ」
ストーカーじゃないにしても、俺の部屋を知っているのはピンポイントで怖すぎる。
「隣の部屋に引っ越してきたので、その挨拶です!」
「となり……は? 隣っ?!」
「驚きすぎでしょー」
あははと俺の反応が面白かったのか、笑っている。
いやいや、そうなるだろ普通。
この展開はおかしい、こんな展開アニメやラノベじゃないと成立しないんだ。
認めないぞ俺は……そんなことをぶつぶつと念仏ののように唱えていると、彼女は頭を下げてくる。
「これからよろしくお願いします、お隣同士として」
「は、はぁ……こちらこそ?」
「それじゃあね、一真くん」
丁寧にお辞儀をして、彼女は去って行く。
「あれ……俺って名前教えたっけ?」
ダメだ、今日はもう色々ありすぎた。
寝よう、そして明日考えよう。
おやすみ。
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