第22話 140歳の美少女

振り向くと


エルフの美女がいた。




彼女の姿はまるで森の妖精が舞い降りたような儚げな美しさに満ちていた。


長くなめらかな銀色の髪は、風になびきながら輝く星のような輝きを放ち、彼女の優雅な動きを優しく包み込んでいる。


その目は、深い緑色でありながら、時折、遥かなる星空のように輝きを宿しているようだった。


その身体は、優雅に曲線を描き、まるで芸術的な彫刻のような美しさを持っている。




アリーシャとは別タイプの魅力溢れる女性だ。




「えっ?」




俺が驚いているのをみると




「これは失礼しました。」


「助けていただいたのに失礼でしたね。」




「いえ、なんか困っていたようでしたので、お節介でしたか?」




「そんなことありません!」


「妹が怯えてしまい、すごく困っていたところだったので」




「なるほど、妹さんの善意を無碍にして暴力を振るわれたからあんなに起こっていたんですね」




「お恥ずかしい。」


「どうしても同胞が傷つけられると冷静さを失ってしまうのです」




なるほど、エルフと言う種族は仲間思いなんだな。


俺が感心していると




「それより、先ほどの魔法はなんですか?」


「回復魔法なんてこの世界では聞いたことがありません!」




しまった〜


アリーシャに言われていたのを


すっかり忘れてました。




「これは、、、リハビリというものです」




俺はそこからリハビリのメカニズムについて


解説を始めた。




最初は半信半疑だったが


説明していくうちにリハビリについて信じてくれるようだった。




「私の痛いのも治る?」




隣の小さなエルフの子に質問された。


「可能性はあるよ!」


「小さいのに難しい話、よく分かるね」




エルフの少女の頭を撫でていると


「ナオル殿、この子は140歳ですので、、、」


「たいていの人間より多くの知識を持っていますよ?」




「えっ?」




なんか恥ずかしいー!


俺は140歳のおばあちゃんの頭を撫でていたのか?




「まぁ、評価してみましょう」




改善する眼かいぜんするめ


どうやらこの子の痛みは叩かれたことで筋肉が傷ついて痛みを出しているようだ。


これなら改善する者かいぜんするものでなんとかなりそうだ。




「じゃ、早速!」




俺は彼女の腕に手をかざす


傷んでしまった筋肉を回復するように魔力を流し込む。




「これで大丈夫かな!」




「ナオル殿、手をかざしただけじゃ?」




彼女は心配そうに妹を見ている。




「、、、痛くない!」




小さなエルフの女の子は


目を輝かせながら、俺を見ている。




「ありがとう!ナオルお兄ちゃん!」




俺に抱きつきながら、身体いっぱいで感謝してくれる。


嬉しいけれど、140歳なんだよな〜


なんか複雑な気持ち。




「驚いた!リハビリとは素晴らしいものなんですね!」




彼女の微笑みは、春の風が花々を揺らすように、心を温かくし、心を和ませるようだった。




「妹のケガまで治してくれてありがとうございます。」


「なんと感謝をしたら良いか、、、」




「いえ、気にしないでください。」


「俺の技術がお役に立てて良かったです。」




「是非このお礼をさせてください。」


「私はルナと言います。」


「これから1週間はニュートラリアに滞在する予定ですので、都合の良い日にこの宿を訪ねてください。」






「分かりました。僕も予定を確認しておきますね。」




「ありがとうございました。」




ルナが歩いていく姿を見ていると


俺はとあることに気づいた。

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