パパはスーパーママリンコ様!

ライカ

第1話 日常

『生まれてきてくれて、ごめんなさい』

目の前の父親に日頃の文言を言う。

横には間違えた数学の問題がある。


(ゴン!!)

『何で!?わかんないだよ!おい!糞虫!xとyなんて⚪︎と△と一緒だろが!アホ!』

僕の座る椅子を蹴りながら父さんは僕を怒る。


『そこはこうで……』

父さんは馬鹿で頭の悪い僕に間違えた問題を教える。


『わかったか?馬鹿!』

『うん』

『ならその次の問題やれ!』

父さんはイラついている。

『う、ん』

僕は問題を見る。

横では足を揺らし、じっと僕を睨む父がいる。

さっきの説明はわかったのに問題に手が出ない。

睨んでいる父さんが怖い。


(ボカ!)

『違うぞ!ゴミ!!わかってないじゃねえか!しね!』

『うう、ごめんなさい』

何となく式を書く。でもダメだった。頭を平手打ちされた。


『ゆう、パパ、ご飯できたよ』

母さんが勉強中の僕と父さんを呼ぶ。


『飯だ、糞虫、続きは飯の後だ』

『はい』





『今回の特集は〜〜』

(チーン、チーン、チーン)

夕食をなるべくゆっくり食べる。

もう、父さんは食べ終わり僕を待ちながらリビングのテレビを見ている。


『服部さん、どうして、男性に変えた〜〜』

(チーン、チーン、チーン)

スプーンを食器に当てる。もうとっくに固いハンバーグは食べ終わってる。あとはサラダだけすぐに食べ終わる、けど父さんを勉強したくない。


『おい!ゆう!いつまで食ってんだ!おせえぞ!もういい、残して続きだ!!』


『うーはい』

僕はリビングを出る父さんについて行く。


『問題の続きだ。飯も食ったんだ。考える時間はあっただろ』

そう言ってまた父さんと僕はやりたくない勉強を始めた。



次の日


『は!?何で昨日までの読書感想文書いてないんだよ!?どうすんだよ!また成績悪くなるだろが!ゴミ!』


『ほら!僕は?』

父さんはいつものを始める。

『糞虫です』


『生まれてきて』

『ごめんない』


『わかってるじゃえねえか。糞虫、で!その読書感想文見せろ』

『はい』

僕はカバンの中からクシャクシャの原稿用紙を取り出す。


『おい!クシャクシャじゃねえか!?何で!?いつも整理できないんだよ!だいたい、机にこんな!ゴミを置くから勉強も何も出来ないゴミになるんだよ!』

そう言いながら父さんは僕の机の上にあるゲームの攻略本や勉強に関係のない物をゴミ箱に入れる。


『あ!それは!まだ使うの!』

友達にもらったアニメカードゲームを父さんが捨てようとする。


『は!?お前!こんなのやるのか!?カードゲームはクソの遊びだ!大体なんだ!?この女は!糞虫!いつから変態になったんだ!?しね!』

そのまま父さんはカードをゴミ箱の中に入れる。

『はい、ごめんなさい』


父さんは机を片付け終わると僕のクシャクシャの読書感想文を読み始める。




『やり直しだ。ゴミか!?この文章は!?』

『え?』

父さんは全てを闇終わるとそう言った。


『大体なんだよ!原稿用紙2枚分!?それで、構成も何もない。何言いたいかはっきりしない』


『え、でも……』


『やり直し、ほら、新しい用紙』

『はい』

父さんが新しい用紙を渡す。


(グシャ)

前の原稿は丸められて捨てられた。


新しい原稿用紙に書き始める。

本のタイトルと名前を書いてシャーペンが止まる。


(ガタガタガタガタ)

父さんは止まるシャーペンを見たがら足をガタガタ振るわす。


『はよかけ!』

(ガン!、ゴド)

椅子が蹴られ僕は椅子ごと倒れる。


『何、止まってる。早く書け』

『うん』

僕は椅子を立て直し、座って原稿用紙を眺める。


『あ〜もういいわ、スーパーパパリンコ様が書く……本だせ』

『はい』

僕は本を机の棚から出して父さんに渡す。


父さんは僕の出した本を読み始める。


『大体思い出した。いいか、文章は全て嘘をかけ。本当の事なんてなんてな、恥ずかしくて書きにくいんだよ。嘘なら簡単だ、恥も何もない。ただ、要求されたことを書くだけだ』

父さんは一枚の紙を出す。


『いいか、嘘をかくにはきちんと設計図を書くんだ……』

父さんは学校の要求する理想の回答とそれに至る話を簡潔に書き表す。


『今日はいい、朝早く起きてスーパーパパリンコ様の写せ、もう遅い寝ろ』

『はい』

僕は解放されてベットに向かった。












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