第33話 激闘の末に
戦いはナオル優勢だが決定打がない状態が続いていた。
意識を取り戻したアリーシャとルナも戦いを見守っているが
「何か、ナオルさんの力になれれば……」
「私たちの世界の争いなのに……」
自分たちの残された魔力では戦力にならないことに歯痒さを感じていた。
そんな中、ナオルはアルケミスの魔力の流れ自体を視覚化しようと試みた。
「改善する者」の能力をフルに活用し、彼は周囲のエネルギーを感じる、
アルケミスの体内を巡る彼は特にアルケミスの丹田に強い魔力の集中を取り感じ
それが魔力循環の中心であることを確信した。
「丹田が鍵だ。そこを攻撃すれば…」ナオルは計画を立て、次の攻撃で全力を注ぐことを決めた。
しかし、精霊の力を使い攻撃を先読みしている
アルケミスの丹田に正確に攻撃するのは難易度が高い。
せめて、一瞬でもアルケミスの動きを止めることができれば…
「ナオルさん!」
アリーシャとルナが治るに向かって響く。
言葉は交わしていないが
ナオルは2人が自分の狙いを理解していると悟った。
彼はアルケミスの攻撃を慎重に避けながら、最適な瞬間を待ち
全速力でアルケミスの正面に立って、丹田を狙って突進した。
「単純な動きですね」
アルケミスは精霊の力を利用し
攻撃を傘そうとする。
「これはっ!」
アリーシャとルナの土魔法により
アルケミスの足は地面から離れることができない。
「ここしかない!」
ナオルはアルケミスの丹田に全力の一撃を加える。
この攻撃はアルケミスにとって予想外だった。
「何が起きている!?」
ナオルの最後の攻撃がアルケミスの丹田に見事に命中した瞬間
アルケミスの体からは青白い光が漏れ、その魔力は周囲に広がり、限りなく拡散していた。
ナオルの一撃はアルケミスの魔力循環を完全に破壊し、彼の計画を根本から覆した。
大量の魔力が放出され、それはまるで光の波のように広がり、周囲の空気を震わせた。
その結果、ルナとアリーシャから奪われていた魔力が自然と彼らの元へ戻り始める。
二人の表情には徐々に力が戻ってくるのが見て取れ、彼女らの体からは温かい光が溢れ出す。
「やった…やっと終わりだ。」ナオルは疲労と安堵で声を漏らす。
彼の行動が世界を救ったこと、そしてアルケミスの暴走を止めたことに、深い満足感を感じた。
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