⭐︎〝コモレビから透ける夏はアオイロでした〟【ボカロ】

コモレビから透ける夏はアオイロでした

ミドリが照らしたからだはアカく輝いていて

シロく浮かんだ太陽が

月のような微笑みを投げかけていました

もしも夏が人間になって降りてくるとしたら

世界はきっともっとカラフルになる

そうわたしは思いました


コモレビから覗く夏はジュンパクでした

かざした手の先にあるアオは透明で

高くのぼった入道雲が

わたあめのように甘くたゆたっていました

もしも夏が人間になって降りてくるとしたら

世界はきっともっと明るくなる

そうわたしは思いました


コモレビが消えた夏はハイイロでした

こずえを襲う雨は酷薄こくはく

ソラに走った稲妻が

汽笛のような激しさでとどろいていました

もしも夏が人間になって降りてくるとしたら

世界はきっともっと残酷になる

そうわたしは思いました


コモレビから届く夏はオレンジでした

黄昏たそがれにかがやいたソラの上を

ワタリドリがのびやかに飛びまわっていて

こずえに沈む夕日が

雲をアカネイロに染め上げていました

もしも夏が人間になって降りてくるとしたら

世界はきっともっと優しくなる

そうわたしは思いました


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