第4-12話 仲直りの仕方?
原宿(東京)ダンジョン120層の白亜の城の地下奥底に存在していた121層への石階段を降る。
その様子を配信で見ている視聴者達はある不安をコメントする。
:これ121層に行くのはいいけど120層へ戻れなくなったりしないよね?
:閉じ込められるパターンか
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】そういう心配を無くすため、花魁サキュバスのあいちゃんをパーティーゲストにしてます。
:監視を兼ねてるのね
:【魅了】で魔族を操れるんだっけ?
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】121層以降の階層で【魔族】に遭遇したら無駄な戦闘を避ける為、あいちゃんに【魅了】してもらう予定です。
:そんな都合よく人間の言う事聞いてくれるのか?
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】まあ炎の精霊による霊印で半強制的みたいですけど。
:ひぇ……
:だよな。フロアボスと仲良く冒険なんて流石に無理だよな
:テイマーの冒険者もいるけどフロアボスをテイムした例は聞いた事ない
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】あいちゃんと今後仲良くする為に今現在、120層の白亜の城を改修工事中です。
:仲直りの手段が城の改修工事ww
:俺だったら突然城ぶっ壊すヤツと仲良くなんて絶対できない
:ダンジョン内の城を改修工事なんて出来るの?
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】ボクは花魁屋敷風にリフォームしようって言ったんですけど炎さんが『サキュバスの城ならやっぱりラブホテルじゃない?』って……
:ダンジョンの城をラブホテルに改修しようとしてるヤツがいるぞ
:ラwブwホwテwルw
:詫びの気持ちさんが失踪しとる
:城っぽいラブホなんて地方にしかないだろ
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】なので折衷案として『花魁屋敷風ラブホテル』に現在改修工事中です。
:うん。見事な和洋折衷だね(白目
:『和洋折衷』という四文字熟語に謝れwww
:この天然最強冒険者と才能持て余した天才開発者コンビを止めれるヤツは誰かいないのか?
:このコンビだからこそこのチャンネルは面白いんだろww
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】まああいちゃんが気に入らないようだったら改修部分はまた破壊します。気に入ってもらえたら城の右半分の方も破壊します。
:なんという二択w
:さらに城破壊ってこの人達、謝罪する気あるの?
:これサキュバスさんに拒否権あるの?
:何故あると思った?
:世の中には関わっちゃいけない人間がいるという例
:この2人に目をつけられた時点でサキュバスさん詰んでそう
:ご愁傷様です。添い寝ASMR配信楽しみにしてます
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】121層に辿り着いたみたいですよー。
麗水ちゃんとコメント欄が戯れている間に炎の仮面冒険者一行は121層へ到達したようだ。
広がる景色は紫だった。
:なにこれ?
:森が瘴気で汚染されてる?
『なんという事だ……樹々が泣いている』
瘴気に蝕まれている森の樹々を見たゼランは悲痛な表情を浮かべる。
:イケメンエルフさん、めっちゃ悲しそう
:ゼラン様が傷ついてる……
:この森、白魔術や聖魔法で浄化出来ないのか?
:森の規模にもよるだろ?
:121層全部こんな森なのか?
「まずは無人階層探索ドローンを数機、巡回させて
戦闘用3D-AI海咲ちゃんが階層探索ドローンの準備を始める。
階層探索ドローンが四方へ飛び立っていった。
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】階層探索ドローンの映像が見たい視聴者の方はこちらのリンクで見る事が出来ます→http://
:ドローンの探索映像まで見せてくれんの?
:麗水ちゃん有能
:リンク先の映像画面見てるけど基本紫の森だな
コメント欄の男性視聴者も階層探索映像に夢中になる。
:おい!4号機の映像見てみろ!!
:なになに?
:【魔族】がいる。それも結構な数
:本当だ。何やってんだ?
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】炎さん、121層出発点から右30度、2.2キロメートル地点にて【魔族】の集団を発見。なにやら戦闘中の模様です。
「戦闘中?何と?」
炎の仮面冒険者は麗水ちゃんからの報告に質問で返す。
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】戦闘の詳細を把握したいのですが接近し過ぎてドローンを破壊されたり、また奪われる訳にもいかないので……
「分かった。アイウェールと一緒に現場に行ってみる。何かあれば120層へ戻れるようゼランと海咲ちゃんは此処で待機ね。ゼラン、『命大事に』」
『了解しました』
「おけ」
:『命大事に』で通じるのね
:『ガンガン行こうぜ』もあるんだろうか?
:炎と花魁サキュバスちゃん、飛んでいった
:2人を追っかける撮影ドローンはないの?
:【防衛省の麗水(よす)ちゃん】はいはい。用意しますよー。ちょっと待ってくださいねー。
炎と花魁姿の
「【魔族】の集団が見えてきた。アイウェール、此処から【魅了】出来る?」
炎の言葉に花魁姿の女夢魔の下腹部の紅光の霊印が反応し、それを見たアイウェールは慌てて【魔族】の集団へ魅了空間を展開する。
桃紫色の靄がその空間に拡がり始め、それに気づいた【魔族】たちは恍惚とした表情を浮かべ、何かとの戦闘を中断する。
「
炎は戦闘場所へと近づいていく。
その場所にいたのは銀色髪の褐色の肌。そして尖った耳――。
「――もしかしてダークエルフ?」
【魔族】と戦闘をしていたのはダークエルフの集団だった。
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